34話 野営の準備
魔道具鞄(中)を手に入れた俺は浮かれていた。そして、店主に野営に必要な道具もあるか確認をする。以下の道具を取り扱っているとの事。
・普通のテント(1人用) 小金貨2枚
・普通のテント(2人用) 小金貨5枚
・普通のテント(4人用) 小金貨10枚
・魔道具のテント(2人用) 金貨10枚
・焚火セット 小金貨1枚
・調理器具セット 小金貨1枚
・調味料セット 小金貨1枚
・解体道具セット 小金貨5枚
・魔道具のランプ 小金貨1枚
「店主、魔道具のテントってどんな感じなんだ?」
「はい、これは素晴らしい商品です。内部拡張は8帖ぐらいのスペースです。普通の部屋をイメージして下さい。展開連動する付属設備として
・ベッド×2
・収納棚(小)
・簡易シャワー
・魔道具トイレ
が設置されております。」
「それと簡易結界ですが、使用者の魔力で効果は変わりますが近づく魔物を退けます。あとは防音が付与されております。」
「か、買ったぁぁぁぁ!!」
「ごほん…。えっと、野営道具はこれだけ貰おうか。」
・魔道具のテント(2人用)×2 金貨10枚
・焚火セット×1 小金貨1枚
・調理器具セット×1 小金貨1枚
・調味料セット×1 小金貨1枚
・解体道具セット×1 小金貨5枚
・魔道具のランプ×2 小金貨1枚
「はい。ありがとうございます。全部で金貨20枚と小金貨10枚になります。」
俺は所持金を確認した。うん。まだ足りるな。
金貨21枚 小金貨57枚 銀貨×9枚
店主に代金の金貨21枚を支払った。
「ありがとうございました」
俺は購入した野営道具を魔道具鞄(中)に収納した。
するとシロが話しかけてきた。
『あ、あの…主殿、すこし散財しすぎていると思うのですが…』
「え?そんな事は無いだろ?」
『言いにくいのですが、先日からの収入をかなり使い切っておりますが…』
「ファンタジーな道具は男の浪漫じゃ!いるもんは、いるんじゃ!!」
「テセウス、カッコいい。足りなくなったら言ってね。お店を売ってお金を作るよ。」
『テントなどは普通の物で良かったのでは…』
「ちょっとシロ!アンタ、テセウスに文句言うの?」
『いえ…そういう訳では無いのですが、主の行動を窘めるのも従者の勤めかと』
「あぁぁん? オイ!シロ!アンタ、テセウスに意見するつもり?」
「おい、アルカ、黙れ!汚い言葉を使うな!」
「うん。テセウス。ごめんね。」
「あとは食料を買いに行くぞ」
俺達は西の外壁近くにある露店市場に向かい食料品を買い込むことにする。
「おい、アルカ。採掘道具って持ってるか?」
「うん。お店に置いてるよ」
「じゃあ、露店で食料品を買ったあと、お前の店に寄って道具を取りに行こうか。その後、装備を軽く見に行って宿に戻って夕食としよう」
露天市場では沢山の人で賑わっていた。魔道具鞄(中)があるので消費期限をあまり気にしなくてもいい。そのため野菜や肉類、チーズ、ワイン、パン、魚の干物などを買った。しかし、魔道具に比べて一般商品は安く、小金貨2枚で大量に購入出来たのであった。
その後、アルカの店に寄り採掘道具を準備する。ピッケルやシャベル、大小のハンマー、ノミなどがあった。それらを魔道具鞄(中)に収納する。
次に俺達は武器屋に向かったのであった。
「アルカ、料理はできるのか?」
「うん。得意だよ。テセウスのために頑張って作るね」
「そうか。助かる。ありがとう」
アルカは料理が得意だった。他に才能で【掃除洗濯】も所有してたな。
一人暮らしが長かったみたいだからな…。
「お、そこの武器屋に入ろうか」
俺達はアルカの店から少し歩いた所にある、武器屋へ入った。
「へい、いらっしゃい」
スキンヘッドのムキムキの髭親父が対応した。
「あれ、アルカさん。今日はどうされたんですか?」
スキンヘッドの親父がアルカに敬語で話している。
「今日はアタシの主と武器を見に来たんだ」
「え??アルカさんの主ですか?」
「そうだよ。この人がアタシの主で全てを捧げた人、テセウスだよ」
「初めまして。俺がテセウス。アルカの面倒を見ている」
「あっ、はっはい。こちらこそ宜しくお願いします。」
スキンヘッドの親父が俺にも敬語になった。この界隈では、もしかするとアルカは恐れられているのか?そんな事をふと考えながら、親父に武器の事を聞く。
「今日はつなぎの武器を見に来た。メインとする武器はアルカに作らせる。それまで使える中程度の武器が欲しい」
「え?あのアルカさんが武器を作るんですか?」
「ん?どう言うことだ?」
「いや…アルカさんは武器や防具を気分が乗らないと作られません。性能は凄く良いので、求める人は多いのですが」
「え? アルカ本当なのか?」
「うん。そうだよ。気に入らない人には絶対作らないよ。でもテセウスが言うなら頑張って沢山作るよ」
「おお、そうか。沢山はいらないけど、俺らの分ぐらいは作ってもらおうか」
「うん。最高の防具と武器を作るね」
「えぇ!!アルカさんが全力で製作する武器ですか?とんでもない値段になりますよ!」
「んあ!? そうなのか?コイツはそんなに凄い鍛冶師なんか?」
「ええ、この人の作品は国王様へ納品されるほどの品です。」
「へぇー、武器はあんまり興味が無いからいいや」
「そ…そうですか…」
俺は神器を持っているので、これ以上の武器は入手が不可能な状況だ。そのため国宝などの武器と言われても興味が湧かなかった。
「アルカ、お前の武器は何がいい?」
「アタシは自分で作ったピッケルがあるから必要ないよ」
「…伝説のピッケル。ゴクリ…」
親父がアルカのピッケルと聞いて反応した。
「アルカ、この前は店辞めるって言ってたよな?素材が入らないとは言ってたけど。でも、適当な武器や防具を作ってそれを売ったら良かったんじゃないのか?」
「うーん、アタシは気に入らない人に作った物を使われるぐらいなら店を辞めて貧乏でいいよ」
「職人のこだわりなんだな」
「そうかな?我儘なだけだよ」
「まあ、お前の面倒は見るから気が向けば作ればいい。だからもう気にするな」
「うん。ありがとう」
「シロは武器、何が欲しい?」
『私は基本的に打撃を主としております。火焔に耐えうるガントレットか素手で戦います。』
「親父、火焔に耐えるガントレットあるか?」
「いや~、火焔の程度によりますが、たぶん、ウチの武具じゃ無理です。」
「そっか… 買う物無いな… ありがとう」
俺は親父に礼を言って店を出た。結局、武器は何も買えなかった。そのまま世界樹の宿に戻り、夕食を取って俺達は部屋に戻った。俺とアルカの二人は部屋に入り、それぞれベッドで休憩する。
「なあ、アルカ。この石斧を見てくれないか?」
「テセウスの石斧、触っていいの?」
俺はこの神器を誰にも触らせていなかった。シロにも触らせていない。
「お前ならいい。この話を信じるかお前次第だが、実はこれ、クロノス神から頂いた神器だ」
俺は何となくアルカに異世界から来たことや、今までの経緯を話した。
「テセウス… ぐすん… 元の世界に帰っちゃうの…?」
「帰れるなら帰りたいな。会社の事もあるし、家族もいるし」
「テセウスは…結…婚してたの?」
「いや。ずっと独身だ。仕事が忙しくて出会いが無かったからな。家族ってのは親父とお袋の事だ」
「そっか。でもアタシはテセウスが結婚しててもいいの。一生側に居れるだけでいいの。」
「もし帰ることができたらお前を連れて行く」
「本当!嬉しい!」
「ああ、本当だ」
「あ、話が逸れたけど石斧を見てくれ」
「うん」
アルカが小さな体をふんふん動かして石斧を見ている。小動物に見えたので少し悪戯をしてみた。
「キャッ!びっくりした …あっ ちょっと…」
「この石斧はやっぱり神器なのか?」
モミ
「あ… うん… どうかな…ぁん…」
むにゅ
「破壊不可属性が付与されているらしい」
むにゅ
「ご…めん。ちょっと今は… 頭の…中が… テセウスで一杯に…」
むにゅん…
「その…先に水浴び…させて欲しい」
「ん?じゃあ水浴びして明日に備えて寝るか!」
「バカ…」
俺達は山岳に向かうため早めに寝た。変な気分になったままで。
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<所持品>
リュック
拾った服×1 ウエストポーチ
魔道具鞄(低)
回復薬(大)×1個
回復薬(中)×4個
回復薬(小)×10個
黒皮の鎧×2個
生成色のズボン×4枚
藍色の上着×4枚
魔道具鞄(中)
魔道具のテント(2人用)×2張
焚火セット×1式
調理器具セット×1式
調味料セット×1式
解体道具セット×1式
魔道具のランプ×2台
採掘道具×1式
所持金:金貨0枚 小金貨55枚 銀貨×9枚
(アルカの所持金は除く)
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