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異世界転移物語〜傍若無人なおっさんの成り上がり〜  作者: ゴディバン
第二章 文化と社会
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29話 街と領主の館

 貴族の女と従者と思われる壮年の男性は帰っていった。


 俺はとりあえずサイクロプスのツノを外そうと死体に近づく。第三階位の青のサイクロプスを初めて見た。神の眠る島でも緑しか見ていない。何の役に立つのかは不明だがギルドでも買い取り依頼が出ていた。シロに引き抜けるか聞いてみた。彼がツノを握り、引き抜こうとするが外れない。俺はこの神器である石斧なら折れるかと思い、慎重に根本を狙い振り下ろす。


 ガキン!と音が鳴り、根元にヒビが入る。


 力を調整しながら何度か石斧で根本を叩く。するとツノが折れて取り外せた。


 「お、取れたな!硬かったけど、この石斧なら大丈夫だったな。しかし硬いとは言え、この程度の強度と大きさだったら武器にはならないだろ?何に使う物なんだ?」


 「私も知らないわ。ギルドでは稀に買い取り依頼を見るんだけど。」


 「シロは知ってるか?」


 『私の部族ではツノに薬効があると聞いた事があります。しかし、粉砕して細粒する加工が難しくあまり使用はされませんでした。』


 「ふーん。そうなのか。凄い硬いしな。石臼で粉にするのも無理っぽいしな」


 俺はツノを魔道具鞄に収納し街へ戻る事にした。


 「シロ、カミラ、街に戻ってギルドへ向かうぞ」


 俺は二人にそう伝えてこの場所を離れた。途中、ゴブリンやスライムと遭遇したが適当に倒して森を進む。先ほどの貴族の事にイラつきながら歩く。


 「さっきの貴族がマジでムカつく。気が収まらん。おい、カミラ、ちょっと触らせろ」


 「ふぇ!何!急に」


 「ちょっとアレを触って気を紛らわす」


 「嫌よ!こんな所じゃ。ちゃんと部屋にして…」


 「部屋ならいいんだな?」


 『主殿…ちょっとその突拍子もないお考えはどうかと…』


 「カミラも嫌がってない。だからいいんだ。生でアレを触って心を静める!」


 「シロ…ありがとう。でも私は逆らえないの… テセウスに逆らうと捨てられるわ… だから仕方が無いのよ」


 「おい!俺が悪者みたいやんけ!!」


 「『……』」


 理不尽だ!本当に理不尽と怒りながら、森を抜け街道を進む。宿に帰ったら"絶対に触ってやろう"と心に誓い、失敗フラグを立てながら街に戻ってきたのであった。


 「先にギルドに寄って報告するか」


 俺は二人にそう伝えて納品カウンターへ進む。納品職員に3人分の冒険者証を渡して査定を待つ。するとギルド職員から領主の屋敷まで来るように指示がきたと伝えてきた。


 「その指示を無視したらどうなるんだ?」


 「ああ、間違いなく領主の兵士に拘束されるでしょう」


 納品職員がそう答えた。


 「じゃあ、逃げたらどうなるんだ?」


 「領兵がギルドまで出向いて指示を伝えてきました。恐らく重要な用事があると思います。もし、罪を犯していたなら街に入る時に拘束されています。ですが重要な用事。つまり貴族を無視したと言う理由で手配書を回される可能性はあります。」


 「そっか。じゃあ無視するか。」


 納品職員がギョッとした表情をした。俺は気にせず査定結果を待つ。


 「サイクロプスの討伐記録を確認しました。今回でテセウス様とシロ様の冒険者階級がE級に上がります。カミラ様は階級の変更はございません。お二人のカード表示の変更は済んでおります。討伐報酬は小金貨50枚となります。」


 納品職員が小袋を渡してきた。それを受け取り俺は質問をする。


 「サイクロプスのツノを取ってきたんだ。買い取りをしてくれるんだろ?これは何に使われるんだ?」


 「ツノの使用目的は規約によりお答え出来ません。買い取りは勿論しております。1本で小金貨200枚となります。ただし買い取り対象となるのは青階色以上のサイクロプスで根本から採取している事が条件となります。」


 結局、このツノが何に使われるかが分からなかった。持っていても仕方が無いのでギルドに売ろうとした時、後ろから声を掛けられた。


 「君がテセウスかね?領主の館まで同行してもらおうか。」


 声を掛けてきたのは領兵だった。5名ほどいるようだ。


 「あぁん? 断る。」


 俺は面倒なので断る事にした。間違いなくこのツノの件だろう。屋敷に持って行かない事で、あのリリアナって女に少しは仕返しが出来ると考えたためだ。ギルドに売ってリリアナの手に入るのは仕方が無い。既に依頼として成立しているから。たが報酬を貰ったとしても、直接渡すのは気に食わない。


 「そうか、ならば仕方が無い。拘束させてもらおう。」


 そう言って、領兵が俺達を囲もうと動いたので


 「チッ… しゃーない。領主の館に行けばいいんだろ?シロ、カミラ、宿でちょっと待ってろ。ちょっくら領主の館まで行ってくる。」


 『主殿…お気をつけて。』


 「テセウス… 大丈夫よね?」


 「ああ大丈夫だ。心配すんなって」


 そうして、俺は報酬の入った小袋をシロに渡し領兵に囲まれて領主の館に向かった。領主の館は貴族街の中心にある。貴族街は外壁門とは違う入口の"貴族門"付近のエリアである。道行く人々の視線に耐えながら、領兵に囲まれて暫く歩くと領主の館前に到着した。



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■□■□異世界転移で魔王になったよ。~極悪非道な物語~□■□■
サブのこちらも良ければお読みください。
こちらは軽いテンポと設定で進みます。
徐々に本作とサブが関連します。
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