8-1 買い取りカウンターは大騒ぎ
今回から新章です!
新キャラも色々出す予定ですのでお楽しみに!
~とある森の中~
「おい!しっかりしろ!おい!」
大きな声で叫ぶミハイル。
その腕の中には子分である犬の獣人が片目を魔物の毒液でやられて浅い息をしながら衰弱していた。
仲間の獣人たちがそれぞれ咄嗟に解毒の処置したり、元凶である毒持ちの大蛇の魔物と対峙していた。
場面は変わってドワーフ王国を出た新見一行は次の町を目指して進んでいた。
目的はゼノンがテイムしたマリーのギルド登録と新作のラーメンの客受けの確認、そしてその次の目的地についての情報収集だった。
「行きは結構急ぎじゃったから森を突っ切るリスキーなルートを取ったが本来は安全のため結構な回り道をして街をいくつか経由してから向かうのがセオリーなのじゃ。」
そう言うとゴリオンは地図を広げて通ってきた道やこれから通る道を指でなぞりながら説明した。
「結構ショートカットしたな。」とのんきに言う新見
「過剰戦力過ぎて道中魔物がおっかない記憶がないんですけど…」とぼやく薫
「それより!早くマリーをギルドで登録しなきゃ!」
ドワーフ王国が復興中のためギルドが機能していなかったため早く次の町に行きたがるゼノン。
その腕に抱かれるマリーはされるがままにゼノンに抱っこされていたがまんざらでもない模様。
歩きだと数日かかる道中。
たまに後ろからドワーフ王国からの馬車に抜かれて新見達はドワーフ王国が順調に復興していることを実感する。
進むこと3日、ついに道中の町にたどり着いた
「やっと町の防壁が見えてきたわ!」
「本当に遠回りなんだな。」
「そうじゃな、この街から南に進むとレグルス国境、町を抜けて東に進んで南東に向かうと港町ミーハイ、北へ向かうと王都じゃ。ちなみに先ほどここへ向かう分かれ道を逆に進むと山脈方面になってをそこを越えてからさらにすすむとワシは行ったことないがドワーフ国が香辛料を仕入れている魔族の領地があるぞ。」
ゴリオンが地図を持ちながら丁寧に道案内をする。
進んでいくうちに一行は関所の前へとやって来た。
行き交う商人や旅人たちが別で列を作る中、順番になった新見たちは門番による簡単な問答を受けていた。
「それで、こちらへ来た目的は?」
門番が事務的に問いかける。
新見は特に隠すこともなく答えた。
「屋台の営業と、北の森で狩った魔物素材の売却。それと従魔登録です」
「……北の森?」
門番が怪訝そうな顔をする。
「待て。今、北の森と言ったか?」
「言ったけど?」
新見があっさり答えるがあからさまに門番たちの雰囲気が変わる。
「証拠はあるのか?」
「証拠?」
新見は少し考えたあと、薫へ振り向いた。
「薫、森で最後に倒したアイツの首、出せるか?」
「え? ああ、はい」
薫がマジックバッグから取り出したのは、巨大なリスの頭部だった。
「これって…」
「間違いない…ギルドで報告のあった北の森で目撃された魔物だな…」
先ほどまでの強気な態度はどこへやら。
顔が引きつり、額にはじわりと汗が浮かびたす。
「た、たしかにぃ!ど、どうぞぉ!お通りくださいぃ!」
声と手のひらがが裏返ると同時に門番たちはものすごい勢いで道を開けた。
その様子を見ていたゼノンが、通ると同時にムッと頬を膨らませる。
「なによ、あの態度失礼しちゃう!」
ゼノンの懐にいたマリーも、ゼノンの表情を真似するように頬を膨らませた。
「……にゃ!」
「そうよね! 私たち、何も悪いことしてないものね!」
「にゃ!」
マリーも同意するように鳴いた。
「いや…まあ、あのレベルの魔物を苦も無く普通に狩ってくる時点で、十分おかしいんですけどね…」
薫が小声で呟いた。
町へ入った一行は、目的に合わせて二手に分かれることになった。
「じゃあ、俺とおっさんは商業ギルドへ行って屋台の営業許可を取ってくる」
新見がそう言うと、ゼノンが頷く。
「じゃあ私たちは冒険者ギルドね。マリーの従魔登録と…」
「素材の売却ですね!」
薫も自分のマジックバッグを軽く叩いた。
「じゃあ、終わったら冒険者ギルドの掲示板前で集合するってことで」
「分かったわ」
こうして、新見とゴリオンは商業ギルドへ。
ゼノン、薫、そしてマリーは冒険者ギルドへ向かうことになった。
――――――
冒険者ギルド。
「それでは、こちらが従魔登録の書類になります」
受付嬢が書類を用意すると、ゼノンはマリーを抱いたまま手続きを進めていく。
「名前はマリー。種類はフォレストキャット…っと」
「それと従魔証明に使用する形式について…」
ゼノンがカウンターで従魔登録をしている横で買い取りカウンターは大騒ぎになっていた。
時は少し遡り、薫が買い取りカウンターにて。
「すみません。素材の買い取りをお願いしたいんですが」
「はい。では、素材をこちらへ…」
その直後だった。
ドサッ。
大きな音を立てて、カウンターの上に大量の魔物の素材が置かれた。
「……?」
買い取り担当の職員が、少し驚いた顔で素材を見る。
「こちらで全部でしょうか?」
「いえいえ、まだまだありますよ~」
薫のマジックバッグからさらに素材が出てくる。
周りには最初は何気なく見ていた冒険者たちも、次第に様子がおかしいことに気づき始めた。
「お、おい…あれって…」
「この依頼書のやつじゃね?」
そう言うと掲示板から依頼書を持ち出す冒険者。
「グリーンサーペントにマーダーベア、ヘルポイズンタランチュラ…待って、あれってワイルドアンガーボアの牙じゃねぇか…?」
「オ、オラァこげな魔物みたことないべさ…」
「んだんだ、オラたづが束になってもぜってぇかなわねぇっぺ…」
だんだん顔が青ざめていく野次馬。
職員の顔からも、徐々に笑顔が消えていく。
「…あの」
「はい?」
「失礼ですが…これ、全部あなた様が?」
「あ、いや、パーティのみんなで狩ったものですけど」
職員がギルド内を見回す。
そんな実力者なら周りが気付くはずだが薫の仲間らしそうな人物は見当たらない。
受付も野次馬に来た冒険者に目線をやるが他の冒険者も首を横に振るしかできなかった。
だが当の本人は、そんな視線を知ってか知らずか、まだマジックバッグを漁っていた。
「えーっと…あ、まだありました」
「「「まだあるの!?」」」
ギルド中から、思わず声が上がった。
「……?」
薫は不思議そうに首を傾げる。
すると従魔登録を終えてゼノンが買い取りカウンターへと向かってきた。
「ねぇ、まだまだかかりそう?」
マリーも抱っこされてゼノンの腕の中からを覗き込む。
「にゃ?」
「それが量が量だけに苦戦しているみたいで…」
(((そこじゃねぇよ!)))
と職員と野次馬が一斉に心の中でツッコんだ。
「し、失礼ですが……そちらの方は、お仲間さんでしょうか?」
買い取りカウンターの騒ぎを聞きつけたギルド職員が、おそるおそるゼノンに尋ねた。
「ええ、そうよ」
ゼノンはマリーを抱いたまま、あっさりと頷いた。
「といっても、今日は依頼を受けに来たわけじゃないの。従魔登録と、道中で遭遇した魔物の素材を売りに来ただけよ」
「さ、左様でございましたか…ちなみに、これからお時間はございますでしょうか?」
「時間?」
「はい。実は、後ほどギルド長がお話を伺いたいと申しておりまして……」
「ギルド長が?」
ゼノンは少しだけ目を丸くしたものの、すぐに納得したように頷いた。
まあ、あれだけの素材を持ち込めば、ギルド長が興味を示すのも無理はないだろう。
「うーん…急ぎの用事でなければ、後でもいいかしら?」
「と、申しますと?」
「一度、仲間と合流しないといけないのよ。時間ができたら、こちらから伝えるわね」
「か、かしこまりました!」
職員は慌てて頭を下げた。
このやり取りを聞いていたやじ馬たちの脳裏に、これらの魔物を討伐した冒険者をそれぞれ想像する。
屈強な大男か。
歴戦の冒険者か。
あるいは、名の知れた高ランクの冒険者たちなのか。
いずれにせよ、あの大量の魔物を狩り、平然と持ち帰ってくるような連中だ。
並大抵の実力ではないはずだ。
次第にその冒険者について有名な冒険者の名前だったり男か女かと話が膨らみ次第に賭けをしだすものまで現れたが当の二人は知る由もなかった。
連休初日にアラーム切って寝ていたらやべ!寝坊したと飛び起きたらカレンダー見てお休みと気づいて一安心して二度寝したら追加で6時間寝ていました…
お疲れなんでしょうね…




