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帰れるまではラーメンの屋台引こうとする元勇者  作者: 白湯のお湯割り
7.ドワーフ国からの出発

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7-4 ゴリオンの正体

会社の近くに二郎系インスパイアのお店ができていました。

非乳化で醤油のキレを感じながら食らう太麺は絶品の一言でした!

(身バレしちゃいそうなのでどこのお店化は伏せさせてください…!)

新見達の目の前には重々しい黒鉄で造られた、巨大なからくり扉が鎮座していた。


扉の中央には奇妙な機構が組み込まれている。


四つの枠が横一列に並び、それぞれが回転するスロットのようになっていた。


描かれている絵柄は、それぞれ


水晶。


人。


槌。


火。

「なんだこれ暗証番号みたいなもんか?」

新見は驚嘆しながらゴリオンに訊いた。

「?まぁ、正しい絵柄にしないと開かない仕組みじゃな。」

(そうだった、こっちにはATM無いんだった…)と質問を間違えたことに気づき頭を掻く新見。


ゴリオンは扉の前へ移動し

迷うことなくその機構へ手を伸ばした。


「えっと……たしか、こっち方面からだったから…これをこうして…こうじゃ!」

ゴリオンが四つの絵柄を揃える。


左から、水晶・槌・人・人の絵柄になるとその瞬間。


ガコンッ!!


地下空間全体に響き渡るような重低音が鳴り響いた。

「うおっ!?」

新見が思わず身を引く。


ギギギギギ……。


軋むような音を立てながら、黒鉄の扉が奥へゆっくりと動き始めた。

扉の先に広がっていたのは、意外にも質素な部屋だった。


ちょっとした執務室のような造りで、中央には事務机、さらにその奥には椅子が一脚。

そして部屋の端には、簡素ながらも天蓋のついたベッドが置かれていた。


さらに、入ってきた扉とは別の方向に、もう一つ同じような黒鉄の扉がある。

「王族用の緊急シェルターかな?」

新見がそう呟くと

「……ん?」

新見は事務机の奥にある椅子へ視線を向ける。


そこにあったのは、ゴリオンと瓜二つの顔をしたドワーフの石像が座っていた。

服装こそゴリオンとは違うものの、髭の形、顔立ち、体格までそっくりである。


「なんてこったおっさん! いつの間に石化光線食らったんだよ!?まさか…知らないうちに時間差で石化するタイプの攻撃をくらったのか!?」

新見は大慌てで石像へ駆け寄る。

「待ってろ、今解除薬を…」


スパァン!


部屋中に心地よい音が響く。

「バカタレ、ワシはここじゃ。」と新見の頭をしばいてツッコむゴリオン。


「フォーッ…いってて……」

思いのほか強烈だったらしく、新見は頭を押さえながらその場でうずくまる。


「いや、でも冗談抜きでそっくり……」

ゼノンが石像とゴリオンを見比べながら、小声で呟く。


薫も困惑したように二人を見比べる。

「本当に同じ顔ですね……」


ゴリオンはそんな二人を気にする様子もなく、石像の前へ歩み寄ると

「ほれ」

石化解除薬の瓶を取り出すと、迷うことなく石像へ振りかけた。


ピシッ……。

石像の表面に亀裂が走る。


ピシ……ピシシッ……。

マリーのときと同じ、石化解除の反応だった。


乾いた音とともに石の表面が崩れ落ちる。


中から現れたのは、ゴリオンとよく似た顔立ちのドワーフ。

「……髭の色が違う?」


新見が呟く。

実際ゴリオン本人よりも黒いダークグレーの髪色のドワーフだった。


目を覚ましたドワーフは、ゆっくりと周囲を見回した。


「おう、大丈夫か?」

ゴリオンが声をかける。


その瞬間、ドワーフの目が大きく見開かれた。

「兄者!?兄者じゃないか!」


「「「え?」」」

王の元へ向かって石化解除した王がゴリオンを兄と呼んだ瞬間理解が追い付かない転生者組


「「「えーーーーー!?」」」

ゴリオンが王族と理解した瞬間、城中に響くかと言うぐらいの絶叫をした。


驚いている転生者組をよそに

「やかましい奴らじゃ」

と軽くあしらうと。


まだ状況を飲み込めていないドワーフ王が、三人を見回した。

「兄者よ。この者たちは?」

「ああ、こやつらが今回の石化事件で魔物の討伐に協力してくれた者たちじゃ」


そう言うと、ゴリオンは順番に紹介していく。


「元ゆう――」

新見が鋭い眼光でゴリオンを見る。


「ゴホン…料理人で前衛の新見。」

新見は軽く会釈する。


「後衛で魔法使いのゼノン」


「どうも」


「そして荷物持ち(ポーター)兼商人の薫じゃ」

薫が微妙な顔をする。


「そうであったか」

ドワーフ王は三人を改めて見渡すと、ゆっくりと頭を下げた。

「このような場所で申し訳ないが、まずは一言礼を言わせてもらう。国を救ってくれて、本当に感謝する」


「ちょ…!王様がそんな安易に頭を下げるような真似を…!」」

ゼノンが慌てて手を伸ばすが


「なぁに。伝統やらプライドだけでは国は護れんよ。この頭一つ下げるだけで義を尽くせるというのなら、いくらでも下げるわい」


「……」


その言葉を聞いた新見は、ドワーフ王のあまりにできた人格に思わず見つめる。


(俺を召喚しておいて、魔王討伐までの名声を丸ごと奪ったハンチャーライ王国の王族(バカ共)とは大違いだな…爪の垢を煎じて、毎食食わせてやりたいわ…)


「それより兄者がここにいるってことは……文を見たのか!?」


ゴリオンは首を横に振る。


「いや、文は届いておらんかったし、少なくとも、数か月は経っておるようじゃな。ワシらがここへ来たときには、国中が石像だらけになっておった」


「そうか、数か月経ったと言っておったが……他の者や食料関係はどうなっておる?」


「一人生き残りがいますがギリギリの状態で発見しました。石化解除についてはまだ、陛下しか石化解除しておらぬ」


ゴリオンは王へ今までのことから報告する。


「作物や通常の食料庫は、長期間放置されたことでほとんど駄目になっておる。それと城の天守閣じゃが…件の魔物が巣にしておって今では…”風通しがいい”状態になっておった。」

少し言いにくそうに天井を見上げる。


「ふむ」


ドワーフ王は報告を聞いて顎に手を当てる。

「さすが兄者、うまく立ち回っておる」


「食料については、そろそろあそこを解禁すべきじゃな」

「……あそこを?」


何か心当たりのある王族二人


「うむ。天守閣については、もともとほとんど使っておらんから後回しでよいじゃろう。それよりも、人手じゃな…」

ドワーフ王はもう片方の扉の方へ歩き出す。


「まず誰を戻すべきか、何を優先すべきかを決めねばならん」


「それについてはこれを」

ゴリオンは醸造所で書いていたリストを王に手渡す。


「やはり兄者は要領がいい…」

そう言うとリストに目を通す。


「よし。おおよそだが、やるべきことは分かった」


そう言うと扉を開いた。

扉の先には王城の地下らしきところに繋がっておりそこから階段で城内に向かう造りになっていた。



次回はゴリオンの身の上を書ければなと思いましたがもう少しだけ先延ばしになりました。

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