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帰れるまではラーメンの屋台引こうとする元勇者  作者: 白湯のお湯割り
6.ドワーフ国

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6-7 討伐に向けて準備!

最近ガチャの偏りがすごいです…一度当たると被りやすいのは計算すれば割とよくあることは知ってますがそれにしては13あるうちの1体だけ偏るのはおかしいと思います!(気のせい)

「とりあえず、集められる情報はこれくらいね。これ以上は考えていても埒が明かないわ」


ゼノンが手を軽く叩き、場を仕切る。


「討伐に向けて準備しましょう!」


確かに、机上で考えられることはほぼ出尽くした。

あとは実際に戦うための備えを整えるだけだ。


「となると、一番厄介なのは石化対策か…」


新見はそう呟くと、アイテムボックスへ手を差し入れ、一株の奇妙な薬草を取り出した。


赤い葉に人参のような根、そこに小さな人の顔が付いている不気味な植物だ。


「薫。マジックバッグの中に、こういう魔草はないか?」


それを見るなり、薫の目が輝いた。


「おぉーっ! エクスマンドラゴラ! しかもかなりの上物じゃないですか!」


思わず商人の血が騒いだのか、薫は食い入るように魔草を眺める。


「これは一本で十万ゴルド、大金貨一枚はしますね!」


「えっ!?」


新見の目が飛び出した。


「そんなにするの!? 俺が査定に出したときは一万ゴルドもしなかったぞ!?」


「新しい製薬に用いられる論文が発表されてここ数年で需要が一気に上がったらしいですよ。

栽培しようにもかなり時間がかかりますし、ダンジョン産はレアドロップなので今の市場だと全くと言っていいほど出回ってないんですよ。それに…」


薫は少し眉をひそめる。


「一万ゴルドもしなかったということは、需要が上がる前かその商人が相当悪質(ぼったくり)かですね。だいたいは後者ですけど」


「うぅ……」


新見は肩を落とした。


「鑑定先生って品質とか効果とかレアリティぐらいは分かるんだけど、値段までは教えてくれないんだよなぁ…(それに想像魔法(俺のスキル)でも構築できなかったし)」


「まあ、物の値段が出る魔法は査定系に分類されますし、査定系の魔法は商人系の職業を極めないと習得できませんからね。発現するかは本人の資質次第ならしくて、私なんかまだ全然習得できてないんで人力ですよ…」


薫は苦笑しながらマジックバッグへ手を突っ込む。


「そんなことより、この魔草なら確か私も持っていたはずです」


ごそごそと中を探ること数秒。


「あ、ありました」


取り出されたのは、新見が持っていたものと同じエクスマンドラゴラ。


しかも一本ではない。


二本、三本…。


気づけば十本近くが畳の上に並べられていた。


「…お前、それだけあればちょっとした財産じゃないか」

新見が呆れ混じりに言うと、薫はきょとんとした顔で首を傾げた。


「まぁ、これでも商人ですから。」


「うおっ、十本もあるのかよ!?」


新見は思わず目を丸くした。


「俺なんて、ダンジョンドロップでしか手に入らなかったやつしかなかった(しかもレアドロップ)からさっき見せたやつを入れても五本しかないぞ。よくそこまで集めたな…」


薫は少し照れくさそうに笑った。


「実は、とある老魔導士の方が昔から栽培しててたまたま別件で懇意にしていたことがきっかけで。その方から少しずつ譲っていただいたんです。」


「ただ、高価すぎる上にどこで手に入れたのか共有しないといけないですしあの老魔導士はそういうの嫌いますからなかなか売りに出せなくて…」


薫は肩をすくめた。


「結局、ずっとマジックバッグの肥やしになってました。」


「へぇ……」


ゼノンは感心したように頷く。

「そんな貴重な薬草を何本も譲ってくれるなんて、よほど腕のいい魔導士だったのね。一度会ってみたいわ。」


その言葉に、薫は「あっ」と小さく声を漏らした。

「その方なら、もう亡くなられていますよ。」


「「え?」」


「一、二年前に聞いたんですけど百八十九歳の大往生だったそうです。近いうちに線香あげに行かないとなぁ…」


「「……Oh.」」


新見とゼノンの声がきれいに重なる。

「それよりも、新見さん」


薫は畳の上に並べられたエクスマンドラゴラへ視線を落とした。


「これで石化対策をするんですよね?」


「うん、そのつもりなんだけどな」


新見は腕を組みながら、少し困ったように頭をかく。


「石化予防薬の材料にこのマンドラゴラが使われるってことまでは知ってるんだ。」

「だが製法は知らん!」


次の瞬間


ゴッ!!


「ぶべっ!!」


ゼノンの拳が、新見の顔面に見事なまでのクリーンヒットを決めた。


吹き飛ぶことはなかったものの、新見の顔は見事にめり込み、

(*)←のように顔のパーツが頭にめり込んだようになる


「…………」

本人は何が起きたのか理解できず、数秒間そのまま固まる。

「……前が見えねぇ。」


「知らないのに期待させるんじゃないわよ」とゼノンが怒り気味に言う

ぽつりと漏らした一言に、薫は思わず吹き出した。


「いやいやいや! そんな大事なところを知らないまま、なんで自信満々にマンドラゴラを出したんですか!」


「素材さえあれば何とかなると思ってたんだよぉ…」

何とか顔を元に戻そうと苦戦しながら情けなく答える新見に、ゼノンは呆れたようにため息をついた。


「はぁ……まったく。」


ゼノンは軽く息を吐きながら、拳をぱんぱんと払った。


「無鉄砲にもほどがあるわよ。」


新見は顔面をめり込ませたまま、恨めしそうにゼノンに顔を向ける。

(*)


その顔のまま、ぼそりと呟いた。

「…元に戻らねぇ。」

「自業自得よ。薬学スキルなら私が持ってるから薬師ギルドへ行けば製造方法が載ってる専門書くらい置いてあるでしょ。」


「薬師ギルドって?」新見が聞くと

「主に薬草から薬の製造、販売、新薬の開発から検証までやってるギルドですよ!知らないんです?」

薫が説明すると

「今まで魔法で全部ゴリ押ししてきたせいで、薬師ギルドの存在を認識できなかったなぁ」


ゼノンは額に手を当て、大きくため息をついた。


「それより…新見さん?」

「ん?」

「いつまでその顔なんです?」

(*)


新見はつぶれた饅頭の様な顔になった自分の頬をぺたぺたと触る。


「…俺も不思議なんだけどさ。」

首を傾げながら真面目な声で言った。

「どういう原理か分からんが、さっきから回復魔法とかかけてるからダメージは回復してたんだけど全然元に戻ろうとしてないんだよな、これ。どういうこと?」


「わ、私にもわからないわ」そう言ったゼノンは自分の拳を(そんなスキルあったかしら?)と言わんばかりにじっと見ていた。


「と、とりあえず薬師ギルドへ行きましょう! もしかしたら顔も治るかもしれませんし!」

そう薫が言うと一行は薬師ギルドへ向かうのだった。

つぶれた饅頭のシーンはプロットの段階からあったのですがシリアス続きでなかなか出せなかったです…

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