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帰れるまではラーメンの屋台引こうとする元勇者  作者: 白湯のお湯割り
5.新たな旅立ち

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5-2 少し話がしたい。

先日久しぶりに家系ラーメン店でドカ食い気絶部してきました。

これは危険だなと再認識しました()

転生前も含め飲食などの経験のない薫とゼノン。

慣れない立ち回りでようやく一卓分の準備を終えた頃には。

若い調理ドワーフ達は、一人で三卓分を片付けていた。


「えぇぇぇ…」

薫が引きつった声を漏らす。


「なんなのよ、この差……」

ゼノンも呆然としている。


「慣れですよ慣れ。初めてにしては早い方ですぜ。」


「慣れで済ませていい動きじゃないと思うんだけど…」

薫が遠い目をした。


その横で、新見は屋台の厨房周りを設置しながら苦笑する。

「まぁ、あいつら本職のプロみたいなものだからな…」


開店前だというのに、屋台の前にはすでに長蛇の列ができていた。

やはり最初に並ぶのは獣人たちだ。

鼻の利く彼らは、まだ寸胴の蓋を開けただけの段階で匂いを嗅ぎつけ、自然と集まってくる。


その後ろへ、人族たちが混じりながら続いていく。


おそらく先日の評判が、人づてに王都中へ広がったのだろう。


開店するとあんなに広かった敷地が即満席になった。

接客には見目麗しいゼノンと立ち回りに慣れている若ドワーフ達。


新見のサポートにゴリオン、薫の体制で客をさばいていった。

思いのほか看板娘が板についているゼノンだが本人は自覚していない。


しばらくすると席のあちこちから声が聞こえてくる。


「ここの“ラーメン”は本当にうまいなぁ……」

「昨日、別の屋台で“ラーメン”っての食ったんだがよ…あれはひどかったぜ」

「お湯に麺だけ入れて、ちょっと塩入れたような味だったな…」

「いや、ラーメンと呼ぶのもおこがましいわ、あれは」

「知らねぇのか? 一昨日ここが最初に出したのが”本物”なんだぜ?」

「かなり並ぶけど、結局ここが一番なんだよな」

「ん? 白いスープ?乳でも入ってるのか?」

「いや、この匂い……乳じゃねぇ」


獣人の一人が鼻を鳴らす。


「もっと濃い別の香りだ…けど乳臭くない。不思議な匂いだな」

そんな会話を聞きながら、新見はにやにやする。


すると。

行列の中に、見覚えのある顔を見つけた。

「お」

ミハイルとオッドだった。


だが今日は、いつもの手下たちはいない。


二人だけだ。


しかも、どこか気まずそうである。


だがそんな空気を吹き飛ばしたのはやはりミハイルだった。


「おっ!?」

席につき、メニュー札を見た瞬間、目を輝かせる。


「新作あるじゃねぇか!」

テンションが一気に上がる。


「なんだこれ…えーっと“鶏白湯とりさゆ”か?聞いたことねぇな」

「違うぞ」

即座にオッドが突っ込む。


「横にルビ振ってあるだろ。“とりぱいたん”だ」

「あ、ほんとだ」

ミハイルは豪快に笑う。

「いやぁ、難しい字使うじゃねぇか!」

「読めないのお前だけだと思うぞ…」


呆れ顔のオッド。

だが、その口元は少し緩んでいた。


「よし!俺ぁ、その“鶏白湯”ってやつ!」


ミハイルはカウンターを軽く叩く。


「俺はラーメンで」

「あい!毎度!」

新見が威勢よく返す。


先ほどまでの気まずい空気はどこへやら。

ミハイルとオッドは、それぞれのラーメンを綺麗に平らげていた。


「っはぁ!」


ミハイルは満足げに息を吐く。

「この“トリパイタン”ってやつ、めっちゃ気に入った!」

どんぶりを叩かんばかりの勢いで絶賛する。

「濃厚なのに重くねぇ! なんだこのスープ!」


後ろでゼノンが後方彼氏面で胸を張る。


一方、オッドは静かにラーメンを味わっていた。


「…この前のも十分うまかったが今日のは、一段と味が深まってる気がするな」

ぽつり、と呟く。


新見はにやりと笑う。

「まぁ、ちょっとな」


違いを感じ取るあたり、やはり舌は確かだった。


「おっと」


ミハイルが不意に真顔になる。


「うますぎて、本題忘れるところだった」


「ん?」


「大将。店が終わってからでいいんだが、ちょっと時間いいか?少し話がしたい。」


いつもの豪快さとは違う、妙に神妙な顔。

「……まぁ、別に構わねぇけど」


「助かる」

短く頷くミハイル。


何かある。そう感じさせる空気だった。

ミハイル達は勘定を済ませ、いったん屋台から離れることに。


そしてその日の営業は、一昨日以上の地獄だった。


白いスープの鶏白湯ラーメン。


それが口コミ経由で一気に町中の完全に話題をさらった。

「白い方くれ!」

「俺も!」

「いや、金色のも捨てがたい…!」


そういわれ清湯も白湯も、飛ぶように売れていく。


用意していた大量のスープ。


大量の番重に仕込んだ大量の麺。


それらが、夕方を待たずして空になった。


「なんか、労力と量が釣り合ってない気がする……」


空っぽの寸胴鍋と大金の入った麻袋達を見て、新見は遠い目をする。


営業が終わり片付けも済ませたところミハイル達が再びやってきた。


「んで、話ってなんだ?」


ミハイルとオッドは、一瞬だけ視線を交わすと


「あぁ、実はだな…」


ミハイルが気まずそうに頬を掻きながら話し出す。

週末まとめようとしたのですが文脈が変になってて自分の計画性のなさがセルフで露呈されていました。

お陰でいったん全部書き直しです(´;ω;`)

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