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スキル『マンション』で異世界無双 〜不労所得で一生ダラダラします。  作者: 間宮芽衣


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【71】鉄道計画と厄介な相手の名前。


「スッゲー!!! 垂直農業じゃないですか!! それにこのオフィスもお洒落だし」


 サールさんは役場から見える景色に大興奮している。


 打ち合わせはカフェテリアで行われる事になった。


 俺とフィオナさんとグレイスさん、それにナーミャ側のサールさん、セレディオさん、ラインハルトさんが円形のテーブルを囲む。


 ……ちなみにペロは自由に徘徊している。


「あ、皆さん飲み物何がいいですか? 僕取って来ますよ」


 俺がそう言うと、サールさんがキラキラした目で


「僕も行きたいです!」


と言ったので二人で皆の飲み物を用意する。


「いやー、カワグチさんのスキルすごいですね! これはカワグチさんをラングスチアの王太子殿下が重宝するのわかります! ドリンクバー付きのこんな公共の建物出せるなんて……。羨ましいですよっ!」


「ありがとうございます。僕は逆にスキルを貰ってないのに偉業を成し遂げてるサールさんの方が凄いと思いますけどね……。持っていきましょうか」

 

 ちなみにちゃっかりと皆がお茶が多い中、自分はメロンソーダにしたらしい。


「皆さんこの度はようこそお越しくださいました。もし魔導鉄道が出来る……となると、この街を含め、各駅となる街がとても、発展する事でしょう」


 席に座ると、グレイスさんはニコニコとそう言った。


「そうだな。それで、この街だったら駅を作るのはどこがいいだとか希望はあるだろうか?」


 ラインハルトさんにそう言われて、俺達は首を傾げて考え込む。


「うーん、、そうですね。高い建物も多いからなぁ。まあ、最悪アイテムボックスで移動させられますけど」


 魔法って便利だなぁと思いながら俺はそう返す。実際日本なら、ずらすことなんて不可能だからな。


「あ、それなら心配ないな。発展させたいエリアがあればそこにと思ったんだが」


「これから教会や冒険者ギルドは建てる予定ですの。でも、この街は割と住宅街以外は満遍なく発展しておりますわね。他の都市とかはどうなんですか」

 

フィオナさんが尋ねると、セレディオさんが溜息を吐いた。

 

「それがなかなか難しいのですよ。鉄道が通るのは歓迎だけど、建物や施設を動かすのはなかなか難しいですしね」


「あと、住民達が騒音が心配って言ってまして。まあそうですよね。高いところに作れれば別なんでしょうけど」


 その言葉に俺は顔を上げた。


「……モノレールはどうですか?」


 サールさん以外の人が全員キョトンとした顔をした


「なんですか、それ?」


 すると、サールさんは困った顔をした。


「異世界で高架の上を走ってる電車のことです。脱線しにくいですし、確かに凄くいいアイディアなんですが、寒さには弱いんですよね。あと、輸送とかまでは出来なくて」


 なるほど。確かに人以外にも色々行き来するのならモノレールだと難しいかもしれない。


「じゃあ電車ですね。僕のスキルでずらさそうだったら現地までいけますよ」


「本当ですか?! それは心強いっ!」

 

 そんな感じで鉄道計画は大いに盛り上がった。結局、アルカディアではスカイファームタワーの近くを通る感じになりそうだ。


 まあ、この街はまだ出来たばかりだしどうにでもなりそうである。


 ずらせるとはいえ、予定地だけ一応空けておこうという話になった。


 その後、グレイスさん達と別れて、俺達はリオネルさんの住む大使館にいった。


「兄上っ!!」


 リオネルさんは嬉しそうにライオネルさんに抱きついた。


 隣でユリアさんは緊張した顔で頭を下げた。


「エインリヒ伯爵が次女、ユリアと申します。この度はリオネル様と婚約させて頂きました」


 すると、ライオネルさんは目を綻ばせて頷いた。


「うん。わかっているよ。弟と結婚してくれてありがとう。知ってると思うけど弟は色々あったからね。君みたいな子が、弟と結婚してくれるだけでありがたい」


 そう言ってニヤリと笑った。


 どちらかというと、大使館では思い出話のようなものが多く、終始話は和やかな感じで進んだ。


「そういえば、大使館の中に住めるようにしましたけど、住み心地はどうですか?」


 スキルAIが貼っているを構えることも可能と教えてくれたので、庭園の美しいところに二階建ての一軒家を構えさせてもらった。


「ああ、とても住み心地もいい。異世界の魔道具も使い心地がいいしな」


 その言葉にピクリとサールさんが反応した。


「異世界の魔道具……?」


「ええ。カワグチ様がアルカディアの住民が住む家に全て支給してくれたんです」


 ユリアさんが答えると、サールさんは俺の方をぐるんっと振り向いた。


「カワグチさんっ! それは是非後で見せて頂きたいです!」


「……はい」


 俺が答えるとサールさんは大興奮だった。


「日本の魔道具が異世界でも動いているなんてっ!絶対何か理由があるはずなんですっ! 絶対解き明かしたいです」


「良かったら、ショッピングモールにも家電が売ってますので見ていきます?」


 俺の提案にサールさんは勢いよく頷いた。


「是非!」


 その後、リオネルさん達と別れて、ショッピングモールに行った。


 サールさんは家電をこれでもかと買い漁り、自分のアイテムボックスに入れまくっていた。


 ナーミャに帰ったら全部分解するらしい。


「……そんなことしてもまた使えるようになるんですか?」


「大丈夫ですよっ! 前世から合わせたら僕の分解歴が何年だと思ってるんですかっ!」


 ちなみに動力源が俺以外の魔力でもいけるのかも確かめたいらしい。


「へえ……まずは仕組みを知るために分解をなさるんですのね」


 フィオナさんはサールさんの話に興味深々だ。


「お主、嬉しそうじゃな……」


 ペロがそう言うと、サールさんが頷いた。


「いやー、こんなに嬉しいことはないですよっ! 今日僕、アルカディアに来て本当に良かったです」


 そう言ってもらえて何よりだった。


 ランチはサールさんの希望で寿司屋に行った。


 ライオネルさんは「もう僕はショッピングモールに来たことがあるから」とのことだった。


 うん、優しいな。どうやらサールさんのことが弟のようで可愛いらしい。多分中身は理系のオッサンだと思うけどな。


「うわー!!! 寿司だっ!」


 そう言いながらサールさんはいくらや中トロなど高いネタを注文しまくっていた。


 ちなみに経費で落ちるらしい。


 フィオナさんもサーモンが気に入っているらしく沢山の食べていて何よりだった。


 こうして俺達はたらふく寿司を食べるとナーミャのメンバーをホテルに送って行った。


 別れ際、俺はポツリとサールさんに言った。


「そういえばサールさん、神代かみしろ 恒一こういちさんってご存知ですか?」

 

 それは、セイワ共和国で指示を出していた社長の名前だった。サールさんも日本人だったなら知っているかもしれない。


「え?! 神代 恒一? えーっと、ネクサスホールディングスの社長のことですか」

 

「そうそう! そうです!! なんだ、やっぱ僕達同じ時代だったんですね。その人が今セイワ共和国にいるらしいんです」


 すると、サールさんは少し微妙な顔をした。


「そうですか。僕の同期がその会社に転職したんですけど……。内部ではあまりいい噂は聞かないですね」

 

 その言葉に目を見開く。


「……そうですか」

  

 サールさん達がアルカディアを去っていった三日後、セインさんから連絡がきた。


『カワグチ殿。先程書状が届いた。セイワ共和国の王太子殿下と、カミシロという異世界人がラングスチアに訪問したいそうだ。……君に会いたいらしい。心配ではあるけれど、皇都まで来てもらってもいい?』


 どうやら俺は、近々カミシロさんと会う事になりそうだ。

 



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