088_蛙ちゃんの星辰の正しき時解釈。
「星の位置が正しいから、なんらかの術が発動するということは、
基本ないわけで」
げこりと、真言術の教科書やら参考書やらを読みつつ、
内容をまとめつつ書き散らしながら、
蛙姫ことナダ姫が語り始めます。
「宇宙的恐怖な神族がよく発言していたような覚えがありますが」
月からの使者であるところの兎娘が、
昔、月に訪れていた、今もどこかに潜んでいる、
奉仕種族の気の良いおっさんを思い出しながら、
指摘します。
「そもそもこの星系に存在する、複数の惑星、
我らが住む大地であるものを含めて、
八つほどあるわけですが、
あれは純粋に物理的な現象で、
決まった法則を持って主星を中心にして巡っているわけでわけで、
そこに神秘的ななんちゃらは存在しないのです、
いやまあ、重力波がどうのこうのという話はあるので、
ある特定の力場が成立する可能性はありますが、
影響を与え合うにはちょっと遠すぎるのです」
直接肉眼で、内惑星外惑星だけでなくその衛星すら、確認できる、
超越者がそれなりにいる大地でありますし、
その計算力、理解力、想像力、発想力、
さらには、直接答えから遡れるほどの、神がかった、
そのまま言葉の通りの、直感力が存在するのでありますので、
正確な科学知識は一通り揃っているわけでありまして、
ある意味すでに月面と地表とを往復している種族が、
少なくない現状、
宇宙世紀に入っていると言っても過言ではない現状でございます。
「過言だとは思いますよ?」
冷静に指摘するのは、顔に傷のある眼鏡の侍女さんです。
「相対的な位置情報がなんらかの術式に影響を与えているというのは、
そう見立てることで、
真言術の意味力を高めているだけのこじつけである、と言っても良いですね、
いやまあ、この周辺の世界を創造した方の力を、
限定的であっても利用しているという体で、系統立てているわけではありますから、
星の位置になんらかの意味があるという、
認識を与えてある場合もありますが、
それは順序が逆なのですね、
間違いようのない周期、科学的な、観測的な事実が先にあって、
それにこじつけて、意味論を補強したという、
つまるところ、すごいこじつけ、誤魔化しなわけですよ、あれは、
しかし、そうであっても、
そうであるからこそ、
実行力があるというところに、これらの術式の恐ろしさと、
頼もしさがあるというわけではありますが」
長広舌で捲し立てながら、書物の手を止めない姫様です。
「長いですね、ややこしいですね、まとめるとどうなるのです?」
「現実から見立てて、効力を得ている増している、
因果関係を逆転させて成立させている、詐欺みたいな術なんですよ、
真言術は、まあ、それに限らず、精霊も神霊も同じではあるのですけどもね」
げろげろと軽く笑いながら、まあ便利で使えるならどうでも良いです、
と、実利を取ることを良しとする蛙姫です。
かえるちゃんの星辰の正しき時についての感想でした。




