078_蛙ちゃんの神聖を継がせるという話。
「自在に神々の系譜を繋げることができるのは、
かなり本流に近いところでなければならず、
まず、純なる血統でなくてはならないのですよね、
なので、祖霊がえりという例外から、
そうするのは結構難しいのです」
学習の合間、
おやつの時間に、
兎娘と、
控えているということをしない、
顔に傷があり、眼鏡の侍女が、
無駄話をしています。
八つ時が語源ではありますが、
別に時刻は適当です、
いやまあ、三食に影響をしない時間帯という意味合いでは、
あっているのではありますが。
ちなみに、日出、日没、で区切って、
その間を、等間隔でさらに区分けている、
不定時法が、一般には使用されています、
同時に、定時法も存在しまして、
各種研究団体などでは、こちらを利用しています、
正確な時間経過を知らなければならないので。
庶民が不定時法を利用しているのは、
生活様式に合っているのと、
半ば趣味的なものではあります。
「まあ、そうでなければ、
神様が多くなりすぎますしね、
本当に八百万の神様が存在してどうするという話になります」
侍女、遠慮もせず、茶をしばきつつ、
香の物をぺろんといただきます、
大根の漬物です、いわゆる沢庵です、
結構渋い選択です。
「いやまあ、数えたら、そのくらいはいそうではあるんだけどもね、
神様、消えたり増えたりはしているであろうけれども、
まあ、この本州に住まう、人よりは、
よほど多いのよね、
というか、人が神様の住まいを間借りしているような、
感覚でしょうか?」
蛙姫ことナダ姫がそう申し上げます。
「ええと?人に崇め奉られるから、神様がいるのですよね?
それなのに、人より多いのですか?」
兎娘が質問します。
「人の思いはその時々で変容しますし、
量と方向があちらこちらにぶれて多いのですよ、
何か思いつくたびに、神様が増えるということを鑑みると、
実のところ、八百万というのも、少なく見繕った数ではないかしらね?」
姫様、こちらは、お茶、無発酵の煎茶を、
湯呑みに入れたものを、くぴりと、上からつまんで、
ややぬるめのそれを喉に流し込むようにして飲み、
砂糖菓子をつまみ、一つ、口内に放り込みます、
ちょっと豪快、
部分的に蛙口に変容していて、
滑稽な仕草ではあります。
「そんなに簡単に神様が生まれていいのです?」
兎娘が驚きます。
「生まれるのは簡単なのですよ、
ただ、それが系譜となって連なり、残るのは、
難しいのです、
思い奉られ続けなければならないのですから、
一定の信者が得られてからが、
神様の始まりです。
基本的には」
「例外もあるのですよね」
侍女が合いの手を入れます。
「別に本州の人だけに崇め奉られるだけでなくても良いのよね、
神域を超えて、他の、思念から、敬われる、恐れられる、
祟られる、奉られる、名を呼ばれる、
認識される、まあ、色々な言い方があるけれども、
あることを認められば、それは、やはり、
そこに在られるとあいなるわけで、
おそらくは、時間も、過去も未来も関係なく、
注がれる、情念とかがあり、
それがありようとなる、ということもまたあるということなのよね」
住まわれる世界が違うという話でもあるのかしらね?
特に結論めいたものはでず、
まあ無駄話であるので、
そのまま、天気の話とかになっておしまいです。
かえるちゃんの神様がたりとかのお話でした。




