072_蛙ちゃんの肉食系女子の会話とか。
「子孫を残したい、
それも良い種のという欲求は、
普通の女子並みにはある、気がするのよね?」
寝巻きに着替えて、式寝の上で、転がりながら、
けろりと蛙姫ことナダ姫が申し上げます。
「それはそうですね、私もそうですし、
兎の系統は結構、子供好きです」
着崩した寝巻きで色々なところが見え隠れしている、
豊満というか、魅惑的な兎娘が答えます。
「神様の血統としての意識があるかないかというと、
結構、表に出るくらいにはあるのですけれど、
祖霊がえりではあるけれども、
寿命はそれほど長くない、
少なくとも直系神族に比べると、
定まった命の量と言えるのよね」
であるなら、子孫は残しておきたい、
という欲求が生まれるのは必定よね?
と続ける蛙姫です。
「まあ、姫様は、かなり濃く戻られているのですから、
寿命的な面で見ると、
数百年くらいは平気で生きそうではありますが、
私はその最初の百年くらいは頑張って、
支えたいですね」
兎娘、ふんすと強く息を吐きながら。
「そうね、ここ最近のあれやこれやで、
なめくじを中心にして、神の血脈、その力を
取り込んで消化したので、
寿命的には結構安泰というか、
この年ではちょっと考えられないくらいに、
資源が揃ってしまっているし、
これからも、結構取り込めそうな、
雰囲気ではあるのよね、
ああ、あなたも、あなたにも、
活力を分けられるようになるので、
意外に長く一緒にいられるかもしれないし、
できるだけ一緒にいたいものよね、
あなた、便利だし」
あっけらかんと、けろけろりんと、
鳴くように語る蛙姫でございます。
「気まぐれで、気難しくて、気分屋で、
そんなお姫様のお相手ができるのは、
まあ、私だけかなという自負は、
ちょっとだけあったりしますね、
長くいられるのは嬉しいような、
そうでも無いような気分ではありますが、
いっぱい厄介ごとが続くのでありましょうね?」
げんなりという感じではあるけれども、
笑っている兎娘でございます。
「神様としての格を上げることも可能かなという、
気はするわね、
こう、神話をなぞるというか、
物語を作れば、
あなたもかなりそれに近づくことができるとは思うけど、
それはそれで、現象に成り下がりやすくなるというか、
変質してしまうので、
困りものではあるのよね、
どこまで、人格が残るのか残すのか、
それをどう見立てるのかという、感じにはなるのです」
ぐるりんぐるりんお目目を回しつつ語る、蛙姫です。
「変化するなんて当たり前のことでは無いですか、
昨日と今日、そして明日の私が違っているのは、
むしろ自然な流れでありますし、
ちょっと楽しみでもありますし、
そもそも、姫様についていけるなら、
些細なことでは無いでしょうかね?」
紅い目でにこやかに、覗き込む兎娘です。
「寄り添いたい、付き従いたい、その気持ちもまた、
変容することもあるという話ではありますが、
まあ、そうなるのもまた楽しいお話ではあるので、
問題ないですね」
げこげこと笑いつつ、距離と詰めます、
その後は、お月様だけが見ていました。
かえるちゃんは肉食系女子というお話でありました。




