068_蛙ちゃんの治安維持雑感。
「うちの縄張りが平和なら、
ぶっちゃけどうでも良いのよね」
部下から上がってきた書類を確認しながら、
蛙姫ことナダ姫さんが言います。
「結構広いので姫様直下の縄張り、
そういう意味では、治安維持に一役買っていると、
言えなくもないですね?」
顔に傷があるメガネの侍女が、整理を手伝いながら、
そう補足します。
「悪人は即くびっちゃうですからね、
私が、なので最近は結構おとなしいですよ?」
兎娘が書類仕事はちょっと趣味ではないので、
部屋の掃除やら片付けやらを仕事としてしながら、
会話に加わります。
「そもそも都にはミカドを中心に添えた、
広域結界によって怪異やら妖異やら、
彷徨える悪神やらから守られているわけよね、
まあ、出入りを制限しているだけなので、
都由来の怪異とか、悪意とかには無意味なのではあるけど、
なので、比較的安全であるし、
発生する悪意や怪異が育ちきる前に、
処理とかができるので、
対処も楽なのですよね、
だから、人間の悪党が一番の問題ではあるのだけど、
警察組織、治安維持組織が、
対怪異とか邪悪な神様血統とか、妖怪に中力している気味なので、
その辺りが緩いというか、
自治組織に一任されているのよね、
貴族とか、神系列の私設軍隊とかが幅を利かせているのは、
そのようなわけであるし、
まあ、そういうふうに誘導して、
それぞれの、血統が影響力を高めているという話でもあるのだけど、
うちの勢力なんてそのままそうですからね」
けろけろと笑いながら、話をしつつ、
手元の書類をくる蛙姫です。
「人の悪意を増幅するとか、
そのまま魔が刺すものである、”魔”が発生したりするので、
実のところ術者が多く所属している、神族の自衛団体が、
治安を維持することは、理にかなってはいるのですよね」
あ、誤字があるな、と、姫様に渡す文章を添削しながら、
言う侍女さんです。
「物理的に切っちゃえばいいじゃないですか?
その魔ってものも、
そんなに難しくないですよね?
こう、こつをつかめば?」
ていっと、刃物を振るように、
手刀で空を切る兎娘です、甲高い音がして、
手元が揺らいで見えませんでした、
すごい速さです。
「そう言うのができるのは、
少ないからね。
いやまあ、少ないと言うのは嘘か?
兎一族なら結構できるものね、
獣系の神族なら一般技能なのかな?」
姫様が納得しそうになります。
「納得しないでください、
獣系の戦闘民族でも怪異や悪意だけを切れるのは稀です」
侍女が突っ込みます。
「そうそう、入れ物ごとずんばらりんとした方が面倒がなくて早いよね?」
にこやかに、悪意なく、躊躇なく笑う兎娘です。
「あれ?こんなに物騒な娘でしたっけ?」
「姫様の影響かと」
憑物であるならば、切っても罪に問われません、
力を行使する側が、権力者側なら、尚更です、
結構物騒で、無慈悲な社会ではあるわけです。
かえるちゃん達の治安維持雑感でございました。




