069_蛇くんの敵役が通り過ぎて消える。
「なめくじ一党はつまりはそういうものではないのかなと思うのです、
いえ実態はあるのでしょうけれども、
神族血統のそれに操られているというか、
妄執が形になってしまっているというか、
まあ、囚われているのであろうかなという予想ですね、
罪のあるなしでいうならば、あるのではありますが、
それをどこに問うのかという問題ではあるのです」
原罪に罰が必要になるのであろうかという、
お話でもあるのでしょうかね?
などと、ややこしい話をし始めるヘビくんことナギ少年です。
「実際に被害に遭っている側が、加害側のあれこれを、
忖度することは傲慢ではあるのではあるけれども、
それをいうならば、神様は須く傲慢で自分勝手ではあるのか、
神様同士であるならば、
その、無遠慮なやり口の応酬になるので、
ある意味話が早いとも言えるのかな?」
いつものごとくミカドと雑談めいた、
それでもちょっとは本質めいた、
会話をしております。
「もちろん直接的に仕掛けてくるのであるならば、
それ相応に反撃して、
美味しくいただくわけではありますが、
こちらから積極的に狩にいくという行為は、
ちょっと、見立て的によろしくないのでは、
と、思うのですね。
なぜならば、蛇はなめくじを厭うものであるから、
受け身にあった方が、
物語的に無理がない、
それがわかっているからこそ、
あちらも、安心して、じゃれつくことができる、
のではなかろうかなと、
まあ、実力が隔絶しているからこそ、
言える話ではあるのですが、
逆にいえば、なぜにそこまで弱いのに、
こちらに攻めてくるのか?
という疑問も生じるわけではあります」
なんなのでしょうね?
なぜなんでしょうね?
食べられるだけであるということは知っているはずですのに?
と疑問を呈示する蛇くんです。
「単純にそこまで考えていないのではないかな?
相性的にやれるはずであるから、
やらないわけにはいかないという、
思考停止状態に陥っている可能性はありそうですね、
というか、反射的に行動しているのではないでしょうか?
まあ、神様同士の抗争とかしのぎ合いについては、
こちらとしては、基本口出しができない立場ではあるのです、
都の管理者側としての領分に入らない限りは、
ある意味、競い合いというか、切磋琢磨しているだけという、
話でもありますしね」
のほほんと、為政者の顔をしつつ、
呑気に茶を啜るミカドではあります。
「叔父上はそれでよろしいのです、
真ん中が気軽に動いてしまうと、
さらに混沌としてきますしね、
今更、国づくりをやり直す羽目になるのは、
どちら様もごめんでありましょうよ」
茶菓子をいただきつつ、
うむ甘いなとか、
干し柿の甘みがちょうど良いと、
舌鼓を打つ、蛇くんでございました。
蛇くんの敵役が哀れではというお話でした。




