024_蛙ちゃんの十一年目
「なんだか淫らな雰囲気を感じますね?」
「いきなり何です姫様?」
冬も近づく季節、
盆地である都はよく冷えるのでありまして、
火鉢やら、炬燵やらが活躍し始めます。
「いやなんでもない、
しかし毎年のことながら、
冷えるのは嫌じゃな」
蛙の祖霊返りでございますゆえに、
寒さには弱いナダ姫でございます。
「冬眠しますか?」
傷あり侍女が、寝ぐら一式を抱えていいます。
「去年もその前の年も言いましたが、
蛙そのものじゃないのでしません、
というかできません、
……よね?」
若干不安げになる蛙姫です。
「しませんよ、というか、
十分に温かくしたら、問題なかったでしょう、
大体、しょっちゅう抱き枕にされるのは、
その対策でもあるのでしょう?」
兎娘が指摘します。
「単純に抱き心地が良いのと、
反応が面白いから、抱いているというのは、
内緒にしておいた方がいいかしらね?」
「姫様声に出ています」
姫と侍女の、茶番に、
顔を赤くする兎娘です。
「す、好き同士でもないのに、
そういうのはいけないと思います」
赤面して言う兎娘。
「私はあなたが好きなので、
問題ないですわね、
あなたが、わたくしを好きなのは、
分かりきっていることですし?」
さらりと返す姫様です。
顔を真っ赤にして黙ってしまう兎娘です。
「男の子は男の子同士で、
女の子は女の子同士で、
恋愛すれば良いと思うの、
というのは意外に真理なのではないでしょうか?」
尊いと、呟く、傷あり侍女です。
「さて、揶揄うと言うか、おちょくるというか、
いじるのは傍に置いときまして、
ちょっと先の話をしましょうか、
再来年の学園入学にまつわる、あれこれです」
「姫様が学校に通うと言うのは、
非常に違和感があるのですが?
家庭教師で十分じゃないですかね?」
侍女が指摘します、
兎娘も頷いています。
「まあ、学力的には家庭教師でも問題ないのですけど、
一応、貴人の義務的なものと、
対人関係、社交の練習とか実践とか、
顔つなぎ的なものが主体になると思いますわね」
「社会的には結構、つてが充実している気がしますが?
裏側ですが」
「それが問題なのですよね、一応、表の繋がりを、
形だけでも作っておくと、
誤魔化やすいのですよ」
「皇子周りだけで十分では?」
「蝸牛君も学園に入学するのよね、
まあ、これは既定路線ではあるけど、
祖霊返りだから多少もめたみたいだけど、
今期は結構多いので、
浮かないだろうし、
対応も取りやすいと言う話だそうよ、
なので、皇子周りの社交を効率的に回すためにも、
学園に入っておいた方が良いのよね、
あとは、まあ、親が結構学園通いを勧めるのよね?
こう、世間一般の常識を学んでほしいと、
不思議なことを言ってるのよねぇ、
なんなのでしょうね?」
「「あー、それならば、納得ですね」」
「ひどくないですか?」
かえるちゃんの十一年目はこんな感じでございます。




