025_蛇くんの十二年目
蛇くんの母親は結構やんごとなきお家の出身です、
超人と言う分類であり、
都ではかなり高めの地位にありました、
というか、ほぼ頂点に近い位置にあります、
人の神様の血脈であるとも言います。
結構膨大な御力と、
現状距離的に都と離れているので、
振るいにくい、権力の持ち主でありまして、
で、それに付随する義務みたいなものがあるのです。
その一つに御令息やらなんやらを、
一定期間、都の学園に通わせると言うものがあるそうです、
まあ、無視しても別段立場的に問題はないというか、
問題そのものを叩き潰すことはできるのですが、
当面それほど面倒でもなく、
また、散歩感覚で、長距離移動が苦にならない、
仕掛けを、ナギくん自身が行えるので、
その義務を果たしてみたらと言う、
軽い感じです、
あとはまあ、
約束はできるだけ守るようにしたほうが、
神術的な流れが良くなるので、利益も高いと言う話であります。
「知り合いもあそこには多いしな、不自由はしないだろ?」
確かに、
民間諜報組織の首領と、
あと、
家庭教師だった、細身の男性、男先生が、
都の学園関係者でありましたね。
「関係者というか、特別顧問とか、理事とか、
そんな感じだったはず?
術者としても一流だったような覚えがあるな」
元々、母親と一緒に、地方の土着神の調伏とか降伏とかを、
していた仲間の一人だそうです、
その冒険の旅は、
多頭大蛇の神様である、父上の領域を訪れた際、
終わってしまいましたが。
「まあ、最初は結構物騒ではあったけど、
和解した、というか、惚れた腫れたで、
決着したのだけどね」
最終的に平和になったのでよかったのではないでしょうか?
都行きですが、
一応拠点は、その男先生の家になるようです、
転移の門はそもそもそこに設定しているので、
勝手知ったる環境ではあるわけであります。
男先生にもなりゆきを説明されており、
諸々承諾済みです、
逆らえないとも言います。
なので、学園入学準備とか進めていくわけですが、
「正直なところ、ここから通えるので、
住居的なあれこれを揃える必要がないのですよね?」
「そうだな、一応試験というか適正調査はあるけれど、
今更学ぶ必要があるか?という内容ではあるらしいしな、
どちらかというと、対人関係の機微を学ぶくらいの、
心持ちで良いんじゃないか?」
まあ、結構苦手だよな、私ら人間相手にするの、
と、苦笑いと共に指摘する母親でございました。
「あっちを活動拠点にするようになると、
弟が会いたがるかもしれないので、
一応、頭に入れといてくれ、
あとは、まあ、適当にやれば良いかな?」
どうやっても目立つだろうし、
その辺りの塩梅は、現場で調整しておけ、と、
男先生の胃を壊さない程度にな、
まあ、壊れたら、治してあげれば良いか?
と、かわいそうなことを、
平気に笑いながら、言い合う、似たもの親子であります、
この一年は諸々の準備に充てられています。
蛇くんの十二年目はこんな感じです。




