野生鳥獣捕獲個体減量化施設
「しかし、DVで告発するとか、永住権を取り消しするとかは一線を越えてるんじゃないか?義理の父親と言えどもさ。俺はムカつくね。」
「・・・・・・・。」
「俺にそんな義理の息子が居たら溶かしてやるね。」
「・・・・兄さん。冗談は止めてよ。言っていい事と悪い事があるよ。」
修二が言った「溶かしてやる」とは・・・・。実は修二は南丹市内にある野生鳥獣捕獲個体減量化施設に勤めていた。そこは野生の鳥獣、捕獲されたシカやイノシシの骨まで溶かして減量化する施設である。つまり、勇気を殺害し、骨まで綺麗に溶かしてやると仄めかしたのである。
「分かってる。冗談さ。ただ余りにも頭に来たものだから・・・・。」
さすがに不謹慎だと思った修二はバツの悪い顔をしながら、話の転換を図った。
「そんで、婚約旅行はどうするんだ。台湾に行くって行ってたけど・・・。」
「ああ、勇気の学校の卒業式が終わったら、3人で行く。」
「勇気は置いて行けって。ハネムーンが台無しになるぞ。」
「逆だよ。勇気には台湾をよく見て欲しいんだ。志那と違って、迷惑行為を行う人間など皆無だと感じて欲しいんだ。」
「・・・・・・・。」
「僕は勇気を排除する意図はない。血が繋がっていなくても僕の息子だ。生まれてくる子供と4人で本当の家族の様になりたい。」
「・・・・・・・・。」
「可笑しい?」
「いや、廉は立派だよ・・・・。上手く家族になれるといいな。」
修二がグラスを差し出すと、廉がグラスで弾いた。廉には家族皆で上手くやっていきたいという強い意志が見受けられた。これならば大丈夫だろう。修二は弟の事を誇りに思った。




