W不倫の末の結婚
「どうした?なんか暗いな。」
小林良治(仮名)は同僚の安達廉の冴えない表情を敏感に感じ取った。
「うん。まあ、疲れてて。」
「弓子(仮名)さん。妊娠中なんだろ。それなのにか?」
「違うって。そういうんじゃなくて。」
廉は良治の下ネタに思わず苦笑い。
「なにか悩んでいるなら聞くけど?」
「う~~ん。弓子の連れ子がさ。」
良治になら悩みを打ち明けられる。廉は今朝の勇気との出来事を打ち明けた。
「成程、連れ子に志那人と暴言を吐かれると・・・・・・。」
「俺が台湾出身だからか、志那人と台湾人を同一視するんだ。日本に来る志那人が問題を起こす所為で、反感を持ってるみたいで。」
「SNSか?」
「多分。」
「・・・・・・それは、あくまでも切っ掛けで、本質じゃないと思うけど・・・。」
「どういう事?」
「やっぱり、勇気君からするとさ、廉は本当の父親じゃない訳じゃん。後から来た知らない男が自分の母親と結婚して、新しい兄弟が出来る。自分は必要ないんじゃないかって思う訳よ。」
「・・・・・そんな、必要ないだなんて。血は繋がってはいないけど、俺の子供だよ。」
「向こうは複雑な訳さ。弓子さんとの関係もあったじゃない。」
良治は声を潜めた。廉も弓子もお互い既婚者だったかが、W不倫の末に結婚することになったの会社の皆、知ってて触れないでいた。
「やっぱり、廉の所為で家庭が崩壊した。本当のお父さんと別れる事になったって、恨み辛みがあるんだと思うよ。」
「・・・・・・。そうだな。」




