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皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞⑥ ~陰りの闇が刻む痕跡《あと》~  作者: norito&mikoto
第7章 心を縛るは神の罰

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第2話・我に返って落ち込んで ~難攻不落の絶壁じみた~

第7章 心を縛るは神の罰



      第2話・我に返って落ち込んで ~難攻不落の絶壁じみた~



 やってしまった……




 気絶してしまったアインを腕に抱いたまま、沈み込むように俯くインス同様、シリウムとウスニーも苦い顔で頭を抱える。




「……アイン君を、怖がらせてしまいました……」


「……そうだな……アインにかけるべき負担ではなかったな……」


「私の言い方も悪かった……」




 カビかキノコが生えそうな声音のインスに、シリウムもウスニーも反省の意を述べて、一度溜め息を漏らしたシリウムがアインの容態を見た。




「……ふむ。脈も呼吸も正常……相変わらず貧血は酷いようで、今日の授業の影響か疲労は濃そうだが、大丈夫そうだな……」




 インスが抱いていたアインをベッドに横たえ、体調を見たシリウムは一つ頷く。




 診察結果に、ほっと一安心し、静かに眠るアインを、慈しみの籠った眼差しが見つめる。




 顔色が悪いのは極度の緊張と、疲労と、貧血が重なったからだろう。




(……いえ。その時点で大問題では……?)




 納得しかかって、そうじゃないと気が付いた。




 なぜ、ほんの五歳ほどの……もしかするとそれよりも幼いかもしれない子供が、極度の緊張やら疲労やらに苛まれ、貧血で血の気の失せた顔色をしていなければいけないのか?




「……それで? どう『落とし前』を付けるおつもりですか?」




 にこりと、全く笑っていない目でシリウムを見たインスの質問に、微かに顔を引きつらせたシリウムは一度溜め息を吐く。




「当然、『()()()()』に決まっているだろう」




 神官を、否、人の法で裁けない相手の善悪を判別する白魔法が『審判』という魔法。




 神に、対象者の『行い』が正しいことかどうかの審判を仰ぎ、裁きを下して貰う。




 この裁判にかけられること自体は、むしろ名誉とされる。




 なぜなら、自らの潔白や、正しさを()に認めてもらえる可能性もあるから。




 当然、後ろめたいものは拒絶するので、その場合は人の法での裁きが下される。




 逆に、自らの潔白や正しさを信じて神前裁判に臨み、裁きを下されることはもっとも不名誉とされる。




 なぜなら、己の私欲(エゴ)を神に突き付けられ、自らが信じていたものが根底から覆されることになるのだから。




「…………へぇ?」




 返答に、何やら含みのありそうな反応を示したインスは、だがそれ以上は何も言わず、薄く口元に笑みを這わせる。




「……とりあえず、一旦そちらは置いておけ。それよりも、アインの認識を正す方が重要だろう?」




 口を挟んで宥めたのはウスニー。




 確かにと頷いたインスとシリウムもウスニーと顔を見合わせ……




「「「………………」」」




 同時にアインを見つめた。




(((……認識を、正す……?)))




 それが、一番難易度が高いことを薄々感じ取って、どんよりとした重い苦みが胸の奥に広がっていく。




「……とりあえずは、言葉を尽くすしかないな……」


「……それでダメなら、その時はその時だな……」




 シリウムが溜め息を漏らし、ウスニーが肩を落とす。




「……………」




 眠るアインの頭を撫でて、サラリとした柔らかな髪を指で梳いたインスは無言のまま。




 けれど、その眼差しが……案じるような痛みを宿して伏せられる。




 そっと、唇が、音もなく何かを刻んで……




「「……………っ!?」」




 突然、ゾワリとした悪寒を感じたシリウムとウスニーが思わず腕をさすって周囲を見回し


第7章第2話をお読みいただきありがとうございます。


アインを気絶させてしまったことを猛省するインスたち。


極度の緊張と疲労、そして治らない傷による貧血……


アインのボロボロの体調を改めて確認し、なぜこの幼い子供がこんな状態にならなければいけないのかと、静かな怒りを燃やします。


元凶に「神前裁判」という名の落とし前をつけると息巻くシリウムたち。


ですが、一番の問題は、アインに深く根付いてしまった「神様からの罰だから」という歪んだ思い込みをどうやって解くかということ。


難攻不落の絶壁のような難題に肩を落とすシリウムとウスニー。


しかし、無言でアインを見つめるインスだけは、音もなく何かを呟いて……。


大人たちすら震え上がらせたインスの決意とは?


次回もお楽しみに!


【今後の連載スケジュールについて】


続きは本日22時から、毎日昼と夜、1日2話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【第6弾は完結まで執筆済みです。よければ最後までお付き合いください。】


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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