第3話・ついでであれども重要な ~同じ頁《ページ》にまずは乗る~
第6章 絡み絡まれ
第3話・ついでであれども重要な ~同じ頁にまずは乗る~
あまりと言えば、あまりの内容に、精神的な疲労が酷すぎて放心状態となったシリウムとウスニーが復活したのは、アインが目を覚ましたから。
「…………ん~………」
「ああ。目が覚めましたか? おはようございます、アイン君」
「……はぃ……ぉはよ、ぅござ……ぃます……」
目を擦る手を止めさせて、ほわりと微笑みかけたインスに、まだ少し寝ぼけている様子で返事をしたアインは、そこでハタリと気づく。
「……ぇ?」
「ん?」
こてりと首を傾げる様子に、インスも首を傾げてアインを見つめた。
「……ぁ……。ぼく……」
「はい。疲れていましたから、少し休んでもらっていましたね」
パチパチと瞬きするアインに、笑顔のままでインスは頷いた。
「……で? いつまで放心しているんですか?」
それから、ふいっと顔を向けた先。
「……え? ……え?」
室内の応接セットにぐったりと座り込み、シリウムはテーブルに突っ伏し、ウスニーは椅子に背を持たれかけさせてボーっと空を眺めているのを見て、アインが目を丸くした。
「……あ~。すまん……。何とかする……」
「……正直、もう今日は休みたいが、そうも言っていられないか……」
シリウムがのろのろと起き上がり、ウスニーは大きく溜め息を吐く。
「……まだ、話しておかなければならないことがあるからな……」
そう言って、ウスニーが目を向けた先はアインの方。
「…………っ?」
何か問題があったのかと、アインが身を固くするが、ウスニーは軽く手を振って、そうではないと示す。
「アイン。お前、授業の時、一瞬だが異様な魔力が湧きあがったことに気づいているか?」
「……じゅぎょう……?」
ウスニーに問われて、アインは首を傾げた。
どの、授業?
「皇宮で行った、アイン君が退院して最初の授業、ですよ」
言葉を補ったのはインス。
そう言えば、「今も一応授業中だったな。」と、その発言でウスニーも思い出す。
この一週間ほどは別として、入院前のアインの毎日は全部『授業』だったのだから、授業とだけ言われても分からなくて当然。
「……そう。私が同席した、インスが無茶をやらかした授業だ」
「「……………」」
頷いたウスニーも言い直し、その言い方に存分に棘が混じっていることに気づいて、インスもアインも口を閉ざす。
「お前が魔法を使う直前に、強い魔力が一瞬だけ沸き上がっただろう?」
「……あ、はい……」
あまりの強さに、暴走するのかと危惧した。
けれど、アインは何の問題も起こさず、指定通りに、指定の魔法を使って、指定の課題をクリアした。
「あの時、何が起きていた?」
「…………そ、れは……」
続けて問われて、アインは顔色をなくす。
何が起きていたのか。
それを、アインはきちんと把握している。
そして、その場に同席していたウスニーも、皇宮呪師学校の校長・ディオネラも、授業を進行していたインスも、気づいている。
だから、今、話をしていた。
第6章第3話をお読みいただきありがとうございます。
インスの口から放たれた「特大の爆弾」によって完全に放心状態となっていた大人たちですが……
お昼寝から目覚めたアインの不思議そうな視線に、何とか現実へと戻ってきました(笑)
しかし、休む間もなく話題は次の問題へと移ります。
それは、アインが退院して最初に受けた、あの「インスが無茶をした皇宮での授業」について。
アインが魔法を使う直前に生じた『一瞬の異様な魔力』をなぜ押さえ込んだのか、とウスニーが鋭く問いかけます。
その問いに顔色をなくすアイン……。
彼があの時、一体何を思い、何をしたのか。
そして大人たちはどこまで「気づいて」いるのか!?
次回もお楽しみに!
【今後の連載スケジュールについて】
続きは本日22時から、毎日昼と夜、1日2話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!
【ミニコラム掲載中!】
活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!
【読者の皆様へのお願い】
「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。
また次回もどうぞよろしくお願いいたします!
【第6弾は完結まで執筆済みです。よければ最後までお付き合いください。】
【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】
――――――
ノリト&ミコト




