【第13話】獣人族の姫・出会い
今晩は。
投稿です。
学校に戻ると、大変なことになっていた。
救急車にパトカー、運動場にはドクターヘリ。
学校周囲の民家が襲われたらしく、機動隊が出動していた。
その内、自衛隊も?
呆然として、校門を潜る私。
(一部、情報操作が解除されましたわン)
携帯、使えるの?
(いえ、個人所有はまだみたいですわン)
学校は、普段見ない警察官や白衣のお医者名さん、色々は人が入り交じり、映画か、ドラマの撮影セットようになっていた。
野戦病院?
勇者小角、勇者朱天童子、私のこと、知っていたよね?
ホルダーアキって気軽に呼んでいた。
当然のようにお話ししていた。
特に勇者朱天童子とは何かあったみたい。
戦いの記録はないんだけど?
ナビナナ、その辺は?
(勇者とのバトル記録は、開放しませんでした)
なんで?
(記録だけでも、共振作用が発生し、マーカー表示されますわン)
なにそれ?
(勇者サイドにも魔王サイドにも、認知マーカーが表示される恐れがありますわン。バトル記録を再現したい場合は、フルインストールをお勧めしますわン)
全くわからん!
危険だってことかな?
(概ねそうですわン)
……なら、アイお母さん、大丈夫かな?
心配だよ。
心配なんだけど、上手くいきそうな気もする。
ナビナナ、前世にアイお母さん、いたよね?
一緒に戦った記録がある。
それにエノンも、クルミちゃんも、赤間くんもいた。
アイお母さんは今より若かったし、エノンはぐっ、と大人の女性だった。
クルミちゃんは角があって、耳がふさふさしていた。
でも、感情は湧かない。
まるで、映画を見ているような、分厚いフィルター越しに眺めているような感覚なのだ。
(思う出したくなりましたか?ご主人さまン?)
……興味はあるけど、やっぱり怖いよ。
みんなとは、生まれ変わってもまた、巡り逢っているんだよね?
(はい、そうなりますわン)
みんなは、思い出すこと、出来るの?
(基本、出来ませんわン。ただし、魂は知ってますわン)
たましい?
(魂は、記録装置ですわン、あらゆることを記録して蓄積していく装置ですわン)
感情も?
(はいですわ、ン)
?
何のために?
(推測ですけど、成長のためかとン)
……わたし、ろくな記録ないと思うんだけど?
(それも、記録ですわン)
魂は、記録や感情を集めて何をする気だ?
ん?なんか臭う?
うわっ!これ私の匂いだ!汗の臭い!
うげぇ……どうしよう?
きょろきょろ。
周囲は知らない人達ばっかりだ。
みんな、下校したのかしら?
いや、帰すのは危険だろう……。
どうにか辿り着いた学校、汗でドロドロだ。
自分でも汗臭いとは、昔、獣人族していたからかしら?
これじゃ、エノンに嫌われちゃうよ!
プールに飛び込もうかな?
「アッキー!」
「わっ!?」
クルミちゃんが飛び込んでくる。
ハグされる私。
だから汗臭いって!
「ど、ど、どうしたの?あ、さっきは、ごめんね、突き飛ばして、怪我とかしていない?」
「うっうっうっ」
肩を震わせるクルミちゃん。
嗚咽が漏れ聞こえる。
「ど、どうしたの?クルミちゃん?」
やば、怪我させたしまった!?
どうしよう!?
「ア、アッキー、無事だったんだね……食べられたかと思った!」
ぽろぽろと涙を零すクルミちゃん。
「あ、ごめん、私、大丈夫だよ、心配ないよ?ごめんね」
女の子、泣かせてしまった。
これは反省だ。
男子として、これはよくない。
!?
いや、私、女子だって!
「け、携帯も繋がらないし、どこにも連絡できないし……」
情報操作。
世界政府だよね?公表していない組織の、この認識でいい?ナビナナ。
(はい、その認識で正しいですわン)
「く、クルミちゃん、その私、汗の臭いが……えっ!?」
ふんふん。
はい?
ふんふんふん。
「ち、ち、ち、ちょっと!?く、クルミちゃん!?」
軽くクルミちゃんの両肩に手を置き、引き離す。
汗の臭いだよっ!
恥ずかしいよっ!
「私さ、その汗が……?」
クルミちゃんはさっ、と頬を染めた。
「ご、ごめんなさいっ!なんか、ぽーっとして」
?
クルミちゃん、うっとりしている?
「アッキーの汗、ふんわりする……」
意味不明!
ふんわりとは、何ぞや!?
「みんな、怪我とかしていない?」
「赤間くんが、怪我したみたい」
「え!?大丈夫なの?」
「本人は平気って言っているけど……」
「どこ!?」
「体育館……」
ん?
歯切れが悪い?
イヤな予感。
運動とは違う汗が、背中を流れる。
「クルミちゃん、エノンは?」
困り顔!?
「……どうしよう?誰に相談したらいいのか……」
なんか、あったんだ!
「何があったの!?」
「アッキー、こっち、いい?」
クルミちゃんは私の手を引き、校舎に向う。
階段を駆け上がり、理科室?
ひいいいっ!更に汗が、滝のようにっ!
もう泣きたいっ!
「オトちゃん、私、クルミだよ?アッキー連れてきた!」
「うう、あ、アキくん!」
エノン!
涙声!?
理科室の扉を荒々しく開け放つ!
「エノン!?」
え!?
エノンは、真っ裸の女の子に抱きつかれていた。
なんで真っ裸!?
「あ、アキくん!どうしよう!?」
どうするって!?
ビクッ、と女の子が振り向く。
「あ!?」
耳が頭部に?猫耳?いや、犬かな?
それにこの子、ふさふさの尻尾がある!?
獣人!?
次回投稿は 2023/08/19 22時から23時の予定です。
サブタイトルは 【第14話】獣人族の姫・どうする? です。




