【第12話】ハイパーお母さん
今晩は。
投稿です。
力の使い方!?
「そ、その、効果はいつまで続くのですか?」
「私のエネルギー量からして、この世界の単位で200年程かな?」
死ぬまで!?
いや、死なないの!?
どのくらいの力なの?
勇者だよね?
勇者勘定だよね?
ほんの少で200年!?
「あんたが助けてくれたのかい?」
あ、アイお母さん!
「アキ!学校は!?」
アイお母さんの、元気な声!
ぼろぼろ。
うう、また涙が……よかったよう。
アイお母さんに抱きつき、勇者小角を見る。
涙で歪んで見えるが、ちょっと、今、ニッコリした?
「アイお母さん、そうだよ、この人が助けてくれたんだよ!」
「お礼を……ありがとうございます……アキ、もう駄目かと思ったよ!」
「それでね、アイお母さん、この人の力が移っちゃったんだって!」
「?……まあ、確かに体調はいいけど?」
あまり、気にしていない?
「私の秘密、知っているよね?」
秘密を知っている、とはちょっと変だけど。
知っている時点で秘密では無いってか?
「ん?ああ、馬鹿力のことか?」
「そう!」
「おお、なら、今度また、園に怪物が来たら、拳で、撃退できるか?」
……母強し。
どのくらいの強さなのだ?
ナビナナ、分かる?
(はい、サイザナン・レッドの端末を使用し、解析いたしましたン。ご安心をン)
……安心?
私くらい、強いの?それともそれ以上?
(グランドピアノでしたら、片手で充分ですわン)
おい、まて、それ、安心できるのか!?
いやそれ、安心できなっいて!?
「あのう……」
ん?幼稚園の先生達?
ゾロゾロと?お部屋から出た来た!?
「そのう……助けていただき、ありがとうございました。麦茶ですけど……」
え?
麦茶?
と、カステラかしら?
(お水かな?ミネラルウォーター?……それともお酒がいいのかしら?)
(缶ビールあるけど、冷えていないよ?)
(麦茶、お口に合うかしら?)
(そうねぇ、飛ぶような人達ですし……)
(まさか、飲み物、ガソリンとか?)
(ええっ!?それは無いでしょうけど)
(行者さま、すんんんっごいイケメンさん!ポッ)
(え?私は赤い人がいいわ、凄い筋肉!がしっ、とかされたいっ!)
……タフだ。
幼稚園の先生達、限りなくタフだ!
すげー精神的許容範囲の広さだ。
何が起きても受けいれる?その範囲は無限大か?
赤鬼に麦茶出したよ!?
「折角だ、童子、馳走になろう」
「……」
ごくごく。
ぱくぱく。
あ、童子、カステラ食べている!
「美味かった、ごちそうさまでした」
童子……意外と礼儀正しい?
あ、窓ガラスにチビちゃん達がびっしり張り付いて二人を見ている!?
一部の男の子は勇者朱天童子を熱烈な視線で……?
かっけー!
あの漢字、おり、知っているじぇ、アイ先生の愛だじぇ!
おお、しゅげーっ!胸にアイ!
飛んでる!
筋肉!
来週また来るかな?
……チビちゃん達にとって、リアル、スーパーヒーロー?
高い高いして欲しい!
だよね!
うんうん!
高い高い?……それはやめておけ、星の彼方まで行くんじゃないか?
「ではこれにて、みな達者でな」
そう言って飛び立つ勇者達。
あ、勇者朱天童子、窓に向って小さく手を振った!?
ガラス窓を叩いて喜ぶ園児達。
(聞こえるか、ホルダーアキ)
!
勇者朱天童子!?
(この街は封鎖されているぞ、未知のウイルスが広がり、感染対策のためと言っている)
え!?
(あと7箇所施設があるが、どの地域も似たような理由で封鎖している)
施設?
(我々は、必要以上にこの世界に干渉できない)
……アイお母さんのことは取敢えず不問、っと。
(世界のあり方、を変えてみるか?小角の能力は世界干渉だ、やつは思い描いた未来を引き寄せることが出来る)
無敵じゃん!
(そう、誰も小角と戦おうとはしない。筆頭魔王ですら、小角にお中元送るんだぜ?)
は?
(もはや番外的存在なのだ、パピーの怒りを鎮めるのも、小角しかできん)
パピー?誰それ?
(そんな小角が、力のプレゼントをしたのだ、お前の母親はおそらく勇者、魔王の次席だ)
い、いりません!そんなとんでもない能力!
私のお母さん、結構乱暴なのよ?
(ははっ、必要だから渡したのだろう、小角は何らかの未来を見たのだ。それからもう一言、この小角のスーパーナノマシン、気に入ったヤツに感染して、増えるからな)
は?増える!?
ち、ちょっと、勇者朱天童子!待ちなさいよ!
いったい、あなた達の目的って!?
……。
行っちゃった。
彼らの目的、分かる?ナビナナ?
世界連合ビルの破壊?
あそこに何があるの?
(おそらく、この世界に相応しくない、異世界の技術を使った装置があると思われますわン)
どんな装置?
(そこまではわかりませんわン、ただ……)
ただ?
(ご主人さまン単体では破壊できない何かですわン)
……単純に、私の馬鹿力で破壊しては、危険なものなのね……。
何だろう?
あの魔獣や、勇者達はどうやって、この世界に来たのだろう?
それに関係するモノかしら?
ゲーム的に考えるなら、転移装置?とか?
でのそんなトンデモ技術、可能なのかしら?
ズルズル。
なんだ?何の音?
現実に目を向けると、半壊した幼稚園のバスをアイお母さんが運んでいた。
……おい、勇者小角さん、この責任、何とする?
小次郎お父さん、どう思うかしら?
「おお、そんなに重くないぞ?よし、この調子でここら一帯清掃しよう!」
……取敢えず、ここはいいかな?
壊れた車や、倒れた電柱を蹴り飛ばし、道路を確保するアイお母さん。
……頼もしい、と言っておこう。
「アイお母さん、電柱は危ないよ!小次郎お父さん言ってたじゃん!無闇に近づくと高圧で危険だって!」
「なんか見えるんだ、ビリビリが。だから蹴り飛ばしている!心配すんな!それよりアキ!学校はどうした?エノンちゃん大丈夫なの?」
「行ってきていい?アイお母さん?」
「私は大丈夫だよ、エノンちゃん、心配して待っていないか?」
ああ、そうだ!
早く学校へ!
きっとエノン、心配して待っている!
「行ってきます!」
そう言って私は走り出した。
辿り着いた学校は……大変なことになっていた。
次回投稿は 2023/08/18 22時から23時の予定です。
サブタイトルは 【第13話】獣人族の姫 を予定しています。




