希望
私は、拳銃とナイフから無機質な恐怖を感じ、震えが、冷や汗が止まらなく動けなくなっていた。
その時、ふと私の頭に一つの考えが過ぎった。
『もしかしたら、他の人も自分と同じ物を持っているんじゃないか、同じようにあの文書を読んだのではないか』
私はドアに走った、恐怖で震える足が絡まり、転がるように、必死に向かった。
ドアに付いている鍵を、震える手で閉めた。
私はその場に座り込んで、頭を抱えた。
私はなんて愚かなんだろう、この状況の危険性に気付くのに、これほどの時間がかかってしまった自身に、打開策が考えつかないこの状況に、絶望していたのだ。
「あーーーーーーー!!!」
私は叫んだ、そんなことをしても、何も変わらないのはわかっていたが、何かしないと気が変になりそうだった。
叫んだお陰か、少し冷静になった、そして私は一つ希望的な考えが浮かんだ。
『このまま誰も、何もしなければ、全員が解放される、そうだ!他の人も人を殺すなんて出来るハズがない!大丈夫、またあの退屈な日常に戻れる』甘い考えだが、この時の私は、これだけが、唯一無二の希望だったのだ、どんなに小さいものにでも縋るほかなかったのだ。
そして私は、少しでも冷静さを取り戻すためにも、シャワーを浴びることにした。
シャワーを熱くしているはずなのに、全く体が温まらない、血の気が引くというのはこういうことなのだろう、私は早々にシャワーから出て、再びベットに戻り、タバコに火をつける。
しばらくして少し落ち着いた頃、パン!と乾いた破裂音が、部屋の外から聞こえてきた。
何が起きたのか、すぐに理解出来るはずだが、この時の私は理解できなかった、いや理解したくなかった。
少し間が空き、やっと私はドアに向かった。




