絶望
ドアを開いた私の目に、飛び込んできた光景は、変わり果てた河合の姿だった。
河合は、頭に大きな穴が開いていて、素人の私が見ても、死んでいることがわかった。
河合を見てしまった私は、あまりのことに何の反応も出来ず、立ちすくんでいた。
ガチャ。
私はその音を聞き、ハッと我に返り、音の方に向いた。
その先にあったのは、ドアを少しだけ開けていた村上の姿だった。
「あ、あの…」
私は声をかけようとしたが、村上は私の存在に気付くとすぐにドアを閉めた。
それに続くように、下山の部屋の方からドアの閉まる音がした。
私も自室のドアを閉めた。
私は、すぐにドアの鍵を掛け、思考を巡らせた。
『誰が河合を殺した?普通に考えれば、下山か村上だが、この状況自殺とかではないか?状況に耐えきれずとも考えられるが、しかしあんな所で自殺などするか?』
色々と考えたが、私はすぐに考えるのをやめた。
何故なら私は、気付いてしまった、希望が費えたことに…
「終わった…何もかも」
そう、唯一無二の希望であった、全員生還の希望が費えたのだ。
足が震え、力が入らなくなり、立っていられなくなった。
これで、私が生きてこの場から出るためには、他の人間を殺さなければならない、この時の感情は、言葉に表せれないような感情だった、恐怖のようであり、孤独感のようでもあり、どこか高揚しているようでもあった。
感情の混乱のせいか、私の目からとめどなく涙が溢れ出した。
私は痛感した、あんなちっぽけな希望が自身を支えていた、そのおかげで冷静さを装えていたし、頭を働かしていた事に…
そして、私はふらつく足でベットに向かい、突っ伏した。
しばらくし、私は時計に目をやる、43.35とあった。
その時、ドアを叩く音が聞こえた。




