第64話-14 女子バスケ部合宿 2年目-14 3日目-4
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三浦Side
服部先輩と宮崎先輩のお父さんが練習を見てくれることになった。先生達もなぜかこっちに来てどんな風に教えてるのかを見てる。
レギュラーチームの練習試合で男子チームが全勝してた。大戸くんもそれなりに上手かったけど先輩やお父さん達はもっと上手かった。なんていうか無駄な動きがなかったって感じ。
特にお父さん達は相手の動きを読んで先回りしてるような感じで、服部先輩達もそんな感じだったけどその上のレベルの人がいた。経験の差ってことなんだとは思う。
そんな人達が教えてくれるというのは嬉しい。
「三浦さん、服部先輩のお父さんってどんな人なの?」
「あんまり話したことはないけど優しい人だよ。先輩のお母さんもだけど、服部先輩をそのまま大人にしたような感じ。料理もするし夫婦一緒によく出かけてるみたい。仲良くてあんな感じになりたいなって思うよ」
「バスケがあんなに上手いって知ってた?」
「全然。先輩達が教わってたとは聞いてたし、球技大会で全種目優勝させられるほど教えるのが上手いって話だけど実際にプレーは見てないよ」
そう、こんなに先輩達のお父さんがバスケが上手いとは思わなかった。噂が大げさに伝わってるだけかと。
先輩達が上手いのは2人だけの力で上手くなったのかと思ってた。
でも、目標もなしにあんなに上手くなったわけじゃなくて、あのお父さん達に勝とうと思って上手くなったんですね。それなら納得です。
この後練習を指導してもらったけど、難しい技術的な練習じゃなくて相手や自分の味方の動きを読む力を付けるような練習だった。単純なパスやディフェンスの練習だけど、敵味方がどう動くか予測しながらプレーすることがいかに重要か思い出させてくれた感じだった。
それ以外は基礎的なシュートフォームの確認や反復練習といったところ。特にシュートフォームを直されただけでも、シュートの飛距離が2割くらい延び狙いが正確になった。これなら3Pも狙いやすくなる。
後は反復練習で身体に覚えさせなければ。
この練習はみんな手応えがあったみたいで喜んでるような顔をしていた。
こんなお父さんがいればもっと上手くなってたのかな……
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午後の練習が終わって片付けている間、パパ達は先生達と練習について話をしてたみたい。そんなにすごい練習ではなかったはずだけどね。
直くんと大ちゃんはいい運動になったみたいだけど、輪くんは先輩達にいろいろ構われて猫みたいにしゃーとか威嚇してる。
レギュラーの人達も直くん達になかなか勝てず、また練習試合に行った時に対戦して欲しいってお願いしてた。
紅葉ちゃんもなかなか自分と同レベルかそれ以上の選手がいないから対戦して欲しがってた。紅葉ちゃんの場合は、うちに来れば1on1とか出来るんだけどね。
地元の子達もいい練習が出来て満足したようで練習は終わった。
でも、直くんや大ちゃん達イケメンとの別れが惜しいようでなかなか帰らせてはくれなかったんだよね。こっちにはいないのかな?イケメンの男子。
明日のBBQにはいないので今のうちに見ておいてね。
片付けも終わって帰りもランニングしながら宿泊施設に向かう。
私と美亜ちゃん達、直くん達は先頭を走っていく。みんなもイケメン直くんと大ちゃんを追っかけようにも足が付いてこないよう。
始めは追いかけようとしてくるんだけど、みんなやっぱり疲れてるのか行きよりペースが落ちていて全然私達について来れない。みんな次々と脱落し、どんどん私達と距離が開いていく。
ついには、私と美亜ちゃん、直くん、大ちゃんの4人になった。咲良ちゃんと浦部さんは気を利かせたのか疲れてるのか10mくらい後ろを走ってる。
「英子ちゃん、合宿って意外に楽しいんだね。男子の方はあんまり集まってもこんな風に面白く試合できたりしないもんね」
「女子は真剣に打倒東山で頑張ってるからね。だから楽しいよ。みんないい子だし」
「英子ちゃんらしいなぁ。楽しいならいいね」
「美亜も楽しそうだけど料理とかみんなの面倒を見るのは大変じゃあないのか?」
「みんな手伝ってくれるし、それに私は面倒を見るのが好きだから」
「それならいいけど。まあ、英子もいるから何かあっても大丈夫か」
「そうね。英子もいるからいつも楽しいよ」
私も美亜ちゃんがいつも一緒にいてくれるから楽しいよ。いつまでも一緒ってわけにはいかないけど高校の間は一緒にいたいよね。
そんな話をそれぞれしながら帰り道を走って宿泊施設にたどり着いた。
咲良ちゃんと浦部さん以外まだみんな帰ってこないから夕ご飯を作るための調理器具や鍋などを洗って待ってることにした。直くんと大ちゃんも手伝ってくれてそれほど時間もかからず終わってしまった。
調理を始める前にお風呂に入ってしまいたいけど、直くん達2人がいる時に放っておいて入るのは気が引ける。今日の夕ご飯は大体切ったりするだけなので時間もかからないしお茶にして待っていよう。
「直くん達は宿題終わった?」
「英子、いくらなんでも終わったりしてないでしょ」
「もう少しで終わりそうだよ。昨日一昨日は暇だったし、島に行くからさっさと終わらせようと思って」
「そうだな。読書感想文と自由研究くらいか、残ってるのは」
「もうほぼ終わってるから、それ」
直くん達は随分早いけど私と美亜ちゃんももうあらかた終わってる。今日明日で同じ所まで終わると思うよ。
真琴おばさんとこのマドレーヌを食べながら紅茶を飲みアフタヌーンティーを楽しんでる。ヌン活とかって?
みんな徐々に帰って来て、私達みたいにヌン活を始めてる。わざとらしくお嬢様をみんな気取ってて面白いけどね。
輪くんとパパ達が帰って来て男子はもう帰る時間。
パパ達は先生に挨拶し、輪くんは先輩達に可愛がられ、直くん達は1年2年の子達に帰らないでって言われてる。
でも帰らなきゃいけないんだけど。輪くんは帰らないで泊まってくとか言ってて暴れてるけど、直くん達に無理矢理引き摺られて車に放り込まれてた。
「直くん、帰ったら島に行く準備ね」
「大体揃えておくよ。じゃあね」
みんな男子が帰って行くのを涙しながら見送った。
さて、夕ご飯の前にお風呂で汗を流してこようかな。
調理班以外はヌン活をしながら直くん達やパパ達の話で盛り上がるらしい。
大浴場の温泉に浸かり今日の練習の疲れを洗い流す。心地良いお湯だなぁ。
気持ちよくって意識が飛びそうになっちゃった。
その時、他の学校の1年の子が話しかけてきた。
「さっき先輩の彼氏さんと島に行く準備とかって言ってましたけど……2人だけで行くんですか?」
「「「きゃあきゃあ、泊まりなんですか?」」」
「それは美亜ちゃんとある島のお祭りでそこの神社のお手伝いのバイトにいくの」
「大きい別荘を1軒貸してくれるという話で友達やその彼氏、1年の三浦さんや浦部さんと行くのよ」
「いいなぁ、いろいろ楽しそう」
「でも、その島にもちょっと有名な心霊スポットとか人魚伝説あるんだよね。私はそっちの方が楽しみ」
「橋本先輩はそういうの好きなんですね。うちの学校の子も好きなんですよね。時々変なとこに行ったりしてるみたいで心配なんですけど」
「何かあれば連絡ちょうだい。英子と美亜が解決してくれるから。美亜の家の神社でもお祓いしてるからそっちでもいいよ」
「咲良、あんまり宣伝しないでよ。いくらでも出来るわけじゃないんだから」
そうなんだよね。お祓いとか助けたり出来るけどすぐに出来るとは限らないんだよ。タイミング良ければだよ。
その後も島に行く話やお祓いの話でみんな盛り上がり、ちょっとお湯に浸かり過ぎてのぼせそうになっちゃった。
### 続く ###




