第64話-15 女子バスケ部合宿 2年目-15 3日目-5
まだ食堂でヌン活してる人がいるけど夕ご飯の準備を始める。
今日は去年も出したレタスしゃぶしゃぶ。簡単でみんな好きにお肉と野菜を食べられる。食材はレタス、豚肉、牛肉、各種きのこ、ネギなど。タレもポン酢、ゴマダレ、オリーブオイルの塩だれと3種準備する。締めにご飯や太い中華麺を入れて卵をかける。
準備は野菜を切って、タレを作るだけ。足りなくなったら自分でレタスを剥かせればいいので手間がかからないよ。調理班の方も人手は全然足りるくらい。
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藤井キャプテンSide
今日は服部の父親達が食材を持って来てくれて、その上練習にまで参加してもらった。服部家にはコスプレ衣装の件の他にも世話になってしまってる。ただでさえ服部と三条には世話になってるのに、迷惑に思われていないのがせめてもの救いだ。
練習も男子チームとの試合はどこも負けてしまった。急造でそんなに練習をしていないのにだ。男子の方がフィジカルが上とはいえそこを活かしたプレーではなく、私達に合わせた言い方が悪いが手を抜いたプレーで負けた。
「ああ~、服部のお父さん達にボロ負けだったなぁ」
「いい練習にはなったけど悔し過ぎ。なんであんなに上手いの?会社員だよね?」
「服部のお父さんはIT関連の会社だって言ってたな。宮崎のお父さんは犬猫のカフェチェーン店のトレーナー兼社長だとか」
「社長?」
「そうらしいよ。奥さんもトリマーやっててこの辺の動物関係のとりまとめみたいなことやってるんだって、服部が言ってた。
ゴールデンウィークに犬猫のカフェでイベントやってたりしない?そっちでも」
「ああ、妹が行きたいって親と行ってたね。もう5、6年は行ってるかな、確か」
「そういうイベントの企画なんかを宮崎のお父さんがこの辺の動物関係をとりまとめてやり始めたんだって」
「へぇ~。でも、そんな人があんだけバスケ上手いのかよ」
「服部家とかと家族や友達のチームとフットサルやバスケを時々やってるらしい。それで大人とプレーしてたから服部達は鍛えられたんだってさ」
「「「「「いい家族だなぁ。羨ましい」」」」」
あのお父さんにしてあの服部が生まれたのはみんな納得してるようだ。その分羨ましさもいっぱいなんだろう。自分の親もあんな風だったらって思ってしまう。
将来自分が住む地域のバスケチームなんかに入って子供も一緒にやるようになれば服部のような子が出来るかもしれない
「あたしらも将来同じことやって服部みたいな子を育てて同じ学校に通わせるか?打倒東山ってことで」
「チーム作って服部さんのお父さん達のとこに参加させてもらうのがいいかもね」
「「「「「そうしよう」」」」」
何か壮大な計画になりそうなんだけど……
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2年Side
ああ、今日も温泉は気持ちがいい。練習で疲れた身体が楽になる。うちにも温泉が欲しい。
今日は服部さんのお父さん達や彼氏さん達と試合が出来て楽しかった、全然勝てなかったけど。あの服部さん達はこんな人と対戦してたから上手くなったんだろうなぁ。
全員ではないけど1年2年で今大浴場の温泉に入ってる。他の高校の部員も一緒に今日の練習の話をしてる。
「ああああ、服部さんとこお父さんもお兄さんもイケメンだよね。さらに友達の家族もイケメンだったし」
「あんな男子に囲まれてたら下手な男子には目が行かないよね」
「まあそうだろうね、男バスエースの宮崎くんは婚約者だし」
「「「「「「はあ?」」」」」
「うちの学校ではみんな知ってるよ。赤ちゃんの頃からほぼ一緒に生活してるらしいし。一部耳から素通りして聞いてない先輩もいるけど」
「サッカー部司令塔服部のお兄さんも三条の彼氏だもんね、親公認の。」
「「「「「「はあ?何それ?」」」」」」
「中学時代から両思いだったらしいよ。年末くらいに告って付き合い始めたとかなんとか。」
「「「「「いいなぁ」」」」」
服部さんも三条さんも美人だからあんなイケメンの彼氏が出来るんだとか思ったりはしない。
あの2人は性格もいいし、自分の損得勘定で行動したりもしない聖人君子みたいな人。練習試合や今回の様な合宿の時でも学校関係なく世話してくれる。東山の選手の勉強の面倒すら見てるとか普通ならないよね。
本当にうちの1年も尊敬してる子は結構いる。
他の学校の部員達もそう思ってるみたいで誰も反論はしないと思う。
出来る人だからなのか、親の教育の成果なのか、元々そういう人なのか……ほんと凄いよね。
「服部さん達ってこの先どうするのか知ってる?」
「獣医目指すらしいよ。宮崎くんと一緒に。三条さんは化石?」
「「「「へ?プロとか大学バスケじゃないんだ?」」」」
「三条さんの化石とかも興味あるけど、バスケでご飯食べて行くとかじゃないんだ」
「だよね?海外やコーチとかの道もあると思うんだよね、せっかくあんなに上手いのに」
「でも、あの2人ならどんな世界でも成功しそうだけどな?」
「「「「「それな」」」」」
誰もあの2人の成功を疑わないというのも不思議だけどね。
でも、出来るなら同じチームで一緒に試合に出てみたいなと思うよ。
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夕ご飯の準備はもう終わった。カセットコンロをテーブルに置いて動作確認。
鍋に出汁を張って、後はみんなが食堂に来るのを待つだけ。調理班で料理のレシピやコツみたいなことを話してた。みんなメモを取りながらいろいろ質問してくるんだよね。特に男子に受けのいいレシピはみんな前のめりになって聞いてくるんだよ。
「今日の夕ご飯は何?」
「レタスしゃぶしゃぶだよ。レタスもきのこもいっぱいあるからね」
「肉は?肉。しゃぶしゃぶなのに肉がなかったら明日もたないよ。ねぇ?」
「「「「「うんうん」」」」」
「豚肉と牛肉がちゃんとあるよ。ないわけないじゃん。たっぷりあるからね。
締めにおじやとラーメンを準備してあるから余力を残しておいてね」
「「「「「は〜〜い」」」」」
鍋にお肉をしゃぶしゃぶしながら食べ始める。私はレタスから。レタスは豚肉と食べると疲労回復にいいんだって。
美亜ちゃんもレタスを食べてる。バランスよく食べてるよ。
きのこはさっさと入れて火を通しておかないとね。
お肉はたくさん買ってある。冷蔵庫に入ってるので各自一皿食べたら持って行ってね。
実は直くんのお父さんの親会社の社長さんが焼き肉店のルートから安く卸してくれたんだって。だからこれでもかというくらい冷蔵庫に入れてある。
野菜やきのこも地元の農家さんから差し入れてくれてる。先生達用に冷凍の松茸を頂いたので松茸ご飯にして出して、他にも頂いた野菜で酒の肴をいくつか作って出しておく。
でも今日はあんまり飲まないみたい。準備してるビールの本数が少ない。
そんなに飲まないで今日のパパ達の練習のことを振り返ってるらしい。そんなにすごかったり勉強になるようなことがあったのかな?ビールを飲みながらだけど真剣に話てる。
「服部先輩、お父さん達バスケがすごく上手いんですね?」
「いろいろ教えてもらいましたけど、あんなお父さんが欲しかったです」
「ダンディなおじ様達でしたけど、家ではどんな風なんですか?うちのお父さんなんかごろごろしてますよ」
「うちのパパはごろごろしてはいないけど、ママとイチャつきながら心霊映像とか観てたりとかしてることが多いよ。バスケとかフットサルとか家族とかみんなで遊びに行ったりもするけど」
「家族サービスとかちゃんとか、家族で仲良くしてるんですね。いいなぁ」
小さい頃はいろいろ遊びに連れていってもらったりしてたけど、今は部活やバイト、直くんとデートしたりとかであまり時間はないけどね。
でも、家族に優しいパパなのは確かだよ。多分将来孫にも優しいいいおじいちゃんになっちゃいそうだけど。
「服部は男バスの宮崎ってのと婚約してるとか聞いたけど、ほんとなのか?」
「将来2人で獣医になるとかって聞きましたけど」
「獣医を目指してるのは本当だけど、婚約者とかって家族同士で決めてたりってのはないよ?
でも、直くんとはお互い好きだから多分そうなるとは思ってるよ。パパ達も反対したりしないし」
「「「「「きゃあきゃあ」」」」」
「ごちそうさまって感じだな。いい感じだし頑張れよ」
「宮崎も料理が出来るから将来困らないよな」
「そうなのか?勉強も出来て社長の息子で料理も出来るとか優良物件じゃん。あたしもそんな彼氏が欲しい」
ちょっと恥ずかしい。でも、優良物件とか言われるけどそういうことで好きになったりしたわけじゃないよ?
そうじゃない頃から好きだもん。将来も一緒にいたいもん。
### 続く ###




