第64話-13 女子バスケ部合宿 2年目-13 3日目-3
パパ達との試合の後、また女子だけで試合を進めていった。
東山もパパ達には勝てなかったけど、何か掴んだのかちょっと強くなった感じがする。ここでの練習試合では勝率が五分五分くらいだったけど負けが増えそう。他の強豪校には勝てるんだけどなぁ。
うちと東山が連戦して午前の練習は終わった……
今日も仕出し弁当を食べながら休憩する。
仕出し弁当以外にパパ達が作ってきたサンドウィッチやおにぎり、唐揚げなどのおかずも振る舞われた。パパや大ちゃん達が作ったということでみんなにどんどん食べられていく。
直くんは私の隣に、大ちゃんは美亜ちゃんの隣に座って家から持ってきたお弁当を食べてる。
「英子ちゃん、はい、あ〜ん。エビフライ美味しい?」
「うん美味しいよ。お返しに唐揚げ、はい。あ〜ん。仕出し弁当のだけど」
「美亜、シュウマイと何か交換しよう」
「大輝くん、じゃあとんかつで。こっちも仕出しのだけど」
仲良くいちゃついてると回りにいるみんながいいなぁって顔をしてる。立花さんと向こうにいる輪くんだけが怖い顔でこっちを見てるんだけど何で?
「服部さん、三条さん。そちらの方は?後、あちらのおじ様達も」
「直くんは婚約者だよ」
「大輝くんは彼氏です。お父さん公認の」
「「「「おおおおお、もう将来が決まってるのですな?」」」」
「向こうにいるおじ様は英子のお父さんと隣の宮崎くんにお父さんだよ。うちの高校のOBで親友なんだって。
英子のパパはうちの高校の有名人で『生ける伝説』とか言われてたよ」
「その伝説って?」
「球技大会で前人未到の男女全種目優勝させたり、文化祭で未だに売上トップだったり」
「それはすごいけどそんなことが出来るの?」
「それが出来たからすごいんだよ。去年のうちのクラスでも球技大会で全種目優勝出来なかったもんね。英子も美亜も宮崎くんも服部兄もいたのに」
みんな「へえ〜」とか言って感心してるけど現実味がないんだろうな。
でも、「格好いいね」って歳上好きの皆さんで盛り上がってたりしてる。他の人達は直くんと大ちゃんのことをパパ達と同じよう話題にして盛り上がってた。
ただ……直くんと大ちゃんのBL展開を期待してる人が一部いるようだ。コソコソと向こうで話してる声が聞こえちゃった。
残りの輪くんはヘバッて項垂れてるところを3年のお姉さん達に頭を撫でられてて、それを手で払ってるんだけど諦めてくれないみたい。撫でやすいのかな。
浦部さんと三浦さんが同中のよしみなのかそれを笑いながら見守ってる。
「そうだ、肝試しの件どうする?」
「藤井キャプテン、どうします?すでに昨日体験しちゃってますけど」
「みんな、どうする?服部達のアレより怖くはないんだろうけど」
「昨日何かあったの?」
「ちょっと特殊な交渉術でみんなに幽霊が視えるようにしたらちょっとね……」
「服部さんと三条さんって視える人だっけ。でも、そんな事もできるんだ。
それなら期待出来そうだね」
「「「「うん」」」」
何かな?期待出来そうって。
みんなで協議の結果肝試しをすることになった。4日目の夜、BBQの後に。
何か思うところがあるようだけど、自分達も参加するんだしひどいことにはならないよね?
話を聞いたところによると、湖の辺りにある供養塔に最近出ると噂になってるんだって。昼夜関係なく視ることがあるらしく、去年の夏休み以降学校でも話題になってるとか。
特に何か呪われたりということもないとかで、心霊スポットとして町の中だけで話が広まってる。町役場としては宿泊施設がせっかく座敷童子で話題になってるから余計なことで水を刺したくないと、話を広めたくないそうだ。
そういえばランニング中にそんな場所の横を通ってたような……
でも、何も見てないんだけどな。
神ちゃんからも何も警告とかなかったし、ヤバい霊とかではない地縛霊なのかな。
昼休みも終わり、午後はパパと直くんのお父さんは1年2年の方の指導に入ってくれた。先生達もどう指導するのか興味があるらしく向こうを見に行ってる。
代わりに直くんと大ちゃんがレギュラーチームの方の練習を手伝ってくれることになった。
午後は学校関係なくシャッフルしてチーム分け。ポジションがダブってたらじゃんけんなどで決めて、違うポジションも経験していくことにした。国スポの合宿でも同じ練習をしてる。
男子の直くんと大ちゃん達も入るけど、同じチームになって大喜びされてる。輪くんは一部の先輩に喜ばれてるけど。
全然違う学校の部員と組むわけで最初から上手く連携が取れなかったりする。そこをポイントガードや他のポジションでフォローしたりしながら試合をしていく。
別のポジションの理解を深めるのにいい機会になる。試合時間を短くしていろんな人とチームを組んでやってみた。
特に同じポジションばかりやってた人にはなかなか難しい練習で、いい勉強になったみたい。それに他のポジションにも適性がありそうなって人もいて、今後の試合に活かせるかもって。
そんな中私と美亜ちゃんはオールラウンドにポジションをこなせるので、ポイントガードやシューティングガードを他の人に任せてみたりしながらプレーしていった。
「ああ~、服部がポイントガードだとすげぇ安心出来る。うちのポイントガード、もっと鍛えないとなぁ」
「三条さんのシューティングガードも3Pは安心して任せられるよ。うちに欲しかった」
「あ~、服部さんと同じチームになれないんだけど?どういうこと?」
「立花の邪念が影響してるんじゃないの?いつも迷惑かけてるし」
「東山の樽谷さんのパワーフォワードもすごく上手い。これまでどこにいたんだよ。2年だっけ?」
今年突如として現れた紅葉ちゃんのことは強豪校のみんなは気になってたみたい。よく知ってるのは東山の人達とうちくらいだったもんね。
インハイ地区予選決勝で試合を見たことがあったくらいで、今回の合宿でちゃんと実力を体感したわけだけどこれまでのどこにいたのかは分からないようだった。
「大阪の有名な強豪校で1年からレギュラーで出てたんですよ。親の転勤でこっちに戻ってきたんです」
「転校の場合半年出られないんじゃなかったっけ?」
「親の転勤による移住ですし、スポーツ特待とかで転校してるわけじゃないから許可されたそうですよ」
「服部さんと三条さんのおかげだよ。勉強見てもらってなんとか東山に入れたし」
「「「「「服部!三条!、なんてことするんだよ!!」」」」」
「だって家から一番近い学校なんですよ?徒歩5分ぐらい。
自転車で30分くらいかかるとかなら協力しませんよ、それならうちに来てもらいたかったし」
「なんで知ってるの?」
「遊びに行きましたから。それにパパの親友の実家の隣でしたから」
徒歩5分の所にある学校に、となれば流石にみんな仕方ないあと納得してくれたようだった。
そりゃあそうだよね、自分だってそんな近くの学校に行きたいよね。
### 続く ###




