おやすみなさい
大夢がいつしか慎平に言われたことだ。
「力なんて今はそんなもんだ。やればやっただけ力になる。やるかやらないかは決めるのは自分だよ。でも、俺は大夢には頑張って欲しいと思うな。」
大夢は慎平は兄弟のようで友人のような存在だ。師匠ではない。
当然、慎平は大夢から学ぶことの必要性を感じている。
互いに学び合って成長したい気持ちがあったのだ。
「親切のつもりで声かけたのに、馬鹿にすんなって言われたんだよ。何がいけなかったんだろ。」
「いや、大夢は間違ってないよ。馬鹿にされたと思った時点で、相手は雑魚だから気にすんなって。」
「気持ちに余裕がないってことなのかな?」
「まぁ、そうなんだろうね。俺は努力できる環境にありながら諦めた人間ではないので、彼らの気持ちがわかんないんだけどね(笑)」
「そうだね、プライドあるから変な感情が生まれるんじゃないの?(笑)」
「まぁ、俺も一時期あったんだけど。変なプライドは人の成長を妨げるって聞いたし、自分でもあぁそうなんだなって思うから、その時からプライドは持たないようにしてるけどね。」
「要するにプライド持ってるやつはかわいそうだし相手にしない方がいいのかもね(笑)」
「そうだね。余計なこと考える暇あったら今の自分を思う存分満喫していいんじゃないかな。」
のびのびと野球を向き合うことができたのも、
松葉慎平のおかげだと大夢は感じていた。
国語の宿題で作文を書いていた大夢。
利点と不利点という指定で、大夢はプライドを持つこと、
をテーマに慎平とのやり取りを思い出しながらまとめ上げていた。
もちろん大夢なりの語彙力ではあるが。
大夢はテストで満点を取ろうという考えの持ち主ではなかった。
その気質が幸いしたのか、特別偏差値の高い高校は行かないと決めていた。
両親も内心ホッとしていた。大夢が偏差値の高い高校に入ることで、
両親には負い目を感じるところは少なからずあるかもしれない。
別に両親にとっては、大夢の人生だから、悔いのない選択をしなさい、
と言われているものの、大夢は何が悔いの残らない人生なのかわからないので、
とりあえず書いてる途中の作文をほったらかしにして、
目をつぶり、明日の朝を迎えてからまた再開しようとしていた。
一言で白状しましょう。
睡魔に負けました。




