176.半殺しか、皆殺しか
普通は皆殺しです
おはぎじゃないので
「餅つきだぜイェーイ!!」
「「フゥーーーーーー!!!!」」
「テンション高ぇな……」
「もう諦めたら良いんじゃないかな」
昼前。柚の家の前。
今日は僕達三人の家族、つまり大鷺家、天城家、神和家で集まって餅つきをする。柚の家の前が割と広いから毎年ここでやっている。ちなみにさっきのは菖さんのセリフに僕と葵ちゃんがノったもの。
「ていうか菖姉と葵姉、騒いでないで中の手伝いに行けよ」
「もう終わったよ」
「見え透いた嘘吐くなよ! 集まって2分経ってねぇよ!」
「あははははははは」
「いやぁ女性陣も大変だね」
「いや柚、お前もだろ」
「ふふ」
女子三人が台所へ向かった。僕達二人は米が炊けるまでここで待機。父親達? 今日は仕事。
「あのさ、槙」
「なんぞ?」
「みず◯たシティがどうしてもうまくいかないんだけど」
「話吹っ飛ばしやがったな」
「あれってやっぱりツルハシスキル使わなきゃダメ?」
「俺は使わないとできないな」
「うーんやっぱりそうか……」
ワンダフルフェスタでフィーバーしたかったのに。
「餅つき、ツルハシでやったらどうなるかな」
「臼が抉れる」
「ずいぶん強く降り下ろしたね!?」
「いや、頭上から重力に任せるだけでもなるだろ」
重力こわい。
「まかり間違ってスキル発動したら大惨事だよね」
「俺達に掘パワーがあるとでも?」
「……ないか」
「ねぇだろ」
あったら逆にこわいか。
「つかツルハシなんて使えるのか?」
「20kg分銅を片手でみっつくらいまとめて投擲できる槙なら余裕だよ」
「お前はどこの世界の俺を見てるんだ?」
「よっつ向こうの」
「人間じゃないなお前」
失礼な。僕は立派な人間だよ。
「20kg分銅みっつとか俺の体重より重いじゃねぇか」
「槙はもう少し太っても良いと思うよ」
「運動しない限り無理だな」
「運動しようよ」
「ふっ、この俺が運動なぞ始めても」
「ち◯わ大明神」
「長続きする訳がないだろう」
「誰だ今の」
「柚だ」
「柚だったのか」
なんだこの流れ。
玄関から覗いてた柚が出てくる。
「柚暇なのか」
「うん」
「手伝いは?」
「なんとなく壁殴ってたら追い出されたんだ」
「何してんだお前」
「まぁ嘘だけど」
「だろうよ」
まぁ殴ってる音とか聞こえなかったしね。それに柚は壁を殴るような性格じゃな……あり得る気もする。
「つか今日寒くね」
「運動しなよ」
「壊れたボイスレコーダーか」
「運動すると暖かくなるよ」
「俺には向いてないな」




