172.冬の朝
冬は色々大変ですよねぇ
「霜降ってる……」
朝。学校に行くために家を出たら、自転車が霜で真っ白になっていました。
「もうそんな季節なのかー……」
まぁ雪も降ったし。……っと、タオル持ってきて拭かなきゃ。
タオルを取りに家に入る。
「ただいまー」
「おかえりー、早かったねー」
「ツッコまないからねー」
「おいおい」
居間の方から何か聞こえる。まぁ、とりあえずほっとけば良いかな。
タオルを取って外に出る。こういう時のために玄関に置いてあるものだ。
「いやー、真っ白だなぁ」
自転車の場所に戻って霜を拭き取る。サドルだけじゃなく全体的に白い。これじゃまるで……
「……霜降り自転車」
「何を言ってるんだキミは」
「!?」
突然の声に驚いて振り向くと、そこには柚が立っていた。だからさぁ、気配消して近付くのやめない?
「霜で白くなった自転車を見て、霜降り自転車……ふふ……文字通り……ふふふ」
あ、ツボってる。
うーん、いまだに柚のツボがわからない。微妙なところで突然笑うんだもんなぁ。
「柚おはよう」
「ふふ……うん、おはよう。樂、霜降り自転車はどうかと思……んふっ」
「柚、帰ってきて」
僕を置いてトリップしないで。なんだか悲しくなってくるから。
「……ふふ、ただいま」
「柚それたぶん帰ってこれてないよね?」
「ふふっ」
「怖いよ」
もう笑うのを堪えようとしないで思いっきり笑っちゃえば良いのに。大笑いしてからさっさと復帰しなよ……。
「ところで樂」
「何?」
よし、霜も落とせた。タオル元の場所に戻して出発しよう。
「霜降り自転車って美味しい?」
「え……や、僕は知らないけど」
「なんだ……てっきり樂は食べた事があるかと」
「どんな認識? 僕は人間じゃなかったの?」
人間は自転車食べないし。つまり僕は人間じゃないって認識だよね?
「でも樂なら食べれるよね?」
「無理だよ槙じゃあるまいに」
「じゃあ槙は食べれるんだね」
「槙ならいけるんじゃないかな」
たぶん。槙人間じゃないっぽいし。
「まぁ槙って人間らしくないところとかあるしね」
「そーそー。対動物モテ期とか」
「あれは反則だよ」
「前世はなんだったんだろうねぇ」
前世も槙だったりして。……学校行かなきゃ。
話は反れるもの。




