125.柚さんの優しさ?
久しぶりの柚さん視点です
視点 柚香
「ふぁ……」
ん……よく寝た。
起き上がって時計を見る。6時18時と示されている。だいたいいつも通りの時間帯かな。
とりあえず顔を洗ってこよう。布団の温もりを棄てるために精神力を振り絞る。このところ布団が心地良くてダメだ。うっかり二度寝しそうになる。
槙や樂はこの『布団の魔力』に負けやすいようだ。いつまでたっても寝坊癖が抜けない。……まぁ、そんな二人をいじりに行くのも楽しみの1つだけど。
……ふぅ。さっぱりした。
だんだん思考も起きてくる。そういえば今日は金曜だな。今日を乗り切れば休みだ。頑張ろう。
…………暇になった。
特に読みたい本もないし、やりたいゲームもない。槙や樂で遊ぶ事もできない。朝ごはんまで何をしていようか。
…………………………。
…………………………。
…………………………。
思案する事10分。何も思い浮かばない。どうしよう。
槙……いや、樂に電話でもしてみようか。きっと良い反応を返してくれるだろう。
そう考え、携帯を取り出したところで硬直。1つ問題が発生した。
樂は携帯不携帯である場合が多い。
樂に連絡を入れても通じない場合がままある。寝ている時は樂の『寝ぼけ』も相まって通じる可能性は更に低くなる。気分的にはレア素材かって確率。
仕方ない。槙にかけよう。多少反応は薄くなるだろうけど、槙は枕元に携帯置いて寝るから朝にかけてもかなりの割合で通じる。よしそれで行こう。
…………………………。
『……ういっす』
「ふふ、相変わらず寝ぼけてるみたいだね?」
『ああ……一時間前から二度寝開始したところだ』
「目覚ましが5時なのにそれはどうかと思うよ」
『良いだろ別に……習慣で7時前には確実に目覚めるんだから』
「いよいよ目覚まし時計の存在意義が危ういね」
まぁそのおかげでボクとしてはイタズラしやすくて良いんだけどね。
『で、何か用か』
「九日?」
『二十日』
「えらく飛んだね」
『何の用だ』
「いや、特に用はないよ。君の声が聞きたくなっただけさ」
『白々しいな』
別に嘘は言っていない。槙の声が聞きたかったのは間違いない。何せやる事がなくて暇だったからね。
『そんな発言してるからイチャついてるとか言われるんじゃないのか?』
「別に良いんじゃないかな。勝手に言わせておけば」
『煽られるのは俺だけどな』
「ご苦労様」
『労う前に根本を解決してくれ』
もっともな意見だ。だけどボクは槙や樂の困った顔を見たいのさ。
『嫌な趣味してんなぁ……』
「聞こえてるよ槙」
『聞こえるように言ってんだよ……』
「ふふっ……」
『ふぁぁ……』
「寝ないようにね?万が一寝オチした場合には布団に潜り込みに行くよ?」
『あー……そろそろ暖かくて良いかもな』
「夏場は渋ってたクセに」
『気温差を考えろや』
「槙やボクの体温はいつでもほぼ一定だけどね」
『はいはいそうだな』
だんだん雑になってきた。……もう少し遊んでくれたって良いじゃないか。
『てかお前他にやる事ないのかよ。樂で遊ぶとか』
「それはボクも考えたさ。でも樂は手元に携帯置かないだろう?」
『そうだけどな……自分で言っておいてアレだが、朝っぱらから人に電話するのもどうかと思うぞ?』
「朝っぱらから電話された君達の反応が楽しみなんじゃないか」
『お前もっとマシな趣味持てよ……暇なんだろ……』
ならこれに変わる新しい趣味を教えて欲しいな。
『暇なら家事でもできるようになれよ』
「ふふ、面倒」
『一蹴すんなし』
「良いんだよ。だいたいの事は槙がやってくれる」
『変な頼り方すんなや。そもそも俺の方が家事できるって時点でおかしいからな?』
「まぁ最悪槙に養ってもらえば良いさ」
『何故に俺が面倒見にゃならんのだ』
「ふふふ」
『いや答えろよ……』
そういえば、今日槙と樂は強歩大会らしいな。帰ってきたら疲れてるだろう。
普段から遊んじゃってるし、たまには優しくしてあげても良いかな。ふふ……。
『…………!? おい今なんか寒気したぞ?なんだこれ……』
「寒気……失礼な」
『お前何考えた……っ!?』
何だって良いだろう。安心して走ってきなよ。ふふ……♪
いつから彼女はこんなキャラになったんでしょうねぇ……?




