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118.かわき
「いやー今日は涼しいねー」
「そうだな」
朝。信号待ちなう。ここの信号赤長いんだよね……。朝に引っ掛かると面倒だ。
「早く変わらないかなぁ……」
「おう」
「なんでここはこんなに長いのか――ってうわぁ!?」
僕が槙の方を見ると、槙が目に涙を溜めていた。
「ちょ、槙、どうしたの!?」
「鼻がめっさ痛い」
「鼻!?なん――あ、なるほどね」
槙は乾燥に弱いんだった。なんか語弊ある気がするけどべつに良いよね。
「でも槙、泣くほど痛いの?」
「ああ。今日なんかすげぇ乾燥しててさ。真冬に負けないレベル」
「そんなに……?」
僕はそんなに乾いてるとは思えないけどなぁ。槙はセンサーか何かなの?
ていうか槙、すごい鼻声。
「あーもー……誰か助けてくれ……」
「ちょっとこればかりはなぁ……」
「そこらじゅうに加湿器置いてくれ」
「それちょっと無理だよね。打ち水で我慢しなよ……」
「せめて自分の部屋に欲しい」
「あー……」
なんかもう見てて哀れだよ。




