116.ぐっすり槙君とぬこ
羨ましいですねぇ~……
………………。
放課後。例の場所。
ここに来てみたら、槙が寝ていた。
もちろんと言うか、猫を抱いて。
……羨ましい。
「どうして猫にそんなになつかれるかなぁ……!」
いや、一応理解はしてるけども。そりゃ、生まれた直後から近くに居ればなつくでしょうよ。
しかしまぁ、幸せそうな寝顔だなぁ。
木に寄りかかって、猫抱き締めて……。どんだけ猫のこと溺愛してるんだか。
猫も幸せそうな顔してるよ。
ちなみに僕は今、結構遠くから槙達の事を見ている。だいたい10メートルくらい離れてる。
だってなんか近より難いんだもの。幸せオーラが漂ってるというか……。何より、これ以上近付いたら猫起きて威嚇してくるもん。そんな気がする。
「いやぁ、良い寝顔だね」
「うわぁびっくりした!」
柚が背後にワープしてきた。びっくりするからやめてといつも言っているのにやめる気配がない。ついでに本人の気配もない。そのうち心臓止まるんじゃないかな。
「一応聞いてみるけど、なんでこんなに遠くから?」
「これ以上近付いたら猫起きるじゃん」
「ああ、やっぱりそれなんだね」
「僕だって威嚇されるのはイヤだし」
「ふふっ、だろうね」
小声で会話する。起こしちゃ悪いからね。
「……槙、羨ましいな」
「やっぱり柚も思う?」
「そりゃね。ボクだってあんなふうになつかれてみたい」
「あの猫は無理だよね……全力で威嚇して逃げるもんね……」
「可愛い猫が幼馴染みラヴ過ぎてつらいっていうタイトルのラノベでも書こうか」
「書いたら読んであげるよ」
まぁたぶん書かないと思うけど。なんせ柚だし。
「ていうかラノベなら逆だよね。可愛い幼馴染みが猫ラヴ過ぎてつらいだよね」
「幼馴染みが可愛くなったね」
「そこ除けば合ってるよね」
「一気に恋愛モノのタイトルになったけどね」
名詞2つ入れ替えるだけでずいぶん変わるなぁ。
……当たり前か。
「……なんかイライラしてきた。槙の寝間着に生卵を」
「やめてあげて流石に可哀想」
柚「樂、あの猫にむかってダイヴしてみてよ」
樂「やだよ!ひっかかれるじゃ済まないよ!」




