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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
九月、長月、September…
109/240

109.十五夜

今宵は月が綺麗ですね!(他意なし



 ……こんばんは、一体誰に向かって実況しているのか分からない実況の大鷺樂です。


 時刻は午後8時をまわりました、現在僕はお風呂から上がってきまして、ベランダにて月を見ている幼馴染みの二人、柚さんと槙君をこっそり観察しています。


 今宵は中秋の名月、それを眺める二人の会話に注目してみたいと思います……!




「団子食べたい」

「さっき夕飯食ったろ」

「何を言っているんだい?別腹に決まっているだろう?」

「そんな良い顔で言われてもなぁ」




 どうやら柚さんは月見団子が食べたいようですね。しかしそんなものはありません!冷凍庫にそれっぽいアイスが入っているだけです!




「それはそうと……満月だね」

「切り換えの早さな。まぁ……そろそろ時間的にも満月だな」

「えっと……13分だっけ」

「忘れた。8時代なのは覚えてる」




 槙君、テキトーな性格を発動!流石はO型と言ったところでしょうか。大雑把さが光ります。普段はそんなに雑じゃないのに。




「……月、綺麗だな」

「……ふふっ、プロポーズかい?」

「ん?……あぁ、そういう訳じゃないが」

「なんだ、つまらないな」

「つまるつまらんの問題じゃないだろ……っていうか、お前俺に告られたらOKするのかよ?」

「さぁ?でも間違いなく即決はしないね、どちらにしろ」




 おおっと、ここでイチャつき始めた!本人達にはまるでその気はないのに何故かイチャついてるように見えるともっぱら評判!その評判の内容には僕も含まれております! なんでだ!




「……正直、付き合い始めたところで何も変わらない気がするんだよな」

「ボクもそう思うよ。そもそも付き合う気が起きるかも分からないし」

「だよな……『好き』の系統は『LOVE』で間違いないんだがな……」

「もはや異性として見てないというか」

「『友愛』『家族愛』の色が濃いよな……」




 何かしみじみ話しております!僕達は長く一緒にいすぎて家族みたいな感覚になっているという旨です!だからこそ同じ布団で眠れるのだけどね!




「まぁボク達にはそれでちょうど良いのかもしれないね」

「そうだな。……ところで柚、『月が綺麗ですね』だけだと『I love you』にはならないらしいぞ」

「え、そうなの?」

「その前に『あなたといると』がつかないといけないらしい」

「へぇ、そうなんだ」




 初耳です、はい。




「ちょっと話戻すけどさ、ボク達三人が本当に兄弟だったらどう思う?」

「自分の出生を疑う」

「誕生日考えないで」




 確かに近い。近すぎる。見事に10月、11月、12月と並んでいます。僕と柚に至っては9日間しか離れていません。どう考えても無理です。




「まぁ俺が末なのは変わらないからなぁ」

「ふふ、図体は一番大きいのにね?」

「図体言うなし……」




 …………会話がなくなりました。静かな時が流れております。


 しかしそこに気まずい雰囲気はなく、むしろ穏やかで優しい空気が漂っています。会話がなくても落ち着ける。良いですねぇ……。


 二人が月を眺める間、僕はもうしばらく二人を眺めたいと思います……。





柚「ところで後ろの方で会話盗み聞きしてる樂はいつ出てくるのかな」

槙「早く出てくれば良いのにな」


樂「いつから気づいてたの!?ねぇ!」

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