105.眠れない夜
何度も書いていますがタイトルに深い意味はありません。
視点 槙
夜。時間で言えば23時6分。今日も今日とて二人が泊まりにきている。そしてそろそろ寝る時間……なのだが、何故か今日は眠れないでいる。というか眠くない。
おそらくアレだろう。家に帰ってきて風呂に入り、上がった直後に布団へダイヴしたのが原因だろう。布団のぬくもりが心地よくてつい寝入ってしまった。……布団というか温まった自分の体温のような気もするが。そっちの線の方が濃厚だがスルーしておこう。
そんな昼寝(夕寝?)紛いの事をしてしまったがために、俺は眠れないでいる。もう清々しい程にパッチリだ。
という訳で、気分転換のために家の外へ進出した次第である。夜間の徘徊は危険な気がするがそこは自己責任でどうにかしよう。
――そこまでは、良い。
「いやぁ、夜は涼しいねぇ」
「声のトーン落としなさい。近所迷惑になるよ?」
何故こいつらまでついてきている?
確か俺は寝ている二人を置いて出てきたはずだ。明らかにグッスリ眠っていた。寝てるなら無理に起こさなくて良いだろうと思ってそっと抜け出してきたのに……。
「どうしたの槙。難しい顔して」
「お前ら泊まりに来すぎだろって内心思ってた」
「良いじゃん疎遠より」
それはそうだろうが……。
「ところで槙。どこに行くの?」
「特に無いけど」
「この時間だと未成年はゲーセン入れないよ?」
「特に無いって言ってるだろ」
俺の配役をツッコミに戻そうとするな。ボケて樂振り回してた方が楽しいんだから。
「……なんか酷い事考えてない?」
「気のせいだろ」
「怪しいなあ……」
「てかお前ら眠くないのか?こんな時間だけど」
「世の中にはもっと遅い時間に寝てる高校生がいるんだよ」
「そんな話してない。“柚”と“樂”っていう個人の話をしているんだ」
「うーん……今日は眠くないかな」
「私もそうだね。夕方に寝てたし」
…………思い出した。
こいつら寝てた。
いつからいたのか知らないが、俺が目を覚ましたら俺を挟むように隣で寝ていた。わざわざ隣で寝なくても良いだろうに。
この二人も俺とほぼ同じ生活サイクルだからな。同じような時間寝ていたら今眠くないのも当然と言えるだろう。
「で、どこに行くの?」
「適当に散歩して帰る」
「例の場所まで行くかい?」
「ちょっと遠いだろ……」
……まぁ、三人で夜の散歩というのも悪くない。
樂「でも明日起きれるかな?」
槙「どうせ休みだからな……」




