第五話 初陣
「カイ、お前は一ヶ月俺との特訓を経て強くなった。俺が保証する。だが実戦で力を発揮できなければ訓練の意味などない。」
「今回のテストの内容を発表する。カイ、お前は1人でオークの群れを討伐しろ。テストは2日後、ギルドには俺から話を通してある。」
「わかった。」
オークの群れは、本来cランクパーティーがパーティーを組んで討伐するレベルだ。
オーク自体は、Dランク冒険者1人でも討伐できるほど弱い。だがオークの群れとなうと話は別だ。
群れのボスであるオークロードは、単独での戦闘力では、オークの5体分に比例する。
だがオークロードの特筆するべき点はそこではない。
オークロードは、配下のオークに指示を出し、それまでただの有象無象だったオーク達が、意思を持って行動するようになる。
これによりオークの群れは、cランク相当の討伐対象となるようだ。
ーーー2日後ーーー
冒険者ギルドから1時間ほど歩いた場所にある森に僕たちは向かった。
そこは、初心者パーティーの経験を積むためよく活用されたりしている。
だが1人で群れに挑む奴などは、そうそういないらしい。
ノーツはあらかじめ見つけていたオークの群れのところに僕を連れて行き、改めて試験内容を説明した。
「今回の試験はオークの群れ及びオークロードの討伐だ。」
「もし試験中続行が不可能と判断したときには、俺がオークロードの対処にあたる。その時は、失敗となり推薦の話は無しだ。わかったか。カイ」
「うん。じゃあ行ってくる。」
ノーツにそう言葉を残して、オークの群れのいる方角へ、僕は足を踏み出した。
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オークの群れを発見した。
目算では8体ほどそして、ボスであるオークロードは、どうやら家の中にいるようだ。
僕は、瞬時に作戦を組み立てた。
(まず、配下のオークを、オークロードに気づかれぬように排除する。
だからあまり派手な魔法は使えない。そして、万が一オークロードに気づかれた場合は、マジックスモークを使って真っ先にオークロードを始末する。)
この一ヶ月、ノーツは僕にいろいろなことを教えてくれた。
まず彼が教えてくれたのは刃物の扱いだ。
僕は、小柄なうえ膂力もあまりないため彼は剣ではなく、小型のナイフを使ってはどうだ、というアドバイスをくれた。
アドバイスを聞いて僕は、魔法の訓練と並行して刃物の扱いの練習をした。
「さあ、狩りの時間だ!」
僕はまず、オークが集まっている中心部から離れた、二匹を見つけ処理に移った。
その後、水と雷を混ぜた魔術で敵を痺れさせ、瞬く間に、二本のナイフで敵の喉を掻き切った。
(どうやらまだ気づかれていないようだ。)
その後、また群れから離れる個体がいないか観察していたところ、予想外の展開が起きた。
オークロードが表に出てきたのだ。
オークロードは配下たちに何かを伝えているようだった。
そして、オークロードが突然咆哮を始めた。
その声は、森中に轟き、当然僕も耳を塞ぐしかなかった…
どうやらオークロードにより、襲撃を察知されてしまっていたらしい。
オーク達が瞬く間に、自分の周囲へと隊列を組み、突撃してきた。
僕は咄嗟に、
「大地よ、大煙を起こし、迷いを起こせ!!」<第三層 マジックスモーク>と唱え、
オーク達の意識の撹乱を成功させた。
その後風魔法で、三匹始末し、残りはオークロードの周囲を取り囲む三匹のオークとオークロードのみだ。
(なかなか配下達がオークロードの周囲を離れない、やはり不意打ちが警戒されている。どうするべきだ…?)
そして、僕はある一つの作戦を思いついた。
ノーツ戦から獲た着想をもとにし、逆に上に意識を向けさせる作戦で行こうと思った。
一本のナイフに炎属性を付与し、オークロードの頭上にナイフを投擲する。
その後上に意識が向いた一瞬で、配下の二匹を残りのナイフで、始末する。
その後オークロードは、遠距離から火、風、雷の三属性混合魔法で、攻撃し続け疲弊したところを狩ることにした。
(行くぞ…!!)
僕は、オークロードにナイフを投擲するとほぼ同時に、突撃を開始し二匹のオークを狩ることに成功し、一度撤退した。
(配下がいなくなれば、ただの少し強いオークだ!)
配下を失ったオークロードは、僕の魔法を受け続け、疲弊し、そこを僕はマジックスモークからのコンボで刈り取った。
(気づかれた時は、マジで死ぬかと思った…..)
「よくやった!」とノーツは木陰から嬉しそうに飛び出してきた。
「オークロードの強みを潰す作戦、とても良かったよ!!」
「約束どうり、君をギルドに推薦しよう….!」




