第四話 意外な結末
ノーツはソフィーほどの強さはないにしても、かなりの実力者だ。
しかもこの1年で成長もしているはずだ。
だから一瞬で決めるしか、勝ち目はないだろう。
「ごめん、誰か審判頼めるかな?」ノーツがそういうと、昔僕にソフィーの魔術の解説をしてくれたおじさんが名乗りをあげた。
おじさんは、中央に来るなり僕の方を見たが、何も言わなかった。
『今から決闘を始める!!』
「ノーツは、少年が待ったといわせたら勝ち、少年はノーツに一撃でも入れたら勝利だ。相違ないな?」
「ああ、大丈夫だ。」
『『開始!!!』』
ノーツが魔術の詠唱を始めたのち、僕はすぐさまマジックスモークの発動準備を始めた。
自分で考えた魔術なので、詠唱は短めのものにした。
いつかはソフィーのように無詠唱で使えるようになりたいものだ …
「大地よ!大煙を起こし、迷いを起こせ!」<第三層 マジックスモーク>
詠唱をしていたノーツは突如魔力反応が大量に発生し、混乱していた。
だが彼はすぐに、高火力魔法の詠唱をやめ、
短時間で発動できる低級炎魔術を自身の周囲にまとわせ、再度詠唱を開始した。
僕は、横方面からの攻撃を諦め、上からの攻撃を決意した。
だが上から攻撃しようとする際、煙から一瞬出てしまう。
その隙に攻撃されてしまえば勝ち目はないだろう。
(さてどうしたものか…) 数秒考えたのち、一つの作戦に思い至る。
作戦は、自身の足元に風の足場を作り、跳躍するそして、それと同時に、スモークに雷魔術をかけ、ノーツの動きを封じる、そして上から攻撃だ。
(我ながらいい作戦だ…)
(さて、いっちょやりますか!!)
僕は作戦通り、風の足場を作り、電流を流した、そして煙をぬけノーツの頭上へと辿り着く
「いける…!!」そこで僕の意識は途切れた。
次に目が覚めると、首あたりにかなりの痛みが走った。
「お!起きたか、わりぃ悪りぃ、まさか上から来るとは思ってなかったから、咄嗟にたたいちまった!いきなりだったもんだから手加減できなくてごめんな。」
そういって彼は僕に治癒魔術をかけてくれた。
「何で電流をかけても動けたの!!」
僕は自身の切り札が通用せず、かなりしょぼくれていた。
「だってあんな電流、マッサージぐらいの電圧しかなかったぜ!?」
「カイは、広範囲に魔術かけたことなかったんじゃないか、ソフィアさんは教えてくれなかったのか?」
師匠のことをからかってきたので僕はノーツのことをポコポコ叩いた。
「ちょ、ごめんって…冗談だよソフィアさんの凄さは、俺もよく知ってる。」
「それにしても、あの煙の魔術、あれすごい面白かった。」
「正直もっと対応が遅れてたら、俺も危なかったかもしれない。」
「だが、今すぐに推薦できるか、と言われれば答えはNOなんだが…1ヶ月俺のところで、特訓して俺のテストに合格したら、推薦してやる。」
そこから一ヶ月僕とノーツの特訓が始まった。
ノーツはどうやら自身の冒険者稼業の合間に特訓してくれている。
彼も新進気鋭のBランクパーティーのリーダーを努めていて、忙しいはずなのに合間を縫って特訓してくれる。
彼はかなり面倒見がいいようだ…
彼の特訓は、ソフィーの特訓とはまた一味違ったものが多く、どちらかといえばフィジカル重視の訓練が多かった。
そんなこんなで一ヶ月が過ぎ、ノーツのテストの日がやってきた。




