↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
36/37

まとめるとね

「それと、殺されるかもしれない、という恐怖。あなた、誰かに真剣に『殺すぞ』と言われたことある? そのとき人間には、恐怖心のほかに、闘争心も芽生えるのよ。相手を殺してやるってね。正当防衛、という言葉があるでしょう。自分が殺されるかもしれないとき、相手を殺しても、大きな罪には問われない。人間の本能として当然の反応だし、社会的にも認められている。殺されるくらいなら殺してやる。神崎はそうすぐに思っていたけど、自然なことなのよ。そして誰もが殺しへの抵抗感が小さくなっていたわ」

「確かに、そうなる気持ちも、分からなくはないな」

 健は煙を吐く。

「そして最後に、殺人の事前知識を与えることよ」

「事前知識、というと毒物か?」

「そうね。これは単純で簡単。ミステリー小説や、サスペンスの映画をおすすめとして紹介して、毒物を扱うシーンを繰り返し見せればいい。自然と、知識と扱い方が身につく。あとは、用意しておいた本物のトリカブトを皆に見せてあげれば十分。みんな驚いていたけど、内心では、チャンスだと思っていたはずよ」

「……毒殺なら、誰でも簡単に相手を殺せるということか」

「例外は黒木。彼は元医学部で、人体に刃物を入れることに慣れている。だから、アイスピックは目立つところに置いておいたわ」

「なるほどな」

「まとめるとね。まず、狂った人間を集めて、密室に閉じ込めます。次に、飢餓状態にさせます。さらに、殺される恐怖を突きつけます。最後に、殺しの知識と道具を与えます。──そうすれば殺し合うのよ」

 氷室は、まるで実験が成功したかのように、半分楽しげに解説した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。