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選ぶ側のつもりだった令嬢の末路  作者: 朝山 みどり


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02 潰してやったけど……


最近、成金どもが目障りだった。

だから、適当に一つ、潰してやろうと思っていた。


見つけたのが――あの家だ。


最初は、ただの暇つぶしのつもりだった。

だが、一緒に過ごしてみれば、それなりに面白かった。


だから、そのままでもよかった。


……向こうが、踏み越えてこなければ。


やってくれた。

こちらの線を、平然と越えてきた。


なら、話は簡単だ。

容赦なく潰すだけ。


手広くやっていた商会も、あっという間に縮んだ。

取引は止まり、信用は落ち、気づけば――元の路地裏だ。


一度、様子を見に行った。


落ちぶれて、惨めにやっているかと思ったが――違った。


「野菜は娘の嫁ぎ先から回してもらってるんですよ」


「菓子もね、あの子のところで作ったやつで」


……なるほど。


細くなったが、流れは切れていない。

むしろ、無駄が削げて、綺麗に回っている。


娘は店先に立ち、笑っていた。

看板娘としては、悪くない。


――さすがに、商売は上手い。


しばらく見て、踵を返した。


潰したはずなのに、あれはあれで成り立っている。


……まあ、いいか。


なんだか――

いいことをしたような気分になった。


◇◆◇◆◇

春の避暑地でと同じ世界感のおはなしです。


春の避暑地で https://ncode.syosetu.com/n2518lx/



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