契約その243 Beach sideの美少女達!
―――ハワイ ワイキキビーチ―――
「すげェ!海が透き通ってるぞ!」
ワイキキビーチを訪れたユニ達は、まずその海のキレイさに驚いた。
そんなユニ達に、エリーが言う。
「わたくしが場所の設営をやりますので、皆さんはぜひ楽しんで下さい。どの道わたくしは長時間海水には浸かれませんので」
一応全身に防水加工がしてあるエリーだが、長時間の水辺での活動は想定されておらず、重大なバグを起こす可能性があった。
だからこそ、エリーは留守番を申し出たのだが……。
「……」
ユニ達は、何も言わずにビーチパラソルやレジャーシートを準備しようとする。
「皆さん……どうして……。わたくし一人に任せた方が……」
「キミ一人には任せないよ」
ユニが笑顔で言う。
「そそ!それにウチ達は日焼け止め塗るし!設営しなきゃ遊びには行けないよ!」
アゲハも同調する。
「皆さん……」
そして紫音は、エリーに歯磨き粉の様な謎のチューブを示しながらこう言う。
「それにこの『防水オイル』を塗れば、今日一日は水による影響を考えずに活動できるぞ」
「マスター……ありがとうございます!」
お礼を言うエリーの姿に、ユニ達は温かい気持ちになるのであった。
そしてみんなでスペースの準備をするユニ達。みんなでやればすぐに終わった。
オイルを塗り、早速みんなと海へ行こうとするユニ。
だが、藤香、萌絵、丁井先生、エリーの四人はパラソルの下で涼んでいる様だ。
「あれ?行かないんですか?」
その事に気づいたユニが丁井先生に聞く。
「ああ。どの道荷物は誰かが見ておかないといけないだろ?少し休んでから行くよ」
「こっちもこっちで楽しんでるから」
丁井先生と藤香がそう言ってくれたので、ユニは海の方へ駆け出して行った。
「あまり遠くへ行くなよー!」という丁井先生の言葉を背中に受けながら。
「おーいみんなお待たせー!」
ユニはそう言いながらみんなと合流した。
「遅いよ姉さん!これからビーチバレーするんだけど!」
「ビーチというか水上ですが……」
みすかがボソッと呟く。
「参加するよ!勿論!」
こうして、ユニ達の間で、ビーチバレーという名のただのボール遊びが始まったのであった。
ワイキキの海に、ユニ達の笑顔が輝く。
だが別の意味で笑顔を輝かせていた少女がいた。モミである。
「ぬおおお……多いですねビーチボールが……弾んでます……米国おっぱいもいいですがやはり……」
モミが言いかけたその時である。
「モミ!ボール行ったよ!」
ヒナが叫ぶ。
「ふえ……?」
ビーチボールがベチッという軽い音を立ててモミの顔面に当たった。
「わっとと……いて……」
そのままモミはザブンと水の中で尻餅をついてしまった。
「あらら……大丈夫?」
ユニは駆け寄り、モミに手を差し出す。モミはその手を掴むと、立ち上がってこう言う。
「はい大丈夫……です!いやそんな事より……その……ユニさん、益々おっぱいが大きくなった様な……」
モミに指摘され、ユニは思わず自分の胸を見た。
「そ……そうかな……確かにこの前買った水着はキツくて買い替えたけどさ……」
「この前測った時はHカップあったよ」
「え……えいち!?」
アゲハの言葉に、彼女達は赤面する。
「成程Hカップ……これは脳内情報をアップデートしなくてはなりませんね……」
うむうむと頷きながらモミは呟く。
「おれの体は女性として成長を続けてるんだっけ?」
ユニがルーシーに聞く。
「ああ。男性の時と関係なく、女性のお前として成長しているはずだ」
頷きながらルーシーが答えるのであった。
一方その頃、ビーチパラソルの下で休憩している四人。
やはり日本人は多く、丁井先生とエリーは自分に惹かれてくる日本人のナンパを鬱陶しく思っていた。
「本当に面倒くさいな……」
「はい、面倒くさいと思います」
ジュースを飲みながら愚痴る二人。
それを見て、藤香は何となく煮え切らない様子である。
「僕達に一切声がかからないのが何かイヤだな……」
藤香がぼやく。
仮に声をかけてくる男性がいたとして、それに応える事はしないつもりだが、目の前で丁井先生がナンパされている所を何度も見させられるのは何とも複雑である。
「萌絵、僕達には女性的魅力ってのが足りないのかな」
「いえ、これからだと思います。これから成長していくんです。きっと」
「だといいけど……」
滅多に外に出ない自分の体が成長する事はあるのだろうか。
一度七海の早朝ランニングにつき合おうかと藤香ら思うのであった。
そんな中、エリーは自分の体内時計を確認してこう言う。
「そろそろお昼の時間ですね。混む事を考えて、今から行った方がいいでしょう。丁井先生、荷物を見ていて下さいませ」
「おう。行ってら」
エリーは萌絵と藤香を伴ってその場を離れるのであった。
一人になった丁井先生は、そのまま横になる。そよ風が気持ちよく、長旅もあってかそのままうたた寝をしてしまった。
なので、自分の元にやってくる魔の手に、彼女は気づかなかった。
「そろそろお昼だし、戻ろうか。四人だけにお昼の準備をさせるのも悪いし」
しばらく遊んでいたユニ達だったが、お昼になったのでビーチパラソルの場所へ戻る事にした。
その時である。
「ぎゃあああ〜〜!」
誰かの叫び声が聞こえた。
「この声は!」
ユニ達には聞き覚えのある叫び声。間違いなく丁井先生のものだった。
「きっと何かあったんだ!急ごう!」
急いで戻るユニ達。
だがこれは、いずれ起こる大事件の、そのほんの序章に過ぎなかったのである。
悪魔との契約条項 第二百四十三条
契約によって異性のものになった契約者の体は、その異性として成長していく。




