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契約その222 Fallen Angelの目的!

 アザエルを連れて帰宅したユニ。それを、ルーシーが明るく出迎えた。


「ああおかえり。それとその女の子は……」


「天上・ド・アザエルだ!よろしくな、ルーシー臣下」


 アザエルが挨拶をする。


「し……臣下!?」


 いきなり臣下呼ばわりされた事に、ルーシーは動揺する。


「と……とりあえずおれの部屋へ行こうか……。それとルーシーも来て欲しい」


 二人がトラブルを起こさない様に気を遣いながら、ユニは二人を促した。


 自分の部屋へ来たユニは、二人の為にイスを用意し、自分はベッドの上へ座った。


「まず最初に、わからない事があるんだ」


 単刀直入、ユニはアザエルに聞いた。


「公園に住む程生活に困窮しているキミが、なぜ高校に通おうとしたんだ?高校だってタダじゃない。その上働ける時間も減るから悪い事しかないはずだ」


 その質問を聞いたアザエルは、少し食い気味にこう言う。


「成程、当然の疑問だな。答えは単純で、晴夢学園高校に通う事、それがおれ様の目的に直結するからだ」


「目的?」


 ユニが首を傾げる。


「聞きたい事は色々あるけど……その目的っていうのは一体何なの?」


 ルーシーが聞く。


 二人に、アザエルは低い声で言う。


「神への『復讐』だ!」


「復讐!?」


 二人は声を合わせて驚いた。


「おれは『ラファエル』の仲間じゃなかった。なのに地上へ堕とされた。神に復讐を誓うのは、ごく自然な事じゃないか?」


 確かに、仮に冤罪だとするなら神を恨んでも仕方がない。


「その為に、おれ達を利用しようって言うんだな?」


 ルーシーが言う。


 その指摘に、アザエルはゆっくりと頷いた。


「そう思ってくれて構わない……」


 そう言うアザエルに、ユニがさらに質問する。


「成程、キミの目的はわかった。でもそれが、晴夢学園に通う事に直結するっていうのは、一体どうしてなんだ?」


「それは……キミ達がいるからだ」


 アザエルはしっかりと前を見据えて言った。


「おれ達が……?」


 そう呟くユニに、アザエルは頷きながら話を続ける。


「さっき言った通り、おれ様の目的は神への復讐だ。だから神との因縁があるお前らのいる学校へと転校してきた。それと……」


「……」


 ユニ達は唾を飲み込みながらアザエルの言葉を黙って聞いていた。


「この前、瀬楠由衣がこの家を訪れただろう。あれもおれ様の差し金だ。ここでしっかりと神との因縁をあいつの口から伝えるべきだと思ったから」


 つまり、彼女はユニ達が知らない所でずっと暗躍していたのだ。


「おれ様を、お前らは軽蔑するか?」


 アザエルが聞く。どこかうつむいている様である。


「……いいや。そういう生き方もありだと思う。キミが幸せなら」


 ユニが言う。


「そうだな。それに、コイツと仲良くするのはおれ達にとっても利になりそうだ。また色々教えてくれよ」


 ルーシーも言った。


「でもな、女の子があんな所に住んでいるっていうのは、ちょっとどうかとおれは思うぞ」


 ユニがうーんと唸りながら言った。


「そんなにヒドい所なの?」


 ルーシーが聞くので、ユニは彼女が公園の遊具に住んでいる事を話した。


「それはさすがにな……。じゃあつまり、()()()()()だろ?」


 ルーシーが言うと、ユニは大きく頷き、アザエルにこう言う。


「アザエル。ここに住んで欲しい」


「え?」


 いきなりの同居宣言に、さすがのアザエルも面食らった様であった。


「そんな、悪いよ。ただでさえ人多いんだろ?そんな……」


「話なら聞かせて貰ったよ!」


 不意に、ユニのスマホから由理の声が聞こえた。


「え?」


 驚くアザエルに、ユニは事情を説明する。


「実はスマホを通話状態にして、これまでの話をみんなに聞いて貰ってたんだ。キミの事は最初は信用できなかったから。ダマす様な事してごめんね」


 それを聞いたアザエルは、一瞬驚いた様な顔をしたものの、またすぐにニヤリと笑ってこう言った。


「いや、いいよ。ダマして利用しようとしていたのはお互い様だからな」


「じゃあじゃあじゃあ!アザエルちゃんもユニちの事好きなの!?」


 スマホ越しからでもわかる元気な声でアゲハが聞いてきた。


「ふぇ……?」


 それを聞いたアザエルは、今度は間の抜けた返事を返した。


「いやおれ様はそんな事は……」


「それは勿体ないです!」


「悪魔でも変態でもタイムスリッパーでもロボでも!何だって惚れさせてしまうのが由仁さんですから!」


 口々に言い合う彼女達。


「いやでも……おれは堕天使だぞ?人間となんか……」


 そんなアザエルの肩を、ルーシーはポンと叩きながら言う。


「そもそも一番最初の時点で悪魔(おれ)なんだ。種族なんか、ユニの前ではもはや関係ない」


「えぇ……」


 明らかに困惑しているアザエル。


 しかしユニは違った。


「でも、別にいいんだ。アザエル。『好き』って感情は、誰に言われるでもない。自分の心に聞いてみるものだ」


 ユニはそう、諭しながらアザエルに言う。


「自分の好きか……」


 アザエルは、よしっと立ち上がりながら言う。


「悪魔との契約の結果とはいえ、お前がここまでの女の子に慕われているのは事実だ。それならユニ。おれを惚れさせてみろ!」


 アザエルは、ユニに立ち上がる様に言う。遊びに……もといデートに出かけるつもりなのである。


「お前のセンスで!おれ様をエスコートしてみろ!」


 そのままユニを連れ、玄関へと戻っていくアザエル。


「神への復讐」を目的とする彼女を、ユニは惚れさせる事ができるのだろうか。


 悪魔との契約条項 第二百二十二条

神は、あらゆる所から恨みを買っている。

読んで下さりありがとうございます。

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