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契約その209 On-lineで繋がる絆!

 修学旅行の二日目、ユニ達は奈良へやって来た。


 まず最初にユニ達が訪れたのは奈良公園である。


 公園内で売っている鹿せんべいを買い、ユニ達は早速園内にいるシカに与える事にした。


 アゲハは、前屈みになり差し出す様な形でシカにせんべいを与えてみた。


「あっはは!めちゃくちゃ食べにくる!かわいい!」


 思ったよりグイグイくるので、指までベロベロ舐められていた。


 ルーシーは、そんな鹿せんべいをシカにはあげずにじっと見つめていた。


「あのさ、ユニ」


 ルーシーは、シカを探そうとしていたユニを呼び止めるとこう聞いた。


「鹿せんべいって、人間が食べても平気なやつなんだっけ?」


「まさか食べる気でいるのか?」


 ユニは呆れながらも、シカでも食べられる様に無添加の材料で作ってあるから多分大丈夫だが、人間用じゃないから食べるのはお勧めしないと答えた。


「でも一枚だけ……」


 一枚だけ食べたルーシーは、そのすぐ後に後悔した。


「味がしねェ……パサパサする……口の水分取られる……」


 心底微妙そうな顔をしながらも、何とか食べ切った。


 その後で、やはりこれはシカに食べさせるものだと理解したルーシーは、改めてシカにせんべいを与えるのであった。


 続いてユニ達が訪れたのは東大寺である。


「あれが有名な東大寺の大仏だな」


 ユニは風月に説明する。


「大きい……初めて来ましたね」


 しかし、その大きさに風月もにわかに興奮している様である。


「そういえば、大正時代にもあるんだっけ。修学旅行」


 ユニが聞く。


「ええ。ですが行くのは伊勢神宮や、海外だと朝鮮半島や中国など……奈良はあまり行きませんでしたね」


「へー……」


 ユニは興味深そうに言った。


 次にユニ達は、薬師寺を訪れた。


「何というか、仏像ばかりでつまらないな……」


 ルーシーがぼやく。


「そうかな。興味なくとも『すごいな』とか思ったりしない?」


 ユニが言う。


「まあ、そういう気持ちはわからなくもねェけどさ、仏像たってせいぜい千年ぐらいだろ?おれなんて数千年生きるんだ」


 なので古いものがいいという気持ちが、悪魔は人間と比べても薄いのだと、ルーシーは言った。


 お昼になり、ユニ達は昼食を食べる事になった。


 見事な懐石料理である。


「うまーい!『奈良にうまいものなし』とか言うけどありゃウソだな」


 ユニが言う。


「何か食べづらい……」


 アゲハや藤香はその食べづらさに辟易している様だ。


 一方、風月は見事な所作で懐石料理を食べていった。


 風月はわけを聞かれるとこう答えた。


「あっちの時代ではよく出されましたから。懐石料理」


 懐石料理は、本来客人をお持て成しする為に作られる料理である。風月が食べていても不思議はない。


 懐石料理を食べ終わると、お土産を買う時間になる。


「家で待っている由理達には絶対必要だよな……」


 一応ユニは、事前にお土産は何がいいか聞いてきていた。


 しかし、みんな「ユニが選ぶものなら何でもいい」との事だった。


 だが、こういう時の「何でもいい」とは「何でもいい」というわけではない。


 たとえば何でもいいと言ったとはいえ、いらないゴミを渡されたら、そりゃ誰だって怒るだろう。


 ユニ自身のセンスが問われる。


 ユニは「彼女達のイメージ」で、お土産を選ぶのだった。


 お土産タイムは数時間続き、ユニ達はまたバスで京都のホテルへ帰ってきた。


 ホテルへ帰ってしばらくすると、晩ご飯の時間になる。


 晩ご飯の前に、丁井先生から前日に消灯時間を破った者がいるという話があった。


 生徒達の間に「やっぱりか……」とでも言いたげな雰囲気が流れる。


 ユニ達は、心なしか自分達に視線が集まっている様な気がしていた。


「まあ気持ちはわかるし、あまりこういう話は言いたくはないんだが……あまりハメは外しすぎない様にな」


 忠告が終わり、クラスごとにいただきますの挨拶をした。

 晩ご飯は京料理バイキングである。


「あまり京料理でバイキングって聞かないけどな……」


 ユニはそう言いつつも完食していた。


 前日の事もあり、別部屋への立ち入り禁止を生徒達は宣告された。


 どうやらユニ達以外にもハメを外しすぎた者達がいたらしい。


 だが手はある。


 ユニ達は、携帯のメッセージの通話機能を使う事にした。


 電話になると、一対一のコミュニケーションしか取れないが、この機能なら全員と一度に連絡を取る事が可能である。


「ごめんね。みんなと話すから」


 ユニは、一応ルームメイト達に断りを入れると、通話に参加した。


「もしもし?」


「あ!姉さん!久しぶり!」


 真っ先に声を上げたのは由理だった。


 当たり前だが、通話機能ならこの場にいなくとも関係ない。


 一度みんなでオンラインで繋がろうという話になったのである。


「久しぶりですわ」


 どれみは、このタイミングを利用して一旦実家に帰っているらしい。紫音やエリーもそれについて行っている様だ。


 そして最後にまだスマホに慣れない風月が参加し、ここでようやく全員が揃った。


「いやー色々あってね……」


 そこで話されるのは他愛のない話。いつもと変わらぬ日常が、オンライン上で展開されていた。


 いつの間にか消灯時間となる。さすがに二日連続で破るわけにはいかない。


 ユニ達は部屋の電気を消し、またそれぞれの眠りにつくのだった。


 明日は、いよいよ修学旅行の最終日である。


 悪魔との契約条項 第二百九条

悪魔は、歴史にロマンを感じづらい。

読んで下さりありがとうございます。

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