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契約その206 ユニの四人のroom mateと元キツネ!

 ―――京都駅前―――


 人通りの激しい場所なので、ユニはホバーボードを降りて歩きで向かう事にした。


 ホバーボードを降りると、早速ユニはルーシーに電話を入れる。


「もしもし?おれだ。男がどこにいるかわかる?」


 ユニに聞かれたルーシーは、男の現在地をユニに伝える。


「駅前で立ち止まってる。たぶん見えるんじゃないか?」


 ルーシーによく探してみろと言われたので、ユニは改めて辺りを見渡す。


 すると、明らかに挙動不審な男を見つけた。キツネのお面は被ってないが、さすがにどこかに捨ててしまっただろう。


 何より、背中にみたらしらしき染みがついている。間違いなく七海がつけたものだった。


 ユニは、男に気づかれない様に近づき、肩を叩いてこう言う。


「お前、財布盗んだだろ」


 男がビクッとした。どうやら図星らしい。


 ユニは、そこでさらに畳みかける。


「盗品の中に、おれの友達の財布があるんだ。二つな。それらを素直に返すなら、悪い様にはしない。警察には突き出すけど」


 そうユニが言った、まさにその時である。


 ユニの一瞬の隙をつき、男が脱兎の如く逃げ出した。


「しまった!」


 しかし問題はない。ユニはホバーボードを男に追いついていける速度まで調節し、人気のない所に来てから全速力。


 当然男は、なす術もなく捕まった。


 男を空中に吊り上げ、ユニは問う。


「なぜこんな事をするんだ。ウソ言ってもムダだし、返答次第でこの手を離すぞ」


 ユニを乗せたホバーボードは、3m程の高さに浮いている。下はコンクリート。


 死にはしないだろうが、落ちれば重傷は免れない高さである。


「ハアハア……スリルさ……楽しかったぞ。宝石店から宝石を万引きできた時なんかは特に……」


「スリルか……?スリルでおれの彼女に手ェ出したのか?」


 ユニの語気が強くなる。


「ハハ……そういう事になるな……だが対したスリルは得られなかったが……」


 するとユニは、一気にホバーボードを急上昇させる。


 地面が遠く見える所まで上昇してから言った。


「気が変わった」


「は?」


「ここは100mの上空だ。ここからお前を落とす」


 それを聞いた男は、途端に驚き、命乞いを始めた。


「そんな……そんな事やったら死んじまうじゃねェか!」


「それはおれ次第だ」


「やっやめ……」


 命乞いをする男に、ユニは思い切り息を吸うとこう言った。


「お前は!絶対に許さない!」


 ユニはパッと一思いに手を離した。


「うわああああああああ……!」


 木の葉の様に回転しながら落ちていく男。


 その体を、ユニは地面に着く直前で受け止めた。


 男は無傷だった。


「自分の激情に駆られて人を傷つけたなら、お前と一緒になっちゃうからな。でも、自分の罪のケジメはつけて貰うぞ」


 ユニは、気絶した男を抱えながら呟いた。


 その後、ユニは男の額に「スリ犯」と大きく書かれた紙を貼り、持っていたタオル縛った後で交番の前に放置した。


 これで解決である。


 改めて、ユニはルーシーに電話をかける。


「もしもし?こっちは全部済んだよ」


 ルーシー曰く、もうホテルの方へ着いているというので、ユニは慌ててホテルの方へ向かうのだった。


 今日泊まるホテルは、普通のホテルといった雰囲気だった。


 入り口前まで来てみると、「晴夢学園高校修学旅行生貸切」という紙が貼られていた。


 どうやらこのホテル全てを貸し切っているらしい。火殿グループの系列ホテルだからできた荒技である。


 この時間は、チェックインを済ませ、各自夕食まで待機(実質自由時間)という事になっているはずだ。


 ユニは、恐る恐る入り口の自動ドアまで来た。


 ゆっくりと開く自動ドア。ロビーには、職員室というていで教職員の方々が集まっていた。


 点呼の時に唯一いなかったユニが来た事に教職員達は驚き、そして安堵した様な表情をした。


「おい瀬楠!修学旅行中は団体行動を守れとあれ程……」


「まあ待って下さい竹中先生」


 怒る学年主任の竹中先生を遮り、丁井先生がユニの前に立つ。


 バシィー……ン!


 ユニの頬が強く鳴った。丁井先生がユニに平手打ちしたのだ。


 その光景に、竹中先生を含めた教職員達は驚愕した。


「何のつもりですか!教師が生徒に暴力など……!教師全体の品格が……」


「品格の為に教師やってるわけじゃありませんから」


 あくまで品格の心配をする竹中先生に丁井先生はピシャリと言い放ってから、ユニを思い切り抱きしめた。


「バカ野郎……!何かあってからじゃ遅いんだよ……!だってお前は……私の……」


 丁井先生は涙ながらに、声を絞り出しながら言う。


 ユニはそれに、ただ謝るしかできなかった。



 その後、どうにか許されたユニは、改めて今回泊まる部屋に一人でやって来た。


 ユニの荷物などはルーシーが運んでくれたらしい。後でお礼をしないといけないと、ユニは心に決めた。


 部屋は一部屋五人。女子は一クラス四つのグループに分かれる事になる。


 となると、ユニと同部屋になれるのは四人というわけである。


 メンバーが決まるまでには、壮絶な彼女同士の争いが起こっていた。


 ルーシーは自分とユニはダブル主人公みたいな所があるから同室だろうと言い出し、七海は自分とユニの付き合いの長さを引き合いに出す。


 そして藤香は七海の作中の出番の少なさを指摘し出し、いよいよ収拾がつかなくなった。


 そこで丁井先生が提示したのがくじ引きであった。


「確かに公平ではあるけど……まさかこんな組み合わせになるとは……」


 ユニはぼやきつつも、部屋のドアノブに手をかけるのであった。


 悪魔との契約条項 第二百六条

この世界には、怒らせてはいけない者がいる。

読んで下さりありがとうございます。

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