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契約その205 大江戸キツネ狩りgame!

 早速ユニ達は事務所にやって来た。


「あのー……すみませーん……」


 ユニ達は恐る恐る事務所のドアを開く。


 しかし、何やら事務所が騒がしい。


 すると、一人の男性従業員がユニ達の存在に気づいて話しかけて来た。


「あれ?お客さん?」


 ユニ達は、ここで何があったのかを聞いた。


「実は『大捕物ゲーム』に使うキツネのお面がなくなってしまって……それで今必死に探している所なんですが……」


「キツネのお面……!」


 その言葉にハッとしたユニ達は、男性従業員に七海とモミがそのキツネのお面を被った人物に財布を盗まれた旨を伝えた。


「ぬ……盗まれた!?財布を!?それは失礼しました!園内の盗難は園の責任ですので弁償を……」


「いやだから、おれ達は男がキツネのお面を盗んで犯行に及んでいると考えているんです」


 キツネのお面を、ただのコスプレ道具だと犯人が思っているのなら辻褄が合う。


 そもそも事情を知っていれば、わざわざそんな大勢から狙われる様な格好なんてしないだろう。


 そんな中、スマホを見ていたアゲハがある事に気づいた。


「ねえこれ見てよ」


 アゲハが見せたのはネットニュース記事である。


「『スリ、万引き、サギ常習犯角江英雄(すみえひでお)が京都市内を逃走中。行方がわからなくなっている』だって?」


 記事には、その男の身体的特徴も書かれていた。


 それを見た七海とモミは声を上げて驚く。


「この男だ!さっき私が取り逃がしたのは!」


「はい!見覚えがあります!」


 つまり、警察から逃げていたこの男が園内に侵入し、キツネのお面を盗んだ上で犯行に及んでいたという事である。


 早速ユニ達は警察へ通報、大規模な包囲網が形成される事となった。


「でもよ、所詮はスリや万引きだろ?それにここまで派手な包囲網築き上げるのかなあ?」


 園の外から、ルーシーは警察官が慌ただしく出入りしている様子を見ながら言った。


「盗んだものがものらしい。1000万円以上もする貴金属を盗んだんだとか。それだけ社会の関心は高いんだ」


 ユニが説明した。


 当たり前だが、あくまで一般人であるユニ達は、捜査に入る事はできない。


 こうなっては園内で遊ぶ事もできないので、バスが来るまで一旦待機という話になっていた。


 盗られた二人のお金も、園側が弁償してくれた。あとは男が逮捕されるのを待つだけである。


バスの中で待っている中、ユニはこう呟く。


「おれがそいつなら、お金を盗り次第、とっとと園内から逃げ出してるな」


 こうして警察の包囲網が完成するまで、素直に園内に留まっているはずがないというのが、ユニの推測である。


「そもそも、備え付けの防犯カメラなんかを見れば逃げてるか逃げないかぐらいわかるだろ」


 ユニの言う通りである。実際には、この包囲網はただのフェイクであり、警察はすでに捜査の手を園外に伸ばしていた。


 防犯カメラに、キツネのお面らしきものを被った男がフェンスを乗り越えて逃げる様子が確認されたからである。


 こうなっては、犯人が捕まるのも時間の問題だろう。


 そんな中、ユニは七海がウェットティッシュで必死に指を拭いているのを見つけ、聞いてみた。


「何やってんの?」


「ああこれ?結局トイレで手を洗えなかったからさ、園内にも入れないし、これで拭いてるの」


 七海は、みたらしが指についたのをトイレで洗おうとしていた事をユニに伝えた。


「だからみたらしがついた手で犯人の服を触って……」


 その時、七海はハッとした。


「そうだった!犯人の服にはみたらしがついてるんだ!甘過ぎて虫が寄ってくるタイプの!」


 あの時、七海は犯人の背中を触って捕まえようとした。袖ならともかく、背中をみたらしで汚している人はいないだろう。


「それ洗ってる可能性はない?」


 ルーシーが聞く。


「勿論その可能性はあるけど、そこまで気が回らない程追い詰められてる可能性もあるから」


 ユニはそう言うと、ルーシーに聞いてみた。


「犯人の居場所を探す方法はないか?悪魔の力で」


 ルーシーは少し唸ると、例えば写真などの唯一無二のものに紐づけて探す事は可能だと答えた。


「ではモミの財布を探して下さい。財布の中にはみんなの写真が入っているはずですから」


 それなら可能だとルーシーは言い、早速悪魔の力を使って探してみた。


「見えたぞ!現在地は京都駅前だ!中に入ろうとしてるみたいだな」


 という事は、電車に乗って逃げる気だろうか。だとしたら、もはや警察に連絡をしている時間はないだろう。


「わかった。おれが行く。ここからなら、ホバーボードで飛ばせばすぐだ」


 ユニは、自分のリュックから手のひらサイズの正方形の板を取り出す。ボタンを押すと、伸びてホバーボードの形になった。


 出かける前に持ち運びがしやすい様に紫音が改造してくれたのである。


「おれが行くって……もうバス来ちゃうぞ!?」


 ルーシーはそう言うが、止めても聞かない事は勿論わかっていた。


「わかった。ホテルの場所はわかるか?バスに乗ってくる丁井先生にはこっちが伝えとくから……」


「ありがとう」


 ユニはそう言い残すと、ホバーボードで走り去っていった。


(あいつは七海を振り切る程の男だ。決して油断はするなよ……)


 ルーシーは心の中で祈るのであった。



「絶対に……絶対に許さねェ!」


 ホバーボードに乗って現場に向かう中、ユニの体からふつふつとオーラの様なものが流れていた。


 悪魔との契約条項 第二百五条

悪魔の力は、もの探しにも使える。

読んで下さりありがとうございます。

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