88通信魔法の特許と彼の国だけ使用不可の条件を入れられていても怠慢を全員受け入れたのだから取り残されるのも受け入れるしかないのだ
ざまぁ
魔法使いから婚約を破棄された。何故かと言うと、魔力が少ないからというよりないからと言う理由で全く気にならない。なぜなら転生者だから。
たかが魔法を使うだけの人間に毛が生えたやつに冷遇されようと、家族の顔をして己を差別する実父と義母と半分血のつながりのある妹がいるが、どうにもこうにも魔法が使えないというだけで無視する人たちなど同じ種族とは思えない。
なんせ、こっちは魔法のある地球から転生していてこちらの魔法などお呼びではない。
こちらはバカみたいに魔法を打ち込むだけで理論をなにも考えずに使用する。
対するこちらは魔術と呼び魔法と違う理論で使えるもの。魔法とは格が違うのだ、格が。そんな雑魚な奴らに構う自慢など無駄。無駄の極み。
「婚約者に婚約破棄されたの、聞いたわよお姉様〜」
帰ったら妹から話しかけられて同じ言葉を話していないので無視して通り過ぎる。
「無視しないでよお姉さま!無視するなんて最低なんだから!ファイアーボール!」
頭を傾げてかき消したところ「な」という顔を浮かべている。何が変なのだろう?もうこの世界の魔法の理論は把握し終えたので消せない魔法はなくなったと言ってもいい。
呆れたことにどの魔法もコピーペーストしたような魔法式しか使ってない。
マリスラは薄く笑い妹に向けて最後の挨拶をする。
「消えろ」
「ひ!?」
妹が怯える殺意に走り去る。そんなのもう無駄なのに妹は喋れなくなったから。話せなくなったものに次期当主は不可能。
いくら実父でも話せない者を貴族の家に置いておくことはできても椅子に据えるのは無理だ。なぜ今日大胆なことをしたのかというと、今日は卒業式だったから無事にマリスラの家族の家からの絶縁が叶うから。かな?
特にこれといった理由はないから適当言ってみた。興味がないからしかないよ。首をすくめると、義母には二ヶ月後に足がうまくうごかなくなり、父には半年後に声が大声になる魔術を仕掛けておいた。タイマー式。
マリスラが遠くまで言って二度と探せなくなるようにうまいこと働いてくれるに違いない。ふふ。
どうしてか?そんなの妹が使えなくなったら姉の己を当主に指名したり補佐と称した今までのような執務丸投げをやれと言われるに違いないし?
今日すんなり除籍を許されたのは婚約者の男が妹と結婚する密約を結んでいたからだ。それを好奇と取り、ノリノリでサインしてたった今届けてきた。
受理されたものを受け取った。父のサイン入りで事前に通知されていたので即時処理されたのだ。嬉しい。ぴょんぴょんしてしまう。
スキップで出ていくと八ヶ月後、国経由で手紙が届いた。とにかくでたらめに送られていてなりふり構わず書いているらしいと男が笑う。エルフと呼ばれる種族に似ているので、美麗な見た目をしており周りからも常に黄色い声で話しかけられるらしい。
罪作りっていうのだがそれは。笑って受け取ると中身を見るのかと問いかけられた。
「どれだけ追い詰められているかエンタメにはいいからね?」
「君もなかなかのミーハーだね」
同じ魔導オタクの彼とは気が合う。
「なんて書いてある?」
読み終えたところでタイミングよく問われるので、くすくす笑う。
「自分たちは呪われてしまったので当主から降ろされてしまったって」
当然だ。大声でしか話せない者では仕事ができるわけが無い。というか、当主交代したらしい。したとして諦めたくないのか実の娘の存在を今更引っ張ってきてまた裏からいうことを聞かせて当主として返り咲きたいみたいだ。
そんなに承認欲求が強くて当主をよくできたなぁって不思議に思う。息を吐き楽しみがあっていい。たまには刺激がないとね?
その当主に他になれるはずの男が一人いるのだが、魔法使いの元婚約者はどこに行ったのだろう。と思ったら、エルフの彼がお家乗っ取りでとっ捕まったみたいだなとさらりと答える。
向こうの国の情報は得ていたみたい。何かいうことはないので頷く。お家乗っ取りは初回でも死刑だと思う。しかも連座だし。
どうやら元家族たちも関与していた証拠が出てきたので元父たちは処刑ではないものの様流しとか。うん、妥当。
くるりとコーヒーを作りながら、ごくりと飲む。彼らが罪に問われたのは流石に一家が色々ダメになったから捜査でも入れられたのだろう。どっちみちお家断絶ってわけではない。直系というわけでもないし?
「戻ってきてほしいって書いてある」
手紙をひらひらさせるとエルフも笑う。国の思惑で書かせられた感じもあるし、ないかもしれない。でも、なにをしても動いたりは絶対しないしなぁ。
「あなたの価値をわかってないとお見えする」
「わかったら凄い」
冷遇されているのを周りも薄っすら察していてなにもしなかったのだから、一つの家がなくなったとして自業自得。
それに、開発してみた通信魔法の特許と彼の国だけ使用不可の条件を入れられていても怠慢を全員受け入れたのだから、取り残されるのも受け入れるしかないのだ。
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