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23グラムの旋律  作者: 雨水雄
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そのXLI

自分の気持ちなんて、自分だけのものだって。

自分の気持ちがどういう形でそこに行き着くかなんてのは。

きっと、結局は死ぬときに分かるのかもしれない。


毎週日曜日に投稿してます。よろしくお願いします。

「心と魂は一緒の場所にあると思うんだよ」

初めて聞いたはずのそれは。

ひどく私を動揺させ、心拍数が限りなく強く私の血管を刺激する。

手が痺れている……。瞼が痙攣している……。

知っているはずなのに、思い出せないもどかしさが。

私の焦点を目の前の漆黒な人物から引き剥がしてくれなかった。

「なに、これ…………」

よく分からない……さっぱり理解できない……。

それなのに。

だというのに私の全身を巡る血液は未だに過剰に酸素を運んでいる。心臓がどくどくと必要以上に脈を打つ。


もし、心と魂が一緒の場所にあるというのなら。

今、私の心臓を締め付けるようなこの苦しさは心の病であり、また魂の悪巧みということなのだろうか。

もはや心と魂の違いというものが分からない。むしろ一体化しているような気もする。私の感覚では、そんなイメージしか生み出せない。


そして、そんな悠長な暇もなく。

私はそこから一歩も動かず佇んでいる黒い彼女がどんどんと視界から外れていくように見える。

いや…………違う。

これは、私が倒れているんだ……。

私はそのまま目の前が真っ黒になった。




揺蕩う目の前の景色。

些細な時間。ぼやけてなにがなにかを把握できずにいたが、そこにある明暗ははっきりと私の虹彩を刺激した。

白の基調に一際存在感を放つ黒色。

「ここからあなたは、あなたを知るのよ」

その声を放つ黒い塊はだんだんとその形状を流動的に不安定になっていく。アメーバのようにゆらゆらと歪んでいくその黒い物体はいずれ白の境界線を埋め尽くしていき、この見えてある純白の部屋を暗闇へと変貌させていく。

どんどんと、どんどんと……黒く、黒く。

そして、私を覆う鳥籠はなにもかもを漆黒へ変化した。

なにも見えない。なにも聞こえない……。

微かに頬に触れる冷気だけが、私の感覚を教えてくれる。

でも、確かに分かるのは。


もう、私が生きているものではないということだ。


さらに、それを伝えるかのように、私を包む闇夜から走馬灯のように風景が流れていく。

私の視界をロールのように過去の映像が流れていく。

私の見てきたもの。聞いてきたもの。触れてきたもの。

そして、感じてきたものが、全て一瞬にして私の前から後ろへ駆け巡っていく。


「これを見て、あなたはちゃんと見つけ出すのよ」

声だけが聞こえる。名前も誰かも分からないあの女性の声色だけが。

彼女だけが見えている。私の全てを教えてくれた全ての思い出と繋がる彼女の姿が。


そうだな……こんなにも私は会ってたんだ、彼女と。


やっぱり……それでもまだ会いたいな、愛歌あいかと。

どうも雨水雄です。

みなさん、こんばんは!

ふぅ……なんともまぁ物語もいよいよ終盤にきたかなということで、色々と構成を再構築したり、推敲を繰り返したりと手を凝らしていますが、どう完結させていくか……どうキャラが動き出してくれるかのその自由に任せようと思います。

どうか最後までお付き合いくだされば幸いです。

さて今週もここまで読んでくださりありがとうございます。

では来週もよければここで。

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