最終回・既読2
「それでは飛び込みます」左近
「うん」真田
「ダッ!」
まずは左近が穴に飛び込み・・
「ブワン・・」
「よしっ!」左近
なんだ?ふわふわと宙に浮いてるような・・
「左近息出来る!?酸素ある!?」真田
「確かに宇宙空間ぽい!」大谷
てか左近さんで様子見るのずるいなぁ・・
「大丈夫!それに!」左近
「それに?」真田
何やら遠くに・・
「未来が見えます!」左近
この穴の遠くに見える景色には、現代のビル群などが・・
きっと東京と繋がってるはず・・
そしてこの穴が閉じれば・・
「向こう側(現代)に行けます!」左近
確信もなければ、やったこともないのでわからないが、
不安や恐さを打ち消すために自分に言い聞かせてる。
「よっ、よしっ!私も!」真田
「ダッ!」
そして真田ちゃんも穴に飛び込み・・
「ブワン・・」
「よしっ!大谷ぃ!カモン!」真田
真田ちゃんも何か宙に浮いたまま、こちらに手を伸ばす。
「ふふ・・」大谷
始めて伸ばされた手。
信頼というか・・やさしさというか・・
これが・・これで始めて触れる事になる手に・・
「・・・・・・」大谷
「・・・大谷?」真田
もうっ何?恥ずかしいから早くしろよぉ!
「穴が小さくなってきてますぞ!」左近
みるみる・・とはいかないが、
すでに徐々に小さくなってきてる穴。
「大谷ぃ!」真田
きっと不安だったから手を伸ばしたんだと思う。
何か離れ離れになるような気がして・・
「そっ!・・」三成
何かずっと我慢してたような三成さんが前に出て・・
「某も未来にお供させてもらえぬでしょうか!」三成
「おお!殿も是非!」左近
「うんっ!」真田
驚愕して死になよ三成さん・・
「ぷっ・・ぷぷ・・」真田
「なぜ笑ってるでござるか?」三成
だが三成さんのような人が未来に来れば・・
「変えましょう!腐りきった現代社会を!」左近
三成さんはこの戦国ではもう死んだ身。
隠居して無駄な時間を過ごすくらいなら・・
「・・・ふむ。三成殿どうぞご自由に。」バカ息子
未来は任せ申したぞ。
「すまぬ・・では」三成
「ダッ!」
そして三成も穴へ飛び込み・・
「バン!!!!!!!」
「えっ!?」真田
「弾かれた!?」左近
何か壁が出来たように・・
「痛たたぁた・・」三成
戦国側に落ちてくる三成。
「なんだ!?」バカ息子
「くっ!なぜでござるか!?」三成
それから二度ほど試したが・・
「くっ!また弾かれ申した!」三成
「もしや・・」バカ息子
バカ息子が家臣に指示を出し・・
「い・・行きます」家臣
「行ってみろ」バカ息子
もしかして・・
「バンッ!」
「いつつつつ・・無理です!入れません。」家臣
戦国人は・・
「戦国人のままでござるか!?」三成
「・・・・・・・・」バカ息子
きっとそうなのだろう・・
いや、もしかしたらもう穴の効力が無くなったのかも・・
と思ったら・・
「ブワン!」
「早く来いって!大谷!」真田
「はは。」大谷
「ギュ・・」
やっと繋がった手・・
「出てきたで申すな真田殿・・」三成
「ふっ・・」バカ息子
現代人は出入り自由か・・
いや・・現代人は現代に帰るのだから通れるが正解か。
不思議な穴じゃな。
「さらばじゃ未来の方々」バカ息子
「左近未来を頼み申すぞ」三成
未来へ行きたかったが、それが運命なのだろう。
私はこの戦国で出来ることを全うしよう。
「小さくなってますぞ!早く!」左近
「ギュッ・・」
「ギュッ・・」
「ふふ・・」真田
「はは・・」大谷
引っ張られて行く手に、握り返した手。
二人だけが分かる秘め事のような・・
恥ずかしくもあり、うれしくもあり・・
「ダッ!」「ダッ!」
「ふぅ・・」左近
これで戦国の旅の終わり。
後僅かな数秒を噛みしめよう。
二人が飛び込み、
後は穴が閉じれば・・
「ブワン・・」「バン!!!!!!!!!!!!!」
えっ!!!?
さっきまで繋がってた手が・・
「はは・・・」大谷
「えっ!?大谷?」真田
離れ離れになった手・・
「なっ!?」バカ息子
「えっ!?」三成
明らかに・・弾かれた・・・
「えっ!?えっ!?」真田
「えっ!?」左近
理解出来ない・・脳が付いてこない・・
「はは・・無理でござるよ・・」大谷
さよなら・・・真田ちゃん・・
だって・・
「・・・戦国人は・・ずっと戦国人でござる。」大谷
「なっ!」バカ息子
「まさか!?」三成
そんな!?
「えっ!?」真田
どういうこと?
ねぇ・・大谷・・・
「ガシ!」
「えっ?」真田
ふらふらとまた戦国の方へと向かって行った私の体を、
左近が掴み静止する。
「えっ!いやっ!大谷が!」真田
「・・・・・・・・・・・」左近
左近はただ私に無言で首を振るだけ・・
「・・・スっ・・」
最後にすべて察したような重い表情で三成に会釈した左近。
「ちょっ!おおた・・・」
「いつか・・」
「ブシュン・・・」
消えて無くなる穴・・
未来への帰還。
最後にわずかに聞こえた大谷の声・・
いつか・・・
生まれ変わったら、またどこかで・・
最後に見た大谷の寂し気な顔が、
ずっと眼に焼き付いたまま・・
そして時は立ち現代東京・・
「ねぇ!用意まだぁ!?」
「もうちょい!」
本当、キレやすいんだから俺の彼女はぁ・・
でも・・
「お前、歴女ってイメージ全然ないのになぁ」
「戦国って最高におもしろい」
いや・・どうせそんなに詳しくないだろ・・
旧姓が真田なだけで、真田幸村推しとか言ってるけど・・
「よっし用意出来た行こう」
「おうっ関ヶ原へ!」
ずっと行きたかった関ヶ原
「へー!湯浅五助知ってるの!?」
「そう。そこの墓に・・」
関ヶ原各所にある名史跡を回り・・
「あったぁ!」
「おおー!」
これが・・
「忠臣湯浅五助の墓と・・」
「大谷の墓な。」
今も関ヶ原に残る、隣り合ってある大谷吉継と湯浅五助の墓
「ふふ・・」
「何?大谷の墓さわりながら気持ち悪・・」
大谷ぃ・・
元気?
墓はあるけど、どうせ戦国で元気にやってるんでしょ?
一応お前のバカ家臣の墓参りはしとこうと思ってな。
あと聞きたいことはいっぱいあるけど、もう聞けないしなぁ・・
「あっそうだ!」
1600・・・
確かこっちからはメッセージ送れるんだよな。
まだ充電残ってるかな?
結構日にち経ったけど・・
「スッ・・スッ・・」
「何?急にlineしだして・・」
lineしよう。
ま、どうせ既読1(左近)だけだろうと思うけど。
そして未来へと真田が帰還した後の戦国では・・
「大谷殿、辞世の句を・・」三成
「いえ・・」大谷
私は武士ではござらん、ただの農民の子ですので・・
「本当なら秀頼様を欺いた罪は一族郎党処刑に値するべきだぞ!」
「この偽未来人が!」
「罪なき人間も何人殺したのだ!この悪鬼が!」
「切腹などせず処刑でよいのじゃ!」
もう誰も居ない・・
この戦国に私の仲間もかばってくれる人も・・
「・・・では大谷殿、何か言い残す事はないか?」三成
まさか大谷殿が戦国人だったとは・・
人斬りを繰り返し開けた穴で、拾ったスマホで現代語の勉強・・
先に落ちてきた未来人も斬り殺したのも大谷さんだったとは・・
「では・・」大谷
もし・・ひとつだけ願うなら・・
「私の墓を・・」
関ヶ原にある五助の隣に・・
「小さくてもよいので・・」大谷
せめて自分が生きた証と・・
「ははっ・・」大谷
「なんだ!処刑前に笑いおって!」
唯一の戦国の友と側に・・
「・・・始めい」秀頼
「・・では介錯は私が」三成
ありがとう三成さん・・
そして嘘ついてごめんなさい秀頼様、
真田ちゃん・・
「・・・がふぅ!!!!!」大谷
「・・では・・」三成
「ズバッ!!!!!」
「line♪」
最後に聞こえるスマホからの音・・
「・・・・まだ持っておったか・・」三成
「三成、それはもう打ち壊すのじゃ」秀頼
最後に空いた穴からの電波・・
「スッ・・」
「・・・何をしておる三成?」秀頼
「はっ・・」三成
「バキッツ!!!」
ふっ・・真田さん無事に帰れ申したか。
最後に覗いたメッセージ・・
大谷ぃ元気してるか?
お前の墓は未来にあるけど、どうせ戦国でうまくやってるんだろ?
じゃあな!愛してたかもよ!
「強がりで申すな・・真田殿は・・」三成
でも今は・・
「・・・さて、幸村行くぞ」秀頼
「はっ鹿児島へ!急ぎまするぞ!」三成
私が一応真田幸村でござる。
花のようなる秀頼様を、鬼のようなる真田が連れて、
退きも退いたよ鹿児島へ
「すまぬな・・お主まで」秀頼
「いえっ秀頼様をお守りするのが某の役目」三成
戦国人と未来人の恋か・・
真田殿、大谷殿、
いつか生まれ変わって一緒になれればいいでござるな。
その時は・・
ずっと握ったままで離さずにおるのでござるよ。
そして・・
握った手の温もりを忘れたら、
また抱き寄せればいいだけでござる・・
1600 完
ご愛読ありがとうございました。




