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1600  作者: 火村虎太郎
決死真剣勝負編
19/25

関ヶ原に落ちる無念の涙は僅かに滲む・・


「戦況は!?」五助

「はっ。」敦賀兵


まずは秀秋が裏切り大谷隊右翼に突入


「手柄を上げろ!旗頭(大谷)の居らぬ兵など簡単よ」秀秋

「おおお!」


「くっ!やはり殿の言う通りになったか!」五助


裏切りに備えていた五助がこれに対応。

士気の高さで二度三度秀秋隊を後退さすも・・


「秀秋めっ一番容易くておいしいところを!」脇坂

「くっ!我が隊も続け!」小川

「大谷隊壊滅の響きは大手柄ぞ!」赤座

「一人残らず討ち殺せ!」朽木


これまで傍観していた、

脇坂安治、小川祐忠、赤座直保、朽木元綱ら西軍諸隊も寝がえり。

誰もがおいしい手柄に群がる状況に。


ここなら僅かな損失で、一隊壊滅という手柄を奪える。


「側面から裏切り!」

「約4000の兵!」


「なっ!」五助


動き出せばあっという間・・

さっき始まったばかりだというのに・・


(くっ・・殿ぉ・・・)五助


申し訳ありませぬ・・


「くく・・・ここかな?」家康

「・・・どうでしょう・・。」三成


高台から戦況を見ている家康と三成。

家康居らずとも動き出した関ケ原。


(確かにここだろう・・)三成


もし、家康不在でもこのまま東軍に押し切られたら・・

そのキーポイントとなるのは・・


「くっ!バラけろ!各々が生還を果たせ!」五助

「は!五助様、敦賀で会いましょう!」

「撤退だ!」


せめて全滅は・・

せめて一人でも敦賀に帰還せよ・・


遂に大谷隊壊滅。

残兵は散り散りに関ケ原から離脱を試みる。


「くそっ!秀秋殿に手柄を取られた!」

「左近隊が手薄だぞ向かえ!」


一つ落ちればどんどん東方の兵には数の余裕が出てくる


「左近様!大谷隊壊滅!」

「我が隊ももう体力が!」

「ふぅ・・・」左近


ここまでか・・我が命も・・


「チラっ・・」

後ろの三成の本陣を見れば・・


「左近殿っ狼煙があがってござります!」


左近撤退せよ・・

落ち合う場所は・・


「伊吹山に落ちるぞ」三成

「はっ」


「はっはっは」家康


あっという間に西軍敗戦。


「うおおおお!」

「手柄をあげろー!」


だが最前線の者にはそれは伝わらない。

さらに手柄を取る為の首取りも始まっている。


「その方待てい!」藤堂

「・・・・・・・」五助


それがしは・・


「藤堂高刑と申す!大谷隊、筆頭家臣湯浅五助殿っ」藤堂

「・・・藤堂高刑・・・」五助


ここまでか・・我が命も・・


「ふふ・・大谷殿は逃げられたみたいでもうすな」藤堂


ふふ・・すでに我が軍まで噂になっておる。

どの道、大谷殿は捕まれば処刑だろう。

この敗戦のきっかけをつくったのだ大谷殿は。

大谷隊の家臣達もこの結果から処刑も濃厚だ。


敗戦の責任を一番取らされるのは大谷隊・・


「我が殿は・・・」五助

「我が殿は?」藤堂


参戦後すぐにケガをし、この関ケ原で切腹・・


「参戦してたでもうすと!?では首は!?」藤堂


これしかなかろう・・

我が家臣達が生き延びるには・・

うまい芝居・・嘘を・・


「我が殿の首は・・」五助


えっと・・どういえば・・

そのぅ・・殿は、ハンセン病を患っており・・


「病み崩れた醜い顔を敵に晒すなと申し・・」五助

「ここから離れた場所に埋めたと!?」藤堂


誰がそんな戯言を信じようか・・


「・・大谷殿が居なかったのは周知の事実・・・」藤堂

「我が首では足らないでござるかっ!?」五助


「スッ・・」

五助は戦いの意思なくその場に座り込み・・


「どういう事でござるか?早く刀を抜きもうせ」藤堂


「・・・・・・・・私の首の代わりに、

 主君の首をここに埋めたことを秘して欲しい・・」五助


・・汲み取って頂きたい・・

主人の首は埋まってる事にしてほしいと。

そしてその場所は私の忠義に面して誰にも言えないと。


「敦賀にも、まだ続く明日がある為に・・」五助


一人でも生き永らえよ敦賀家臣達よ・・我が首で。


「・・・なんとも・・・あっぱれでござる・・」藤堂


これが主人に仕える侍の鏡でござろう。


「ふむ・・」藤堂


・・大谷殿は参戦していた・・それがしが見もうした。

かならずそれがしが、東方にも西方にも伝え申す・・


「では・・忠臣湯浅五助殿の首・・頂きもうす・・」藤堂


「ブワッ・・ジュワッ・・」

「うう・・ううう・・」五助


無様に・・


「くそっ!くそぉ!」五助


最後くらいは誇り高く死にたかったのに・・

汚く垂れ流す鼻水に涙。それに小便も。


「ははは!何たる様よ!将ともあろう者が!」

「黙れ・・」藤堂


藤堂の配下の者がこの五助の無様な姿を笑うが・・


「湯浅五助は、天下の豪傑であった・・」藤堂


最後も誇り高く堂々と・・

それがしが伝え申す・・末代まで。


「うわあああああああああ!」五助

「ズバッ!!!!!」


殿ぉ・・生きててください・・

そして・・未来へ


先にこの愚昧なダメ家臣・・天下無双のバカ家臣は・・

未来へ・・向かいまするでござるよ・・


はは・・

殿から見せてもらったエロ動画が忘れられ・・

・・・・・・・・・・



「・・・・・・厚く葬るのじゃ」藤堂

「はっ」家臣


この天下に鳴り響く忠臣を・・


「スっ・・」


藤堂が黙とうの為に瞳を閉じ下げた頭・・


「わぁあああ!!!」「うおぉおおお!」

「殺せぇ!」「手柄を上げろぉ!」


「ポッ・・ポツッ・・ピチャッ・・」


怒号に混じり、

自分に弾け飛んでくる血しぶきの音が切なく響く。


戦とは・・不憫でござるなぁ・・湯浅五助殿よ・・

ここには、そなたの涙以外は血の雨しか降ってござらん・・


「勝ち鬨を上げろぉ!引き上げるぞ!」藤堂


それがしが・・関ヶ原で一番の首を上げもうした・・。



敦賀四天王・筆頭家老



湯浅五助・・



関ケ原で討ち死に。


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