表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Trigger〜悪霊浄化異聞〜  作者: 藤波真夏
ヤタガラス遠方地区出張編
39/130

妖しい桜の木の下〜I can hear the voice of an evil spirit〜

妖しい桜の木の下〜I can hear the voice of an evil spirit〜



 桜の木の下には必ず死体が埋まっている。

 そんな言い伝え、いや言葉をよく耳にする。私はそんな経験したことはないけれど、桜の木にしてみればいい迷惑かもしれない。

 妙光院の化け猫伝説といい、アンギョウ地区は私の知らない神秘的な姿をチラリと見る。そんな神秘に私たちは挑まなくてはいけない。

 ヤタガラスにはある意味での後退は許されていないから。



 午前十時。シンゴウ地区。シンゴウ国際図書館の資料室。

 アンギョウ地区への出張が始まって三日が経過した。

 フウマは妙光院の化け猫伝説を詳しく調べるため、スセリを伴ってシンゴウ地区にあるシンゴウ国際図書館にやってきた。

 シンゴウ国際図書館には貸出不可の資料室がある。そこには百科事典などの大きな書物が所蔵されている。そして年代物の書物まで厳重に保管されている。貸出不可のため、情報は資料室で確認するかコピーサービスの利用をするの二択だ。

「でも、なんで私が三嶋さんについていかなきゃいけないんですか?」

「なんでって、鳴海さんが指示したんでしょ? よく考えれば、俺は浄化師でもなんでもないからねえ。いたいけな一般市民ですから」

 フウマはニヤリと笑いながらスセリの顔を見た。スセリはその表情を見て苦虫を噛んだ顔になる。スセリはフウマのことが苦手というわけではない。人間関係がうまくいっていないというわけでもない。単純にフウマの馴れ馴れしさに慣れていないだけだ。

「だったらミホとかでもいいんじゃないですか?」

「ミホちゃんよりもサトミちゃんよりも新人ちゃんは昼でも悪霊が見えるんだから、最強じゃん! だから鳴海さんが『阿部を連れてけ』って言ったんだよ」

 スセリにとっては不本意だが、リーダーであるシュンには逆らえるはずもない。だからスセリは心の中で叫んだ。

 これは渋々だ。シュンさんに言われただけだ。

 そうしなければスセリの心はなかなか納得しないのだ。

 資料室にはアンギョウ地区の歴史をまとめた書物まであり、その書物を広げてフウマと見た。そこには、おどろおどろしい化け猫の絵が描かれており、詳しい妙光院の化け猫伝説に関することが描かれていた。

 妙光院の化け猫伝説はアンギョウ地区会館にあった子供向けの絵本に書かれていたように元々のお話は妙光院の心優しい住職と住職に助けられた香という猫が登場するお話だった。

 その書物には絵本には描かれていなかったことが詳しく描かれていた。

 住職は香を妙光院に置いて檀家の家へ向かっていた。檀家での法要を終えて妙光院へ帰る途中に盗賊に襲われて命を落としてしまったという。

「お坊さんは殺されたってことですか?」

「らしいな。そりゃ恨みもするな」

 フウマとスセリは呟いた。

 住職の遺体は妙光院に近い桜の木の下に埋められた。数日後に住職をよく知る人々が発見し、丁重に棺に納め、妙光院へと戻ってきたのだという。

 猫の香が「死」を理解できたかどうかは分からない。しかし、化け猫になるほどの怨みは否定できない。

 猫の香にとって大事な人を奪われたのだ。

「妙光院の化け猫伝説のことを伝えようとしていたのかな?」

「?」

「例の私たちに警告する若い男の人の悪霊が私に言ったんです。『お寺に伝わる言い伝え。それが僕からのヒントだよ』って」

「キザかよ」

 フウマがケッと呟いた。

「もしかしたらアンギョウ地区の悪霊って・・・」

「おいおい、新人ちゃん。本当にこの化け猫の仕業って思ってるのか?! 正気か?」

「そんなことありません! ただ、私には悪霊が嘘をついてるなんて思えないんです」

 スセリにはスセリなりの根拠が存在していた。それを証明することなんてできないが、そうとしか思えないのだ。スセリの勘。それだけがスセリを突き動かしていた。

 スセリとフウマは資料をコピーしてシンゴウ国際図書館を後にした。



 午後十二時。妙光院。

 フウマは先にアンギョウ地区会館へ戻った。スセリは一度妙光院へやってきた。妙光院の中は厳かな雰囲気で息を飲む。

 どこからかお香の香りが漂う。

 すると妙光院の入り口に立派な石碑がある。その横の看板には石碑の由来が書かれていた。

 この石碑はなんと『妙光院の化け猫伝説』に登場した猫の香を可愛がっていた住職の慰霊碑だという。盗賊に殺害され、桜の木の下に埋められたのち丁重に葬られた。

 化け猫伝説が広まった頃に人々が住職の魂を慰め、そして化け猫に鎮まってほしいと慰霊碑を建てたのだという。

 スセリは慰霊碑に手を合わせた。

 すると次の瞬間!


「にゃあお・・・」


 スセリの耳に猫の鳴き声が聞こえた。スセリは驚いて周囲を見渡した。猫の姿などない。妙光院にはたくさんの植物が自生している。猫でも動けば草木が揺れて音が出る。しかし音は一切出ていない。

「にゃあ・・・」

 また猫の鳴き声が聞こえた。

 しかも猫の声は穏やかなじゃない。怒号の入る、威嚇する声だ。

 スセリはゆっくりと腰に下げられたホルスターに手を伸ばす。小型拳銃で索敵を行うためだ。ゆっくりと抜いた瞬間に安全装置が外れる音がした。やはり人ではない何者かがいると。

 スセリは小型拳銃を背中で隠して後ろ歩きで妙光院の境内から後ずさりする。さすがに妙光院という由緒ある場所で発砲するわけにはいかない。スセリは妙光院の外に出たことを確認すると小型拳銃を向けた。

 そして地面に発砲する。砕けた浄化水晶が風に乗って周辺に舞い散る。もちろん、妙光院の中にも入っていく。

 スセリはよく周囲を見渡した。すると住職の慰霊碑の後ろから黒い靄が見える。スセリはゆっくりと妙光院の境内の中へ入る。黒い靄は形を変えて、スセリの目に映った。

「にゃあ・・・」

 鳴き声が聞こえた。猫が姿を現した。真っ黒な黒猫に昼間にも関わらず、鋭い眼光をスセリに向けている。そして鋭い歯を見せて威嚇をしていた。尻尾が二又に分かれている。

 化け猫だ。

 スセリは直感した。あの伝説に登場する猫の香かもしれない。浄化することは可能ではあるが場所が悪い。スセリはこの場から退くしかなかった。今すぐこの情報を伝えなくてはいけない。

 スセリは妙光院から急いで立ち去った。

 化け猫は鳴き声をあげてスセリをじっと見ていた。スセリは妙光院近くにある桜並木の坂道まで逃げてきた。息を整えると、スセリはまた化け猫とは違う気配を感じた。

 すると、スセリの耳元に囁く声が聞こえた。


「よかった。無事で」


「?!」

 スセリは驚いて小型拳銃を向けた。するとあの若い男性の悪霊が現れた。

 スセリは驚きを隠せなかった。どうして弾丸を撃ち込んでいないのに見えているのかと。

 スセリはアズミから浄化水晶を撃ち込むことで昼間でも悪霊を見ることができる。理由は浄化水晶が砕けた破片などが周辺に舞っているから。だから浄化水晶が舞い散っていない現場では見ることはできないと思っていた。

 しかしスセリは見ることができている。悪霊のことよりも見えることに困惑してしまった。

「なんで・・・?!」

 スセリが固まっていると若い男性の悪霊がやってきた。そしてスセリに話しかけた。

「僕のこと見えてる?」

「・・・」

 スセリは言葉が出なくて、とっさに首を縦にふることで意思を示した。スセリの頭の中はプチパニックを起こしている状態だった。スセリはパニックを起こしていることを悪霊に悟られないように必死に表情を隠す。

 スセリも極限だった。

「君が怪我をしないでよかった」

「あなたがアンギョウ地区を騒がせてる悪霊なんですか?」

 スセリは若い男性の悪霊に問いかけた。すると若い男性の悪霊は少し黙った。数分後に口を開いた。

「僕じゃないよ」

「ほんと?」

「ああ。僕は嘘はつかないよ」

 スセリは若い男性の悪霊から答えを聞き出そうとした。スセリの背中には冷たい汗が滴る。ゴクリと喉が震えた。極度の緊張とプチパニックに耐えながら会話を展開していく。

「お寺の伝説。あなたのヒントで『妙光院の化け猫伝説』にたどり着きました。もしかして、アンギョウ地区を騒がせる悪霊の正体は妙光院に現れる化け猫のことではありませんか?」

 スセリは核心に迫る。

 すると若い男性の悪霊は静かに微笑んでスセリに近づく。スセリは目を見開いて身を固める。スセリの脳裏によぎったのは浄化師に認定されていなかった頃にサトミに言われたことだった。

『悪霊の浄化をしている間、少なからず悪霊の瘴気を体に受けてしまうの。だから私たちは聖水で禊をしなければならないの。これを怠ると敵を本拠地に招くことになる。そして瘴気は人間の体にとってみれば毒のドーピングのようなもの。積み重なるといろんな影響が出てしまうのよ』

 今すぐ離れなければ。

 あの化け猫に出会ってからもスセリは化け猫の瘴気を少なからず浴びてしまっている。これ以上瘴気を受けるのは危険だ。

 スセリは離れようともがく。

 すると若い男性の悪霊はスセリに言った。

「それだけ分かればあとは任せられる。よろしくね」

 若い男性の悪霊はそう言い残すと消えてしまった。スセリは待って! と声を出したがそんな思いも虚しく消えてしまう。

 その直後、ズシンとスセリの体が重くなる。

 まるで大きな重りが体にのしかかっているかのような重さだ。スセリはその場にうずくまってしまう。足は動くがゆっくりだ。普通に歩けない。

 瘴気の影響だ。スセリは確信した。今すぐにアンギョウ地区会館に戻って禊をしなくては、と壁に手をつけて重い体を支えながら歩き出す。

「なんで悪霊の姿が見えたの・・・? 私は化け猫の悪霊を見るために一発撃った。浄化水晶の破片は妙光院の中にあった。それなのに・・・なんで境内の外にいる悪霊が見えたの・・・? なんで・・・?!」

 スセリは虚ろな目で見据えながらボソボソと呟いた。手傷を負った廃人も同然だ。スセリはアンギョウ地区会館を目指してゆっくりと歩いた。



 午後二十時。アンギョウ地区会館。玄関。

 夜が更けた。

 アンギョウ地区会館が妙に騒がしい。

「遅いな」

「おかしすぎる」

 玄関にいたのはシュンとフウマだ。二人が待っているのはスセリだ。フウマと別れたのち、アンギョウ地区会館で再会するはずだった。しかし、スセリは戻っていなかった。何時間も待ったがスセリは姿を現さなかった。

 すると玄関が開いてそこにミホがいた。

「阿部に連絡できたか?」

「電話の呼び出し音はするんやけど、全然出ません。スセリちゃん、大丈夫やろか・・・」

 ミホもスマートホンを握りしめて心配そうに見つめた。シュンは息を吐く。

 シュンの頭の中に様々な可能性を探す。

 スセリは浄化師でも珍しい『神様の眼』の持ち主。悪霊にとってみればご馳走だ。悪霊に襲われている可能性が高い。

 そしてスセリは浄化師である以前に二十二歳の若い女性。この世には悪霊と同じくらいに変質者という恐ろしいものも存在する。実際の犯罪に巻き込まれた可能性だって捨てきれない。

「三嶋。阿部と別れる時、どこに行ったとか聞いたか?」

「そういや、新人ちゃん気になることがあるからって妙光院の方へ行くって言ってたな・・・」

「妙光院か・・・。よりにもよって渦中の寺に単独で行くのか。あの馬鹿が!」

 シュンはライフルを持ってアンギョウ地区会館を飛び出した。ミホとフウマの声に耳も貸さず向かう。

 シュンはインカムを起動させ、叫んだ。

「アンギョウ地区にいるヤタガラスの浄化師に告ぐ! 現在浄化師の阿部スセリが行方不明! 今から俺が指示することを実行しろ! 俺は阿部の行方を捜しに妙光院付近へ向かう! 熱田はアンギョウ地区会館付近を捜索! 大宮は金山さんに報告してアンギョウ地区会館に待機! 同じく立石も待機しつつ、大宮の補佐だ! 念のために岩永兄妹に連絡! そして三嶋は交番で周辺に不審な人物がいなかったか聞いてこい! 頼んだぞ!」

 的確なシュンの指示を聞いたヤタガラスは「ラジャ!」と声を合わせた。

 シュンは暗闇の中を走り、急いで妙光院に向かった。

 そしてシュンが出発した数分後にはヨシキも出発した。

「阿部! 無事でいてくれよ!」

 ヨシキはそう呟いて探し回る。アンギョウ地区会館ではサトミがヒジリに連絡を取る。そしてミホもスマートホンでナンペイ地区にいるヤタガラスのかかりつけ医である岩永兄妹に連絡をしていた。

 フウマも近くの交番で聞き込みを行う。

 それぞれが役割を果たしていったのだった。

 スセリの捜索を始めて一時間が経過した。未だにスセリの行方はつかめていない。しかも周辺に不審な人物の情報は一切なかった。犯罪に巻き込まれた可能性は低くなる。

 シュンは妙光院へやってきた。

「ここが妙光院か」

 立派な門構えがシュンを迎える。

 シュンはライフルを構えた。

 シュンの研ぎ澄まされた五感は悪霊の気配すら察知してしまう。妙光院のある場所は街灯が少ない。夜中ともなれば通る人は少なくなる。

 すると、黒い靄がシュンの前に現れる。

「てめえ!」

 シュンはライフルを構える。するとスセリの声が頭の中に響いた。

 あの悪霊から悪意は感じられない。むしろこちらを敵と見ておらず、危害は加えないと。シュンは信じがたいが、不思議とその悪霊からはその悪意も何も感じなかった。浄化師としての経験が少ないスセリの言葉が離れなかった。

 シュンは構えていたライフルを下ろした。そして現れた若い男性の悪霊がシュンの方を見る。そしてシュンは一定の距離を保った状態で聞いた。

「阿部はどこだ?」

 すると若い男性の悪霊は何も言わずにある場所を見据えた。

 そこは桜並木の坂道だ。

 シュンは若い男性の悪霊が見る方向を見る。

「あそこにいるんだな?」

 シュンはそう言って走り出した。悪霊の真横を通って桜並木の坂道へ向かう。しかしシュンは立ち止まった。そして若い男性の悪霊を見据えて言った。

「もしこれがお前の仕業なら、どんなに阿部が擁護しようとも俺はこれでお前を撃ち抜く。・・・覚悟しろ」

 捨て台詞とも聞き取れるそれを吐いてシュンは走って行った。

 シュンの後ろ姿を見守って若い男性の悪霊は姿を消した。

 桜並木に近づいた時、シュンのスマートホンの着信音が鳴った。シュンは画面をタップして耳に当てた。

「鳴海だ。どうだった?!」

『アンギョウ地区に不審人物に関する通報は来ていないそうです』

「不審者じゃないか・・・」

 電話をしてきたのはフウマだった。フウマはシュンから交番で不審人物の目撃場がないか聞きに行った。しかし結果は白。何もなかった。しかし犯罪に巻き込まれた可能性は低い。

「そうか。大宮たちは何か言ってないか?」

『サトミちゃん!』

 フウマはスマートホンをサトミに渡した。電話口にはサトミが出る。

『シュンさん。大宮です。金山さんには報告できてます。あとはミホが岩永さんのところに連絡したらゴウさんがナンペイ地区から直接アンギョウ地区会館に来てくれるそうです』

「よくやった! また連絡する」

 シュンは電話を切ると桜並木の方へ足を進ませた。

 この時期は桜の花がない。緑の葉っぱで溢れている。シュンが暗闇の中で歩いていると、地面に何かが食い込んでいるのを見つけた。しゃがんで見ると、何かがコンクリートに埋まっている。

 それをほじくり出す。

 シュンにはその正体がすぐにわかった。

 地面に食い込んでいたもの、それは拳銃の弾丸だった。

 銃刀法で厳しく規制されている日本の中で携帯していても違和感がないのは、警察官と浄化師だけだ。しかも食い込んでいた弾丸にはキラキラした結晶が付着している。このキラキラした結晶の正体は砕け散った浄化水晶だ。

 これでこの弾丸を撃ったのは警察官ではなく浄化師であることが分かった。

 シュンはこの弾丸の周囲を探し始めた。すると、隠れていた月が顔を出す。月明かりが照らす。

 するとシュンのスマートホンがまた鳴り出した。

「鳴海だ」

『シュンさん! 熱田です。そちらはどうですか?』

 ヨシキからの電話だった。

「妙光院近くにある桜並木の坂道に阿部が撃ち込んだものと思われる弾丸が道路に食い込んでいた。もしかしたら俺の近くにいるかもしれない」

『そうですか! 僕もそちらへ向かいます』

 ヨシキがそう言ったが、シュンの応答がなかった。不思議に思ったヨシキが声を再びかけた。

『シュンさん?』

「どうやら熱田が来るほど遠くにはいないらしい・・・!」

 ヨシキがそう言った。

 月明かりが照らされる桜の木の下。その木の下にはうつ伏せになって倒れているスセリの姿があった。電話越しからはヨシキのがシュンを呼ぶ声が聞こえて来る。しかし、シュンは電話を切ってしまってしまった。

 そして急いでスセリのそばへ駆け寄り、スセリを抱き上げた。

「阿部! しっかりしろ!」

 ヨシキはスセリの体を掴んで揺する。しかし、スセリはぐったりとして目すら開けていない。シュンは最悪を想定し、すぐにスセリの脈を確認した。

 脈はしっかりある。

 スセリは意識を失っているだけだ。シュンはスセリを横に抱きかかえると、アンギョウ地区会館に向かって歩き出した。

 スセリを無事に救出し、抱き上げて戻るシュンの姿を若い男性の悪霊が静かに見守っていた。スセリの表情を見て心配そうに見つめるが、

「にゃあお・・・」

 化け猫の声を聞いて若い男性の悪霊は声のする方向を見る。すると妙光院の門にギラリと眼光が見える。化け猫は無防備なスセリとシュンを狙っているように見えた。

 意識不明のスセリを抱えているシュンはライフルも構えられない。今襲われたら全てが終わる。悪霊にとってみれば絶好のチャンスだ。

 そんな化け猫を若い男性の悪霊が目で威嚇する。すると化け猫はひるんで妙光院の中へ消えていった。

「・・・僕は、君が・・・」

 若い男性の悪霊はそう呟いて静かに消えていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ