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マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった  作者: naomikoryo


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9/29

第9話:4月18日「会ってみたいとは思わない?」

《マッチアプリ画面》


千佳:

こんばんは。

今日はなぜか、1日中眠かったです…

リョウさんは大丈夫でした?


リョウ:

こんばんは。お疲れさまです~

僕もです…午後、会議中に意識飛びそうになって、

自分のメモが象形文字になってました(笑)


千佳:

わかる(笑)

意識ギリギリのメモって、

後から見返すと「誰…?何の話…?」ってなりますよね。


リョウ:

そうそう(笑)

しかも、今日の会議、たぶん出なくても何も変わらなかったんじゃ…

って思うくらい、内容が薄くて(笑)


千佳:

あるあるすぎる(笑)

なんであんなに人数集めたがるんですかね…

あの空気の中で眠くなるなって方が無理です。


リョウ:

共感してもらえて救われます(笑)

ちなみに、今は何してるんですか?

もう布団入ってます?


千佳:

うん、ベッドでごろごろしてるだけです。

眠いけど、寝るにはまだ惜しい時間って感じで(笑)


リョウ:

わかるなあ、それ。

なんか、こういう夜って…不思議といろんなこと考えたりしません?


千佳:

しますね。

ちょっとセンチメンタルになるというか(笑)


リョウ:

で、ふと気になったんですけど、

千佳さんって…

このアプリで誰かと実際に会ってみようとか、思ったことあります?


千佳:

……おぉ、急に真面目なやつきた(笑)


リョウ:

ごめんなさい、変な意味じゃなくて(笑)

なんとなく、千佳さんって「このままがちょうどいい」って感じがするから、

あえて会わないタイプかなって思って。


千佳:

うーん、たしかに。

会ったら、きっと何かが変わる気がして。

良い方向に変わるかもしれないけど、

このバランスが崩れるのがちょっと怖いかも。


リョウ:

わかる気がします。

声を聞いたら、イメージと違って…とか、

話してみたら、なんか続かなくて…とか。

そういうの、怖いですよね。


千佳:

そうそう。

いまの、この距離感が心地いいから、

無理に変えたくないって気持ちはありますね。


リョウ:

でも、逆に考えると──

もし、いまのやりとりがずっと続いたら、

それってすごく幸せなことかもしれませんよね。


千佳:

うん、たしかに。

“顔も知らない誰かと、ちゃんと心のやりとりができる”って、

すごく贅沢なことかも。


リョウ:

だから、無理に「会うか会わないか」って話じゃなくて、

この関係のままでも、何かがちゃんと届いてる気がして。

それだけで十分な気もしてます。


千佳:

うん、私も。

今は…これで、いいのかも。


リョウ:

でもまあ、もし、

「ちょっとだけ会ってみるのもアリかも」って気分になったときは、

こっそり教えてください(笑)


千佳:

ふふ、わかりました(笑)

そのときは、まずは「見るだけ」とかにしましょうか。

お互い気づかれずに見てみる、とか(笑)


リョウ:

いいですね、それ。

なんか、映画のワンシーンみたいで(笑)


千佳:

やっぱりちょっと夢見がちかも、わたし(笑)

でも…リョウさんとだったら、

そういう約束も、ちょっと面白そうだなって思ってます。


リョウ:

じゃあいつか、“見に行く日”が来たら、そのときは。


千佳:

うん、そのときは。


リョウ:

さて、そろそろ眠りの準備に入ります(笑)

おやすみなさい、千佳さん。


千佳:

おやすみなさい、リョウさん。

また明日、ですね。



◆◇◆


(和人は、布団に潜りながら、

「見るだけなら、怖くないかもな」とふと思った。

声をかけなければ、笑わなくてもいいなら。

このままの“関係”を守ったまま、相手の姿だけを見られるのなら──)


(真子は、スマホのライトを消して目を閉じる。

会いたいわけじゃない。けれど、一度だけ見てみたい。

誰かと“心で繋がる”って、思っていたよりずっと、

不思議で、面白いものかもしれない)

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