第10話:4月19日「好きなものを語るときのテンション」
《マッチアプリ画面》
千佳:
こんばんは。
リョウさん、突然なんですけど──
“推し”っています?
リョウ:
こんばんは(笑)
おっと、いきなり深い話題きましたね。
“推し”…って、芸能人とか、そういう?
千佳:
そうそう。
アイドルでも俳優でも、YouTuberでも漫画のキャラでも、
何かしら定期的に愛でてる存在(笑)
リョウ:
うーん…強いて言えば、
昔から好きな作家さんがいて。
伊坂幸太郎なんですけど、
新刊が出ると絶対に初版で買います。
千佳:
おお、それはもう立派な“文系の推し活”ですね(笑)
伊坂作品ってテンポ良くて読みやすいのに、
なんか深いんですよね…。
わたしも『重力ピエロ』、いまだに心に残ってます。
リョウ:
それめちゃくちゃわかります…。
兄弟の関係とか、家族ってなんだろうって、
読み終わったあとしばらく考えました。
千佳:
リョウさん、語る語る(笑)
こういうの聞くの楽しいな。
“好き”を語る人のテンションって、見てて気持ちいいから。
リョウ:
千佳さんはどうですか?
何か熱くなれるものあります?
千佳:
私はですね…
某アイドルグループに、ずっとゆるくハマってまして(笑)
王道系っていうより、ちょっとクセのあるグループなんですけど、
ダンスも歌も中毒性があって…気づいたらYouTubeの沼に。
リョウ:
わかる、それ(笑)
ふと気づいたら「関連動画」10本目くらいになってるやつ。
千佳:
そうそう!
1本3分だから…って油断してたら、
平気で1時間経ってるんですよね(笑)
しかも、同じ動画を3回とか見ちゃう。
リョウ:
「同じとこで笑ってるのに、なんか新鮮」みたいなやつですよね(笑)
千佳:
そうそう!わかってる~(笑)
でも最近、ライブ配信とかもあって、
「推しが今リアルタイムでしゃべってる…!」ってなると、
生活リズムぐちゃぐちゃになります(笑)
リョウ:
その気持ち、ちょっと羨ましいかも。
何かを全力で好きでいられるって、
今の年齢になるとなかなか貴重ですよね。
千佳:
それはあるかも。
だからこそ、「好きって言える場所」があるって大事だなって思います。
リョウ:
ちなみに、その推しグループって…
ヒントだけでも、名前の頭文字とか(笑)
千佳:
ふふ、どうしようかな~(笑)
バレたらちょっと恥ずかしい気もするし…
でも、じゃあヒントだけ──「M」で始まります。
リョウ:
おっと、気になる(笑)
でもその曖昧さがまた面白いですね。
“顔の見えない誰かと、推しを語る”って、
ある意味一番純粋な推し活かもしれない。
千佳:
たしかに(笑)
会ったこともない人に、
「この子のここが最高なんだよ~」って熱弁してるの、
なんか妙に楽しいです。
リョウ:
僕も同じ感覚です。
こういう話って、
意外とリアルな友達とはタイミング合わなかったりするし。
千佳:
そうなんですよね。
相手のリアクション気にしちゃったり、
熱量に温度差あったりして、
途中で「この話もうやめとこ…」ってなるときある(笑)
リョウ:
でも千佳さんとは、なんかテンポ合うから、
話してて心地いいです。
千佳:
うん、私もそう思ってました。
“好きなもの”の話で盛り上がれる相手って、
けっこう大事ですよね。
リョウ:
マッチング率100%、伊達じゃなかったかも(笑)
千佳:
ふふ、それはちょっと言いすぎかもですけど(笑)
でも今日は楽しかったな。
語れるって、いいですね。
リョウ:
ほんとに。
じゃあまた次は…別ジャンルの“好きなもの”トークでもします?
映画とか、食べ物とか。
千佳:
ぜひぜひ!
リョウさんの“食のこだわり”とか聞いてみたい(笑)
リョウ:
なんかハードル上がってません?(笑)
じゃあまた明日、ゆるっとお話しましょう。
千佳:
はーい。
おやすみなさい、リョウさん。
リョウ:
おやすみなさい、千佳さん。
◆◇◆
(真子:“趣味”という、少しパーソナルな話題。
それを語れる相手がいるというだけで、
今日という日がこんなにも“楽しかった日”に変わるなんて…)
(和人:たった数十行の文字のやりとりが、
こんなにも心を満たすのは、
言葉の奥に“通じている”という安心感があるからだな)




