表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった  作者: naomikoryo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/32

第30話:5月8日(後編)「見たい、けど…」

《マッチアプリ画面》


千佳(17:38)

こんばんは。

お昼食べてから、

録画してたドラマ4話ぶっ通しで見ちゃいました(笑)


リョウ(17:41)

こんばんは(笑)

ドラママラソン、いいですね。

こっちは久々に昼寝して、さっき起きました。

すごい夢見て、ちょっとまだふわふわしてます(笑)


千佳(17:43)

どんな夢だったんですか?


リョウ(17:45)

なんか…知らない人たちと一緒にテーマパーク行って、

最後に誰かと手をつないで歩いてる夢でした。

でも顔は全然覚えてない(笑)


千佳(17:47)

なんかロマンチックなような、不思議なような(笑)

顔が思い出せないってところが夢っぽいですよね。


リョウ(17:49)

うん。

夢の中ではすごく安心してたんだけど、

起きたら何も覚えてなくて、

でも「よかったな」って気持ちだけが残ってる。


千佳(17:52)

……それ、ちょっと分かるかも。

わたしもたまに見る。

誰かが隣にいるのに、その人のこと何も分からなくて、

でも一緒にいるだけで、安心できる夢。


リョウ(17:55)

現実でも、

そういう感覚、

あるのかもしれませんね。

何者か分からないままでも、

ただ一緒にいられることで、

救われるような関係。


千佳(17:58)

……ねぇ、リョウさん。

今日の午前中の話なんだけど。


リョウ(18:00)

うん。


千佳(18:03)

あれ、

ちょっとだけ、

現実味が出てきちゃってる気がしてて。


リョウ(18:06)

……自分も。

昼間、ずっと考えてました。

“見るだけ”って本当に可能なのか、

それで満足できるのか、

それとも逆に、余計に苦しくなるのか。


千佳(18:09)

そう。

満足するためじゃなくて、

気持ちを終わらせるために見るような気がして。


リョウ(18:12)

それって、

もう“会いたい”と同じじゃないのかなって、

思ったんです。


千佳(18:14)

わたしも。

“見るだけ”って、

ただの言い訳なのかもしれない。

会いたいわけじゃない、

でも、知らないままでいたくない。

そう言ってるだけで、

結局、わたし…


リョウ(18:17)

“知りたい”んですよね。

でもそれがどこまで許されるのか、

わからなくなってきてて。


千佳(18:20)

リョウさん。

仮に、ほんとに同性同士だったら──

わたし、

たぶん迷わず「会おうよ」って言ってたと思う。


リョウ(18:22)

……自分も、そうです。

たぶんもうとっくに、

会って一緒にコーヒー飲んで、

どうでもいい話で笑い合えてたと思う。


千佳(18:25)

なのに今は、

“見るだけ”の話ですら、

こんなに慎重になってる。


リョウ(18:28)

それくらい、

この関係が壊れるのが怖いってことなんでしょうね。


千佳(18:31)

うん。

壊したくないって気持ち、

どんどん強くなってる。


リョウ(18:33)

じゃあ、

もう少しだけ、今のままでいましょうか。


千佳(18:34)

……うん。

もう少しだけ、

“話すだけの関係”で。


リョウ(18:36)

でも、

もしどこかですれ違ったら、

その時は気づかないふりをしてもいいから、

目だけは、

合わせられたらいいですね。


千佳(18:38)

……それ、

すごく嬉しい言葉でした。

ありがとう。


リョウ(18:39)

こちらこそ、ありがとう。

夕飯、しっかり食べてくださいね。


千佳(18:40)

リョウさんも。

また夜、少しだけでも話しましょう。


リョウ(18:41)

はい、ぜひ。



◆◇◆


(和人は、

「見るだけでいい」と言いながら、

自分が“見られる側”になったときのことを考えていた。

リョウが、自分を見たらどう思うだろう──

その不安と、期待と、恐怖が、ぐるぐると混ざっていた)


(真子は、

「目を合わせられたらいい」

その言葉の意味を何度も反芻していた。

もし、千佳が自分を見て、

“男”だとしか思っていなかったら──

その時、自分はどうなるんだろう?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ